操作はキャラ移動と「表情」だけ。フェイストラッキングで挑む2Dパズルアクション『YaoyoroZOO』試遊レポート【BitSummit PUNCH】

操作はキャラ移動と「表情」だけ。フェイストラッキングで挑む2Dパズルアクション『YaoyoroZOO』試遊レポート【BitSummit PUNCH】

2026.05.24
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2026年5月22日(金)から24日(日)の3日間、京都・みやこめっせで開催されている「BitSummit PUNCH」。展示されたゲームの中から、今回はAlSHが開発するジャンプアクションパズルゲーム『YaoyoroZOO』を紹介します。

TEXT / 宮本 陽向
EDIT / 神山 大輝

目次

自分の顔を動かしてギミックを発動するパズルアクション

本作は、移動とジャンプによってステージを攻略していくスタンダードな2Dアクションゲーム。しかし、ユニークな要素として「プレイヤーの表情」をカメラでトラッキングし、ゲーム内オブジェクトの状態を変化させるギミックが実装されています。

表情によって変化するオブジェクトは「ファニマル」と呼ばれ、リモコンを模したコウモリや、工具箱をモチーフにしたカバ、時計の姿をしたミミズクなど数多くが登場します。主人公はファニマルたちの飼育員となり、お腹をすかせたファニマルにエサを届けるため、部屋の中を冒険していきます。

このゲームの特徴は、フェイストラッキングを用いた独自の操作システム。プレイヤーの口の動きやまばたき、顔の傾きがゲーム内に反映され、ファニマルたちがインプットに応じたアクションを行います。

例えばカバを模したファニマルは、ジャンプ台として利用できます。プレイヤーが口を開けるとカバも大きく口を開くため、主人公がカバの上に乗った状態で口を開くことで、その勢いで高く跳び上がることができます。

プレイヤー自身が口を大きく開けると、カバをモチーフにしたファニマルの口がパカっと開き、その上に乗った主人公が大きくジャンプ。これによって、通常ジャンプでは届かない高さに届くことができる

また、プレイヤーが「まばたき」をすると、リモコンを模したコウモリが超音波を発射し、壁や地面などの地形を変化させます。これによって足場を作る、あるいは消しながらステージを攻略します。

コウモリがインタラクトするオブジェクトは、矢印マークで示されている。まばたきをすることで、床が消えて下まで落ちてしまった

ほかにも、プレイヤーの顔の傾きに合わせてステージ全体の重力の向きが変化するミミズクも登場。顔を傾けた方向に合わせて地面の向きが切り替わるため、これまで壁だった場所を床として移動できるようになります。

重力を利用してダイナミックにステージを移動しながら、通常では辿り着けない場所へ

ステージ終盤では、これらのファニマルたちの能力を組み合わせて攻略を進めます。プレイヤー自身が口を動かし、タイミング良くまばたきし、顔を傾けながら、コントローラーでは主人公を操作して進んでいく。

操作が複合的になることによるカオスな面白さが、ほかの2Dアクションゲームにはない体験として非常にユニークな作品でした。

『YaoyoroZOO』は、「BitSummit PUNCH」アワードにおいてINNOVATIVE OUTLAW AWARD革新的反骨心賞)を受賞しました。おめでとうございます!

顔を意識して動かす楽しさを2Dアクションゲームとして表現

AlSH 企画・デザイン等 samirin33氏(左)、プログラマーまよねえ氏(右)

本作は、BitSummit実行委員会が主催する学生・若手クリエイター向けゲームジャム「BitSummit Game Jam」をきっかけに制作がスタートした作品です。開発チームは大学生や専門学校生、高専生を中心に構成されており、ゲームジャムということで初対面のメンバー同士で開発を進めていったとのこと。

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開発期間中はDiscordによるコミュニケーションが中心でしたが、オフラインで集まる「コア開発デー」をきっかけに連携が深まったと言います。samirin33氏は、実際に会って話すことでメンバー同士の仲が深まり、その後のコミュニケーションも円滑になったと振り返りました。 

本作はBitSummitGameJam 2025の参加作品。1年のブラッシュアップを経てBitSummit PUNCHに登場した

本作の開発で特に大変だったのは、フェイストラッキングの実装。当初は「OpenFace」を用いて顔認識を行っていたものの、1〜2秒ほどの遅延が発生しており、ゲーム体験が大きく損なわれていたといいます。

その後、「MediaPipe」プラグインへ変更したことで、遅延や認識精度が改善。しかし、今度は展示用PCでフェイストラッキングが正常に動作しない問題も発生しており、原因となっていたC++関連のライブラリ不足に気づくまでは苦戦したと話しました。

また、本作では当初、パズルを解く面白さと顔を動かして遊ぶ体験のどちらをゲームの軸にするか悩んでいたとのこと。最終的には、顔を動かすことそのものの楽しさを重視する方向へ舵を切ることで、現在のゲームデザインに繋がりました。

現在はSteamでの公開に向けて開発が進められており、早ければ2027年内リリースを目指しているとのことです。

ストアページ(BOOTH) https://booth.pm/ja/items/7465286
リリース時期 2027年予定
『YaoyoroZOO』配信ページ|BOOTH「BitSummit PUNCH」公式サイト
宮本 陽向

現在、大学に通いながら日々ゲーム制作を学び、ゼミではゲームプランナーとして制作に取り組んでいる。頭を使って攻略するパズル性の高いゲームや、自然をモチーフにした世界観のゲームを好む。

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