京都で開催された「OPEN GAME FEST 2026」はインディーゲーム展示コーナーも大盛況!注目の出展作品をフォトレポートで紹介

京都で開催された「OPEN GAME FEST 2026」はインディーゲーム展示コーナーも大盛況!注目の出展作品をフォトレポートで紹介

2026.07.17
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2026年7月11日(土)、ゲーム開発カンファレンス&インディーゲーム展示会「OPEN GAME FEST 2026が「京都コンピュータ学院 京都駅前校」で開催されました。

70タイトルを超えるインディーゲームの展示に加えてさまざまなカンファレンスやワークショップも実施された盛りだくさんなイベントの模様を、出展タイトルのピックアップレポートを中心に紹介します。

TEXT / ハル飯田
EDIT / 浜井 智史

目次

ゲーム開発カンファレンス&インディーゲーム展示&ハンズオンと盛りだくさん!プロも学生も楽しめる複合イベント

「OPEN GAME FEST」は、UE専門のゲーム開発会社「Indie-us Games」が主催するイベントで、2025年5月に初開催。このたびの「OPEN GAME FEST 2026」で二度目の開催となります。

本イベントは「ゲーム開発者ならびにゲーム業界を目指す学生の成長を促し、開発モチベーションを向上させること」が目的として掲げられています。

入場料は無料。ゲーム開発技術の講演に加えてインディーゲーム展示スペースなども用意され、開発者もゲームファンも皆で楽しめる、まさにお祭りのようなイベントとして設計されています。

講演のスケジュールと会場マップ。休憩エリアがしっかり設けられているのもありがたいポイントでした

講演は会場6階の大ホールにて合計5本が実施。中には、ゲーム業界の採用について事前に寄せられた質問にゲーム会社の社長や専門学校の先生が答えていく「企業は何を見ている? ゲーム業界志望者は何を考えている?ゲーム業界の採用を本音で語ります!」というトークセッションも。

ゲーム専門学校が舞台のイベントならではといえる本講演には、ゲームメーカーズより神山編集長(@gula_sound)も登壇。さまざまな形でゲーム業界に携わるスピーカーそれぞれの立場で語られる採用に向けてのポイントや知見に、大勢の聴講者が耳を傾けていました。

さらに、無料で参加できる初心者向けハンズオンも開催。アンリアルエンジンにUnity、ZBrushと、ゲーム開発に役立つさまざまなツールの使い方を学べる機会となりました。

そのうち「今日から始める!3Dアクションゲーム制作ワークショップ」では、ゲームメーカーズ編集部の神谷が講師を担当。ゲームメーカーズ公式マスコットキャラクター・遊日コロンちゃんの3Dモデルなどが入った制作キットを使用し、アクションゲームのギミック実装を体験できました。

ハンズオンは京都コンピュータ学院の教室で実施。さながら授業のような光景に

インディーゲーム展示コーナーでは70本以上の作品が出展。普段は教室として使われている数々の部屋が展示スペースとなっており、長い廊下の左右にずらりと並んだ部屋に入っていくというちょっと不思議な体験が味わえたコーナーから、筆者が気になった作品をピックアップして紹介します。

廊下側の壁には、各部屋で展示されているタイトルのプレートが掲示されており、廊下からそれぞれのエリアに入っていく珍しい動線のイベントに

消えた友を探して暗闇をループする『Kindling Hour』

最初に紹介するのは『Kindling Hour』。突然姿を消した友人の「夢子」を探しに、ロウソクの灯りを頼りに暗闇の中を進んでいく不思議な体験を描いたテキストアドベンチャーです。

主人公は気づけば真っ暗な空間へと迷い込んでおり、暗闇を進む中で夢子の日記を発見し、過去の出来事を思い返していくという流れで物語は進みます。

暗闇の奥で怪異と遭遇したところでスタート地点へ戻り、手に入れた情報やアイテムを確認しながら再び暗闇を進んでいくループ要素も大きな特徴です。

クリック操作のみで完結するシンプルな作品で、一目で印象に残るサイケデリックな色使いがインパクト大。可愛らしいキャラクターデザインは「てつなつ」さん(@TTetsunatsu)が担当しています。

怪しげなムードを演出するサウンドも魅力的で、味わい深いアートワークと組み合わさって生まれる独特なテイストが刺さる方も多いのではないでしょうか。

本作はホラーテイストを含みますが、作風の中心は「不気味さ」や「不安感」に据えられており、グロテスクな表現やジャンプスケアなどの過激な演出は入れていないとSteamストアページでも明言されています。

過去を懐かしんだり怒りを化け物にぶつけたりする主人公の人間味も随所に表れており、今回プレイした範囲だけでも物語に散りばめられた温かみが感じられました。

UnityのURPやAfter Effectsを駆使した演出技巧

本作を手がける「くわぽん」さん(@minkminkyotaro)は、ゲームサウンドデザイナー「KUWAPONG SOUND DESIGNS」としても活躍しており、効果音制作で『HINO』など複数の作品に携わっています。

『Kindling Hour』は「過去のトラウマを乗り越えるような、ポジティブになれるゲーム」を意識して開発中。影響を受けた作品として『Subway Midnight』や『Milk inside a bag of milk inside a bag of milk』の名前も挙げていただきました。

まずRPGツクールでプレイ時間3分ほどのバージョンを制作してアイデアを形にした後、Unityでの開発に移行。現在は「Adventure Creator」アセットやユニバーサルレンダーパイプライン(URP)を活用した演出の強化に取り組むステップへと移っているとのこと。濃淡が印象的なキャラクターの立ち絵も、実は単色で描かれたものをAfter Effectsで加工して表現しているそうです。

ロウソクの灯りに照らされる様子は、Unityの「Light 2D」で表現

itch.ioでβ体験版も公開されており、現在の開発状況は「6割程度」。2026年末~2027年頃のリリースを目指して開発が進行中です。

CRI・ミドルウェアの「CRI ADX LE」を使用してのサウンド制作には「さらにこだわっていきたい」と、サウンドデザイナーならではの作り込みにも意欲を覗かせていました。

ブースでは声優を務める「Bugって花井」さん(@bug_shark)のイベント告知も

『Kindling Hour』Steamストアページ「くわぽん」氏 Xアカウント

懐かしの手動改札で切符を切る『酷鉄のオシゴト』

続いて紹介するのは、世代によって少し異なる印象が抱かれていそうな「切符」が題材の作品。その名も『酷鉄のオシゴト』です。

本作の舞台は駅の改札。それも現代では当たり前となった自動改札ではなく、ハサミで切り込みを入れていく手動改札時代における駅員の仕事を体験できるシミュレーションゲームとなっています。

プレイヤーは駅員となって乗客の切符をチェックして切り込みを入れていくのですが、どうにもうっかりさんが多い街らしく、運賃に過不足のある切符で退場しようとする人が続出。その都度精算を行いながら、出来る限り多くのお客さんを捌いていくことを目指すゲームです。

一日の終わりには成績のハイライトも。酔っ払いのお客さんはとんでもない切符を買っていた

ベースとなるゲーム性は名作『Papers, Please』の影響を大きく受けていることは、ここまでの説明でお気づきの方も多いはず。日数ごとに業務が複雑化していく仕組みなど、タスク処理系シミュレーションとしての魅力を継承しつつ、小銭の管理要素などオリジナリティも取り入れられています。

切符を意識した色使いで統一されたアートスタイルや、ユニークな配置のUI、登場人物たちの何気ないやり取りなど、ゲーム全体でまとまった印象を受ける趣深い作品。イベント会場が専門学校とあって、プレイ後にはふと「今の学生さんはこの時代設定にピンと来ないのかも知れない」と想いを馳せてしまう、レトロテイストが光る仕上がりでした。

ローディング画面は切符をモチーフとしたデザイン

日々の仕事を頑張る勤め人たちの姿をゲームに

『酷鉄のオシゴト』を手がけるのは個人開発者の「はやなり」さん(@hayanariiii)。過去にアルバイトで精算業務を体験したことがあるそうで、「正しい処理をこなしていく様がまるでゲームのようだ」と感じていた経験が本作に反映されています。

ゲームエンジンはUnityを使用し、ドット絵は「Aseprite」で制作しています。前作『Gluck』で「色を多く使い過ぎて大変だった」反省を活かし、今作では少しテイストを変えたアートになっているそうです。

ブースでは『酷鉄のオシゴト』と並んで『Gluck』も展示。両作品とも試遊できた

鉱夫が主人公だった前作『Gluck』に引き続き、本作でも働く人々にフォーカスした点については「苦しみながら頑張る人が好きなのかもしれない」とのこと。過酷な環境に置かれながらもユーモアを忘れずに過ごすキャラクターたちとの会話やストーリー要素も作品の大きな魅力となっています。

チュートリアルでは先輩の早々戸(さっさと)さんが指導してくれる

計算を主体とするゲームなので、たくさんの数字を正しく扱って判定する仕組みを作らなければならないと開発の苦労も明かしていただけましたが、ボリュームアップに向けて鋭意制作が進行中。日数が経過するごとに要素が増えて難易度が上昇していく仕様とするべくシステム作りに取り組んでいるとのこと。

ドット絵とマッチしたフォントは「患者長ひっく」さん(@hicchicc)が配布しているフリーフォント

普段は山梨県を拠点としている「はやなり」さん。こうしたイベントに参加できる機会はなかなか無いそうで、今回の「OPEN GAME FEST」出展を楽しまれているようでした。

「はやなり」氏 Xアカウント

白線の上だけ歩いてよし!下校の時間が冒険に変わる『ホワイトノウェイ』

続いての作品は、誰もが経験のある童心をテーマにした『ホワイトノウェイ』。

子供の頃に「今日は白線の上だけを歩いて帰ろう」と“自分ルール”に則って下校したあるあるをゲームに落とし込んだウォーキングシミュレーター的作品で、主人公の男の子を操作して自宅まで無事に導くことを目的としています。

マウスドラッグで足を動かして歩くシステムになっており、左右の足を交互に操作して白線の上を進行。子供らしく可動域はそこまで広くありませんが、足を高く上げない歩き方なので着地点が分かりやすく、慣れてくるとサクサク歩いていけます。

ありふれた通学路のステージをクリアすると、続いては主人公の思い出の中の光景を描き出した海のステージへ。3本のレーンを行き交いながら進んでいく、より高難易度なステージを楽しめました。

「何気ないきっかけで想像が飛躍する」という、こちらも幼少期にありがちな出来事がステージ遷移に落とし込まれています

白線を踏み外してしまっても多少時間がかかるだけでペナルティなしというシステムも、なんだが子供らしさが感じられます。しっかり歩いて2つのステージを突破すると、無事に自宅へと到着。「5時までに帰る」というお母さんとの約束を守り切り、楽しく「ただいま」を迎えましょう。

帰るころにはすっかり夕方になっており、ノスタルジックな雰囲気に

ノスタルジーを堪能できるシンプルなゲーム造形

『ホワイトノウェイ』でプログラマーを担当するメンバーであり、京都コンピュータ学院の学生でもある北中さんにブースでお話を伺いました。

本作は和歌山で行われたイベント「Game Grove X」内のゲームジャム「GGX NEXUS JAM」で制作されたもので、同県主催の「GGX Games Showcase」で最優秀賞を受賞。ゲームジャムのテーマ「聖域」から「子供時代の思い出」へと発想を飛ばし、本作の内容に至ったそう。

現在は8人チーム「ぴすたちお下校班」の皆さんによりSteamでのリリースに向けて開発が続けられている段階で、メンバーの過半数は学生というフレッシュなチーム構成に。北中さんも「学校で勉強した内容も活かしつつ、自分で調べながら開発に取り組んでいます」と、実作業ならではの経験を積めている手応えを感じているようでした。

ステージ選択は帰り道のルート取りで表現

当初は機能やギミックを付け足すことも検討されていたものの、複雑化していくと「伝えたいノスタルジックな雰囲気が味わいづらくなる」と判明し、最終的に現行のシンプルな形に。少ない説明でも遊び方が伝わりやすくなるようにブラッシュアップが重ねられており、試遊台でも多くの来場者がすぐにコツを掴んで遊んでいる姿が見られました。

使用エンジンはUnity。デザイナーによる手描きアートも本作の魅力を彩っている

『ホワイトノウェイ』Steamストアページ「ぴすたちお下校班」Xアカウント

“銃の反動”を推進力へ!『リコイルフライト』

最後に紹介するのも学生さんチームの作品。FPSなどのシューティングジャンルでお馴染みの、銃の反動「リコイル」に着目した2Dアクション『リコイルフライト』です。

自機を移動させてマップ上のゴールを目指していくゲームですが、自力では動くことができず、360度発射可能な銃の反動を推進力として移動しなければなりません。近くを射撃すると小さく、遠くを射撃すると大きく動く仕様で、的確な方向・距離を射撃して移動ベクトルを調整していきます。

壁に激突してしまうとステージの最初からやり直しとなり、弾数の制限もあるため乱射には要注意。装填数は最大6発で、マップ上の敵を射撃で倒すとMAXまで回復します。最短経路を目指すだけでなく、程よく敵を倒すルート取りも重要となります。

自機の頭上に浮かぶ円形のメーターが残弾を表している

狙った方向に移動するのはかなり難しいものの、敵に直撃してもノーダメージで、弾が切れても10秒待つと回復する救済措置など上手く調整された難易度が印象的でした。

時には移動する敵にぶつかることで上手く起動を修正できたり、射撃が偶然ヒットして弾を回復できたりと、運も味方につけたプレイも醍醐味になっている模様。

やられてしまっても、スムーズに再プレイ可能

全ステージを攻略するとクリアタイムと倒した敵が表示されるので、タイムアタックに加えて出来るだけ敵を倒す・倒さないプレイを突き詰めるなど、遊びの奥行きが生まれる余地もありそうです。

歯ごたえもありつつ幅広い層が楽しめる難易度設計

京都コンピュータ学院の学内ゲームジャムで開発されたという、まさに本イベントならではの展示作品と言える『リコイルフライト』。

開発チームでプランナーを務めた片山さんのお話によれば、学内ゲームジャムは単に作品を作り上げるだけではなく、上級生が後輩にゲーム開発の流れやノウハウを共有しながら作業を進めていく、学校ならではのスタイルで行われているのだとか。

ゲームジャムのお題となった「発射」について5人のメンバーで話し合いを重ね、「発射する物」ではなく「発射した後」を中心に据えることでゲーム性が決定。わずか2週間ほどの開発とあってシンプルさも追及されており、自機もよく見ると円柱に目を付けただけでキャラクター感を演出しており、アート面は完全にアセットを組み合わせるだけで仕上げられています。

ステージ中に「画面の端が歪む」ギミックはプログラマーのアイデアで導入。2Dながら少し立体感を演出している

敵の配置やマップ構造といったレベルデザインが苦心のポイントであるそうで、今回体験できたバージョンもやや歯ごたえのある難易度を想定しながらも「マウス操作に慣れていない人がプレイすると一気に難易度が跳ね上がってしまうので、そこが課題」と、幅広い層にプレイしてもらうための調整を意識していました。

初開催「OPEN GAME AWARD」では『シュレディンガーズコール』がアワードを受賞!

展示に講演、ハンズオンと、とにかく盛りだくさんの内容だった「OPEN GAME FEST 2026」。最後は大ホールにて閉会式とともに、出展作品の中から来場者投票でアワードを選出する「OPEN GAME AWARD」の授賞式が行われました。

初開催となる今回、栄えあるアワードに輝いたのは、5月末にリリースされたばかりの『シュレディンガーズコール』でした!おめでとうございます!

なおSteamでは「OPEN GAME FEST 2026」のイベントページも開設されており、出展作品の多くが確認できますので、現地に行けなかったという方はこちらもお見逃しなく。

次回以降の開催については「未定」としつつ、実現するなら「よりイベント名に合った要素を取り入れていきたい」と、さらなるパワーアップへの野望も語られた「OPEN GAME FEST」。イベントの模様や今後の情報については公式X(@OPEN_GAME_FEST)でも発信しているので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

「OPEN GAME FEST」公式サイト「OPEN GAME FEST」公式Xアカウント
ハル飯田

大阪生まれ大阪育ちのフリーライター。イベントやeスポーツシーンを取材したり懐ゲー回顧記事をコソコソ作ったり、時には大会にキャスターとして出演したりと、ゲーム周りで幅広く活動中。
ゲームとスポーツ観戦を趣味に、日々ゲームをクリアしては「このゲームの何が自分に刺さったんだろう」と考察してはニヤニヤしている。

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