アークライトは2026年5月23日(土)と24日(日)の2日間、千葉・幕張メッセでアナログゲームの祭典「ゲームマーケット2026春」を開催した。
「ゲームマーケット」は国内最大級のアナログゲームイベントで、ボードゲームを中心にカードゲームやテーブルトークRPG、マーダーミステリー、謎解きなどが一堂に集まり、展示・試遊・販売などが行われる。
本稿では、今回とくに注目を集めていたブースや全体の傾向について解説しよう。
アークライトは2026年5月23日(土)と24日(日)の2日間、千葉・幕張メッセでアナログゲームの祭典「ゲームマーケット2026春」を開催した。
「ゲームマーケット」は国内最大級のアナログゲームイベントで、ボードゲームを中心にカードゲームやテーブルトークRPG、マーダーミステリー、謎解きなどが一堂に集まり、展示・試遊・販売などが行われる。
本稿では、今回とくに注目を集めていたブースや全体の傾向について解説しよう。
TEXT / 松井 ムネタツ
EDIT / 浜井 智史
まずはアークライトのブースから。話題作の先行販売あり、新作タイトル試遊スペースあり、ゲームマーケット賞の発表あり、会場で初公開となる新作タイトルの発表ありと、とにかく盛りだくさん。開場と同時にスタートダッシュで行列ができ、終始賑わっている印象だった。
また、アークライトのブースからは離れた場所ではあるが、特設ブースエリアでは今回も「ゲームマーケットチャレンジコーナー」や「ゲーム制作者支援コーナー」などが設置。
「ゲームマーケットチャレンジ」は、毎年事務局から発表されるテーマに合わせてゲームを作りませんか?という恒例企画だ。初めてボードゲームを作る人は、まずここからチャレンジしてみるのもいいかもしれない。
「ゲーム制作者支援コーナー」は、ゲームメーカーズとアークライト 野澤 邦仁氏がコラボした記事連載「アークライト野澤流ボードゲームを作るには」の完結を機に用意されたもの。
2025年秋のゲームマーケットで新設されたコーナーで、今回も「これからボードゲームを作ってみたい」という人などから注目が寄せられていた。
ここ数年のゲームマーケットは人気IPを使ったアナログゲームが出展されるケースも頻繁に見られるようになってきた。これまでゲームマーケットは「熱心なボードゲームファン向け」といった印象があったが、そこから脱却しつつある状況なのだろう。
今回出展されたIPモノでいえば、まずは前回に引き続き『ポケットモンスター』がとくに目立っていた。『ポケモンごいた』に加え、新作『ポケモンシュシュシュ!』が初お披露目。モンスターボールが書かれた丸い札をなげて、うまくポケモンのカードに乗せてゲットするアクションゲームだ。「シュシュ!」と声を出しながら遊ぶ。
『名探偵コナンカードゲーム』(タカラトミー)は、2024年5月から展開されているトレーディングカードゲーム(TCG)だ。パッと見た目はこれまで通りのTCGだが、相手を打ち負かすのではなく「証拠を集めて事件を解決する」というコナンらしいゲーム内容になっているのが大きな特徴だ。
ブースでは無料体験会が実施され、参加するとアクリル製の事件編/解決編マーカー Vol.1などがもらえたということもあり、多くのファンが足を運んでいた。
『ディズニー・ロルカナ・トレーディングカードゲーム』は、2023年8月にアメリカで発売されたTCGで、日本では2025年1月よりタカラトミーから国内展開が開始。
「ロア(伝承)」を20個集めることを目指し、魔法のインクを使ってディズニーキャラクターやアクションを召喚するシステムが特徴で、こちらも相手を倒すというゲーム設計ではないため(邪魔はできる)、女性ファンが多いTCGとなっている。
会場では、プロモーションカードがもらえる初心者講習会や多人数戦が開催されていた。
デジタルゲームでは毎年のように人気作のリマスター版やリメイク版が登場しているように、ボードゲームでもパッケージやコンポーネント(場合によってはルールも)をリニューアルした「新装版」が発売されることがある。今回のゲームマーケットではそれが特にたくさんあった印象だ。
たとえば『カタン』は今年4月に新装版が出たばかりで、発売元であるジーピーのブースには今後発売予定の拡張セット『航海者』『都市と騎士』などが展示されていた。
スーパーナンバーワンゲームスの『酒魅人』は、今回のゲームマーケットで新版を出展。2人から遊べるようになったり、パラメータが3本になったりなど、細部にわたり調整が入って遊びやすくなった。
最高の日本酒造りを目指し、競りと大喜利要素が楽しめる人気作で、ゲームマーケット2017春に出展して以来の大幅なバージョンアップ版だ。日本酒らしいパッケージにもぜひ注目してほしい。
リゴレからはトリックテイキングゲーム『呪術トリック』『ヒーフー!!』の2作が先行発売。いずれも過去に同人作品としてリリースされていたもので、現在はどちらも入手困難だったところ、リゴレが「Indie Legacy Project」の第一弾として「新装版」を発売したという経緯だ。
同人ゲームが企業により製品版として復刻されるという流れのものだが、人気のインディータイトルが「新装版」としてショップに流通されるのは、ボードゲームファンとしても嬉しい。
このほかにも、会場にはたくさんの気になる「新装版」があったのだが、それはもう1つの記事のほうをチェックしてほしい。
ゲームマーケット2026春では新たな試みとして、「ボードゲーム(カードゲームなどを含む)」「イラスト・グラフィック」「フィギュア・ミニチュア」の3ジャンル以外を全て一か所にまとめるという区画分けが行われていた。
今回の会場はホール4だけ通路を挟んだ先にあるというレイアウトで、そこにマダミスや謎解きなどを集約することで目当てのブースを訪れやすくするという施策だ。
ボードゲーム、マダミス、TRPG、謎解き……これらは類似コンテンツのようで微妙に異なる領域のコンテンツであり、こうしてまとめられているのは参加する側としてもわかりやすかった。とくにトキキルやヰ空間(いくうかん)などの謎解きブースは人気があり、土日ともにたえず行列ができていた。
最後に、今回の「ゲームマーケット2026春」の開催データをチェックしてみよう。
〈フレーム付〉
会場:幕張メッセ 展示ホール1、2、3、4
出展者数:1,310ブース(カタログ記載のデータを参照)
来場者数:32,000人(23日が18,000人、24日が14,000人)
来場者数は前回の2025年秋から2,000人増加(両日共に1,000人増)。家族連れも多くなってきた印象で、新作を買うだけではなく、いろんなボードゲームが楽しめるイベントとして広く認知されてきているようだ。
今回(2026年春)は出展する企業がグッと増えたのだが、そのぶん1企業のスペースが圧縮されてしまった。
2027年春はついに展示ホールを5つ使っての開催となる。単純にスペースが従来の1.25倍となるので、エリア出展していた企業としては嬉しいニュースだろう。もちろん、一般サークルや特設サイトもより多く出展できるようになるはずだ。
さらに言うと、これまでの4ホール分の使い方が、2025年春以外は「3ホールぶん」+「通路を挟んでもう1ホール」という形になっていた。これだと、どうしても「通路を挟んでもう1つのホール」は客足が鈍ってしまう印象があった。このあたりはアークライト側もさまざまな工夫を凝らし、来場者がうまく流れるようにブース配置を改善・工夫してきた。
今後5ホールを用いての開催となると「ホール3つ分+ホール2つ分」という構成になり、通路を挟んでどちらも「広い会場」として賑わうことができるはずだ。
次回の「ゲームマーケット2026秋」は今回と同じ4ホール展開(展示ホール1~4)なので、ここでもホール1つ分をどう使用するのか、アークライトの運営手腕に期待したい。
「ゲームマーケット」公式サイトパソコンゲーム雑誌、アーケードゲーム雑誌、家庭用ゲーム雑誌を渡り歩き、現在はフリーのゲーム系編集/ライター。マイベストゲームは『ウィザードリィ 狂王の試練場』で、最近だと『Forza Horizon』シリーズに大ハマリ。メインPCはAlienware Aurora。セガ・レトロゲーム系メディア「Beep21」副編集長をやりつつ、ボードゲームメディア「BROAD」編集長も兼任。
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