平面の物体にライトを当てると立体に変化。一人称視点の3Dパズル『THANKS, LIGHT.』開発メンバーは、全員が企画もプログラムもアートもできる【BitSummit Drift】

平面の物体にライトを当てると立体に変化。一人称視点の3Dパズル『THANKS, LIGHT.』開発メンバーは、全員が企画もプログラムもアートもできる【BitSummit Drift】

2024.07.21
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2024年7月19日(金)から21日(日)の3日間、京都みやこめっせで開催されたBitSummit Drift。展示されたゲームの中から、今回はLightersが制作する3Dパズル『THANKS, LIGHT.』を紹介します。

TEXT / 神谷 優斗

目次

見る角度が変われば形も変わる。立体物と平面物を変換する能力で解くパズル

『THANKS, LIGHT.』トレーラー

『THANKS, LIGHT.』は一人称視点のパズルアドベンチャー。プレイヤーが持つライトを使い、オブジェクトの「3D状態」と「2D状態」を切り替えてパズルを解きます。

ステージに置かれている2D状態のオブジェクトにライトの光を当てると、3D状態に変化。物体の本来の姿が現れます。

画面中央の黒い物体が2D状態になっている

2D状態のオブジェクトの大部分に光を当てると、オブジェクトが3D化する

2Dでは同じ形状に見える2つの物体が、3Dではまったく異なる形状であるかもしれません。あるステージでは、同じ三角形の物体がたくさん登場します。

2D上ではすべて同じ形状に見えるが……

そのなかのひとつを3D状態へ変化させると、三角錐であることがわかります。しかし、次へ進むためには円形の物体が必要です。

まるい穴に円形のオブジェクトをはめ込む必要がある。しかし、三角錐とは合わない

そこで、すべての三角形を3D状態にしてみると、円錐が1つだけ紛れていたことがわかりました。

このように、「平面に投影する角度によって、ひとつの立体から多様な形状が生まれる」点が、本作の面白さを生みだしているように感じました。

ひとつの立体に対して見る方向を変えれば、2D上の形状は異なる。つまり、この立体は正方形としても三角形としても扱える

本作ではいくつかのステージによってひとつのエリアが構成されています。最初のエリアでは光を当てて2Dから3Dへ変化させることしかできませんでしたが、2つめのエリアでは、光を吸収して3Dから2Dへ変えられるようにもなります。

2D状態では当たり判定が消える性質を利用し、遠隔でスイッチをオン/オフできる

2D状態にしたときの向きが保存されることを生かして、直接触れられない物体の向きを変えるなどのパズルが楽しめました。

円柱を穴に落としたいが、穴と円柱の角度が合わない

2D状態にした後で自身が90度向きを変えれば、2D状態の物体も90度回転したことになる

本作のプレイを通して、パズルを解くごとに新たな視点を獲得し「たしかにそうなるか!」と唸る、パズルの醍醐味を味わえました。

開発チームは全員オールラウンダー。遊べるものを作ったうえでアイデアを提案する

本作を手掛ける「Lighters」は、3人の開発者で構成される韓国のゲーム制作チームです。使用しているゲームエンジンはUnreal Engine 5。開催時点での開発期間は1年で、1年後の2025年夏にリリース予定です。残りの工程としては、3つめのエリアの実装とレベルデザインを控えているとのこと。

Lighters 고 정태氏(左)、정 희범氏(右奥)、이 서현氏(右手前)

本作における「3Dと2Dの2つの状態を切り替える」システムは、3Dライティングの勉強をしている最中、光の当たり具合で3Dオブジェクトが2Dの図形に見えたことがきっかけで生まれたそう。そこから、3Dに「本質」、2Dに「虚像」と意味づけるアイデアを思いついたことで、本作のギミックや世界観の方向性が決まったと고氏は語ります。

今後実装される3つめのエリアには、新たなシステム「鏡」や「プリズム」が導入予定。鏡は映したオブジェクトを複製でき、プリズムは光に「形状の結合」などより多くの機能を持たせられるようです。

以上の2つのシステムを採用を考えている理由は2つあるとのこと。1つめは、鏡やプリズムが「光」というテーマにマッチしている点です。

2つめは、既存のシステムをより発展させられる点。鏡によるオブジェクトの複製や、プリズムの「形状の結合」によって、扱う形状が複雑化してより高度なパズルを生みだす狙いがあります。

開発者の3名はもともとプランナー志望でゲーム開発を始めましたが、制作を続けるうちにプログラミングやアートの技術も身に着け、1人でもほとんどの工程をこなせるようになったそう。そのため、新たなレベルのアイデアを提案する際は、まずプレイできるレベルを作ったうえでほかのメンバーにプレイしてもらう開発スタイルをとっています。

開発で最も苦労しているのは、難易度調整であるそう。イベントに出展した際にプレイを様子を見ていると、人によって理解の速さに幅があるとのこと。『Portal』や『Superliminal』などの3Dパズルに親しみがあればすぐ理解できるが、そうでないプレイヤーは理解するまでに時間がかかるようです。

「システムを学習させるために単純なレベルが続くと、パズル慣れしているプレイヤーにとってはつまらない。一方で、学習した知識の応用が求められるレベルを早い段階から出すと、まだシステムを理解しきっていないプレイヤーはイライラしてしまう」と고氏は言います。

そこで、「テストプレイヤーがクリアするまでにかかった時間」と「解くまでに必要な操作の数」からレベルの難易度を算出することで、レベルの配置を決めているそうです。配置には、難易度が平坦になるのではなく、山と谷が生まれるように意識しているとのこと。

公式サイト https://thankslight-legacy.notion.site/Thanks-Light-English-57c74c0476334c05bb849c02005d1718
販売サイト(ストアページ) https://store.steampowered.com/app/2544740/THANKS_LIGHT/
リリース時期 2025年夏
『THANKS, LIGHT.』公式サイトBitSummit Drift 公式サイト
神谷 優斗

コーヒーがゲームデザインと同じくらい好きです

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