2026年5月22日(金)から24日(日)の3日間、京都・みやこめっせで開催された「BitSummit PUNCH」。展示されたゲームの中から、今回はBONJORYが手がける2Dアクションパズルゲーム『Handlime』を紹介します。
TEXT / 種村 朋洋
EDIT / 浜井 智史
プレイヤーの「手」の動きでスライムを操るパズル×横スクロールアクション
『Handlime』は、京都工芸繊維大学の学生からなるゲーム制作団体「BONJORY」が手がける2Dパズルアクションゲームです。
プレイヤーは緑色のスライムを操り、さまざまな仕掛けを攻略しながら先へ進みます。ただし操作に用いるのはマウスやコントローラーではなく、カメラに映ったプレイヤー自身の「手」です。
『Handlime』紹介映像
スライムは人間の掌を模した姿に変形し、プレイヤーの手の動きをそのままトレースして移動やジャンプなどを行います。
地面を歩くときは指を足のように動かしながら這うように進み、移動中に手をひょいと持ち上がればスライムも釣られてジャンプ。拳を突き出せばパンチの要領で障害物を押し出せる――といった具合に、直感的な操作でステージ上を動き回れます。
移動のほかにも、レバーを手で掴んで倒したり、ハシゴを指で登っていったりと、スライムは多彩な手の動きを反映可能。
ステージ選択などのUI操作を含め、ゲーム内のあらゆる操作が「手」だけで完結しています。
プラットフォーマーとして手応えのある設計と、手を使ったデバイスフリーの操作が見事に融合しており、独特の操作体験を実現していました。
既存の入力システムに囚われない体験を。直感的で快適な操作を追求
会場では、本作の開発チーム「BONJORY」のメンバーの1人である堤氏に話を伺いました。
もともと本作の企画は、22歳以下の若手エンジニアを対象とした「U-22プログラミング・コンテスト2025」におけるハッカソンでスタートしたもの。「既存のコントローラーにとらわれない、今までにない体験を作りたい」という好奇心が開発のきっかけでした。
当初は「影絵」をモチーフにしたゲームを考案していたそうですが、試行錯誤の末に、手の動きに弾力性のある動きを同期する「スライム」に辿り着いたといいます。
このハッカソンの審査でトップ30に入る高い評価を得たことが自信となり、本格的な開発継続のためにサークル「BONJORY」が結成されました。
独特の操作システムを実現した技術基盤には、Googleが提供するオープンソースの機械学習ソリューション「MediaPipe」を活用していますが、画像認識技術をゲームとしての心地よさに落とし込むまでには多大な苦労があったそう。
とくに課題となったのは、入力の誤反応とラグの解消です。例えば、移動中に意図せずジャンプが発動してしまう、あるいはレバーを握る動作がうまく認識されないといった問題に対し、チーム内で何度もテストプレイと調整が繰り返されました。
また、腕の疲労を抑えるために画面中央付近で効率的に操作を読み取るアルゴリズムを導入したほか、自分がカメラにどう映っているかを把握しやすくするためにサブカメラの映像をワイプ表示するなど、プレイヤーの負担を軽減する細やかな工夫が随所に施されています。
BitSummitの会場には海外からの来場者も多く訪れていましたが、直感的に操作が理解できる本作は、言語の壁を超えて好評を博していました。
『Handlime』はBoothにてWindows版/MacOS版が販売されており、それぞれ無料体験版も公開中(Windows/MacOS)。Webカメラを搭載したPCであれば本作をプレイ可能です。
開発チームは今後、さらにステージ数を増やしてボリュームアップを図るとともに、将来的にはSteamやカメラ機能を備えたNintendo Switch 2での展開も目指したいと語りました。
BONJORY 公式Xアカウント「BitSummit PUNCH」公式サイト制作者の個性とこだわりが光るインディーゲームが大好きです。
ゲーム以外では謎解きイベントや漫画が好きです。
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