マルチプレイゲームが作りやすい点も、『フォートナイト』の大きな長所のひとつです。本記事では、対人戦や協力プレイに使える仕掛けを前後編に分けて解説します。Part 2では「スコアボード」や「ダウン状態の仕掛け」など、ゲーム中の挙動に関する仕掛けを4つ紹介します。
チーム・対戦系仕掛けの概要
▼「UEFN」とは?フォートナイトと連携したゲーム開発ツールの概要を解説
プレイヤーカウンター
『プレイヤーカウンター』は、島全体、もしくは一定の領域内にいるプレイヤーの数をカウントする仕掛けです。
ユーザーオプション
プレイヤー数を比較する
「目標プレイヤー数」と併せて、カウントの成功条件を指定します。指定した条件を満たすと、「カウントが成功した時」のイベントが呼ばれます。
比較しない:常にカウントが失敗する
これを下回る:「目標プレイヤー数」よりも少ないプレイヤー数で成功
以下:「目標プレイヤー数」以下のプレイヤー数で成功
同値でない:「目標プレイヤー数」以外のプレイヤー数で成功
同値:「目標プレイヤー数」と同じプレイヤー数で成功
以上:「目標プレイヤー数」以上のプレイヤー数で成功
これを超える:「目標プレイヤー数」よりも多いプレイヤー数で成功
目標プレイヤー数
カウント成功の基準となるプレイヤー数を設定します。
情報パネルを表示
目標プレイヤー数と現在のプレイヤー数を表示するパネルを表示するかどうかを指定します。
ゲーム中にゾーンを表示
「ゾーンを使用」を有効にしている場合、チェックを入れるとゲーム中にゾーンが可視化されます。
ゲーム開始時に比較する
チェックを入れると、ゲーム開始時にプレイヤー数が成功条件を満たしているかどうかをチェックし、成功している場合にイベントを送信します。
カウント変化時に比較する
プレイヤー数が変化した際、チェックを行うかどうかを指定します。
いいえ:チェックは行わない
はい:常にチェックする
ゲーム中のみ:ゲーム進行中にのみチェックする。ゲーム開始前などではチェックしない
プレイヤーのカウント/除去時に送信する
プレイヤー数が変化した際、「プレイヤーがカウントされた時」「プレイヤーが除外された時」イベントを送信する条件を設定します。
信号のみ:「カウントされた全プレイヤーを対象として送信する」イベントを受け取った時にのみ送信する
プレイヤー1人につき1回:プレイヤー数が変化した際、1ゲーム・1プレイヤーにつき1回のみ送信する
毎回:プレイヤー数が変化した際は常に送信する
比較結果の変化時の送信
チェックの正否に伴う「カウント成功時」「カウント失敗時」イベントを送信する対象を指定します。
なし:イベントを送信しない
最後の発信者:最後にチェックの発生源となったプレイヤーに送信する
ランダムなカウントされているプレイヤー:現在カウントされているプレイヤーの中からランダムな1人に送信する
全員向け:現在カウントされているプレイヤー全員に送信する
カウントされるチーム / カウントされるクラス
カウント対象となるチーム・クラスを指定します。
観戦者を含む
チェックを入れると、カウント対象に現在観戦中のプレイヤーを含めます。
このオプションはゾーンを使用している場合には適用されません。
ゾーンを使用
プレイヤーのカウントを、ゾーン内のプレイヤーのみに限定します。チェックを入れると、この仕掛けはゾーン内のプレイヤー数をカウントします。
ゾーン内でカウントされるまでの時間
ゾーン内に入った後、実際にカウントされるまでの時間を指定します。
このオプションは、ゾーンから出る際には適用されません。
ゾーン補正
パネルの位置を基準に、ゾーンの位置を上下左右前後に指定した距離だけ移動させます。
ディレクト イベント バインディング
機能 - プレイヤーを対象と比較する
現在のプレイヤー数をチェックし、成功条件を満たしている場合は「カウント成功時」を、満たしていない場合は「カウント失敗時」を送信します。
成功条件を満たしていれば「カウント成功時」が送信される
成功条件を満たしていなければ「カウント失敗時」が送信される
機能 - 有効化
仕掛けを有効化します。有効化と同時にプレイヤーのカウントも行われます。
機能 - カウントされた全プレイヤーを対象として送信する
現在カウント中のプレイヤー数だけ「プレイヤーがカウントされた時」イベントを送信します。
カウント人数が1人の場合は1回イベントが送信される
カウント人数が2人の場合は2回イベントが送信される
機能 - 対象のプレイヤーカウントを増加させる
イベントが呼ばれると、「目標プレイヤー数」を1増加させます。
機能 - 対象のプレイヤーカウントを減少させる
イベントが呼ばれると、「目標プレイヤー数」を1減少させます。
機能 - 対象のプレイヤーカウントをリセットする
「対象のプレイヤーカウントを減少させる」「対象のプレイヤーカウントを減少させる」によって変化していた「目標プレイヤー数」をゲーム開始時の値にリセットします。
イベント - カウント成功時
プレイヤー数のチェック時、成功条件を満たしていた場合にこのイベントが送信されます。
イベント - カウント失敗時
プレイヤー数のチェック時、成功条件を満たしていなかった場合にこのイベントが送信されます。
イベント - プレイヤーがカウントされた時
新たにプレイヤー数が増加した時や、「カウントされた全プレイヤーを対象として送信する」イベントが呼ばれた時にこのイベントが送信されます。
イベント - プレイヤーが除外された時
プレイヤー数が減少した時にこのイベントが送信されます。
ダウン状態の仕掛け
『ダウン状態の仕掛け』は、ダウン状態の挙動を設定する仕掛けです。加えて、ダウンした時や復活した時などを検知し、イベントを送信することが可能です。
ユーザーオプション
ダウン状態有効
島の設定を上書きし、ダウン状態を有効化するかどうかを指定します。
無効にした場合、倒された際にダウン状態にはならず即座に撃破されます。
忍耐力タイプ
ダウン状態における撃破までの忍耐力を設定します。忍耐力は時間とともに減少に、0になると撃破されます。
復活後の体力
ダウン後に復活した際に付与される体力を指定します。
「20」に設定した場合。復活後の体力が20になっている
「100」に設定した場合。復活後の体力は100
復活を許可
チェックを入れていると、ダウン状態の味方を復活できます。チェックを外すと、味方を復活させるアクションが無効化されます。
脅し
ダウン状態の敵を脅して、ほかの敵の位置をスキャンする「脅し」アクションができるかどうかを指定します。
最後の一人モード
通常、チーム最後の1人が倒されるとダウン中含めチームメンバー全員が即撃破されます。チェックを入れると、ダウン状態のメンバーが全員撃破されるまでは全滅しなくなります。
運搬を許可
ダウン中のプレイヤーを担いで運ぶ「運搬」アクションができるかどうかを指定します。
運搬中は、プレイヤーを地面に降ろす、または投げることができる
ディレクト イベント バインディング
機能 - プレイヤーをダウンさせる
イベントを送信したプレイヤーをダウン状態にします。
チームメンバーがいないなど、ダウン状態が無効化される状況下ではダウン状態になりません。
機能 - プレイヤーを復活させる
イベントを送信したプレイヤーがダウン状態の場合、復活させます。
イベント - プレイヤーがダウンした時
プレイヤーがダウンした時、このイベントが呼ばれます。
イベント - プレイヤーが持ち上げられた時
プレイヤーがほかのプレイヤーに運搬され始めた時、このイベントが呼ばれます。
イベント - プレイヤーが投げられた時
運搬されている状態で投げられた時にこのイベントが呼ばれます。
イベント - プレイヤーが降ろされた時
運搬されている状態で地面に降ろされた時にこのイベントが呼ばれます。
イベント - プレイヤーが復活した時
プレイヤーがダウン状態から復活した時にこのイベントが呼ばれます。
イベント - 脅した時
ダウン状態のプレイヤーに対し「脅し」アクションを始めた時にこのイベントが呼ばれます。
イベント - 脅された時
ダウン状態中、敵プレイヤーから「脅し」アクションをされ始めた時にこのイベントが呼ばれます。
スコアボード
『スコアボード』は、プレイヤーがぶつかることでスコアのカウントを増加させる簡易的なスコアボードです。メニューなどに表示できる「スコア」との関係はありません。
リブートバン
『リブートバン』は、撃破されたチームメンバーを蘇生させる仕掛けです。
撃破された時、ほかのチームメンバーが存在し、かつ『リブートバン』が有効である場合、「リブートカード」がドロップします。チームメンバーがリブートカードを『リブートバン』に運ぶことで、味方を蘇生することができます。
他の仕掛けの解説はこちら
Vol.1:アイテム系
Vol.2:ユーティリティ系
Vol.3:プレイヤー系
Vol.4:ゲームシステム系
Vol.5:島の設定
Vol.6:チーム・対戦系
Vol.7:NPC系
Vol.8:ゾーン系
Vol.9:建築物系
Vol.10:UI系
(順次追加中)
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