本記事では、スポーン地点や建築禁止ゾーンなど、プレイヤーに関係する仕組みを作るための仕掛けをピックアップして紹介します。
プレイヤー系仕掛けの概要
▼「UEFN」とは?フォートナイトと連携したゲーム開発ツールの概要を解説
プレイヤースポナー
『プレイヤースポナー』は、プレイヤーのスポーン地点を指定する仕掛けです。スタート地点としても機能し、使用できるチームとクラスを指定できるため、チームごとに異なる場所からスタートさせることが可能となります。
なお、リスポーン時に使用できるプレイヤースポナーが複数ある場合、使用されるスポナーはランダムに決定されます。
ユーザーオプション
Player Team / Player Class
使用できるチームと、プレイヤークラスを指定します。指定したチーム以外は、そこからスポーンすることはできません。
Use as Island Start
オンにすると、ゲームの開始時、スタート地点として使用されるようになります。複数人でスタートした時に人数分のスポナーが存在しない場合、余ったプレイヤーは空からスタートします。
Enabled During Phase
仕掛けが有効になるタイミングを指定します。
Enemy Range Check
指定した範囲内に敵がいる場合、このスポナーが使用されないようになります。
ただし、他に使用できるスポーン場所がない場合には使用されます。
ディレクト イベント バインディング
イベント - On Player Spawned
プレイヤーがスポーンした時にイベントを送信します。
プレイヤーチェックポイントパッド
『プレイヤーチェックポイントパッド』は、プレイヤーのスポーン地点を更新する仕掛けです。パッドの上を通過するか、「Register」イベントによって起動すると、次回以降のスポーンはそのパッドからになります。例えば、3Dアクションゲームにおいて、難所を越えた先の中間ポイントとして利用します。
ユーザーオプション
Activating Team / Allowed Class
使用できるチームと、プレイヤークラスを指定します。指定したチーム以外は、チェックポイントパッドを起動できません。
Reset Inventory
オンにすると、パッドの起動時にプレイヤーのインベントリ内にあるアイテムを消去します。
ディレクト イベント バインディング
機能 - Register
パッドを起動し、イベントを送信したプレイヤーのスポーン地点を更新します。
イベント - On First Activation
パッドが最初に起動した時にイベントを送信します。
イベント - On First Activation Per Player
それぞれのプレイヤーが、パッドを最初に起動した時に送信します。
ミューテーターゾーン
『ミューテーターゾーン』は、プレイヤーやNPCの行動を制限するゾーンです。
ゾーン内のキャラクターに対して、建築や射撃などの行動を禁止したいときに使うほか、プレイヤーの侵入を検知するゾーンとしても使用します。
ユーザーオプション
Zone Width / Zone Depth / Zone Height
ゾーンの幅・奥行き・高さを指定します。
Affect Players / Affect Creatures / Affect Guards
ミューテーターゾーンの影響が、プレイヤー / クリーチャー / ガードに及ぶかどうかを指定します。
Allow ○○
ゾーン内で許可するプレイヤーの行動を設定します。チェックを外した行動はゾーン内で禁止されます。
Building Cost
ゾーン内で建築する際のコスト倍率を指定します。
Building Speed
ゾーン内での建築スピード倍率を指定します。
Pickup Life Span
チェックを入れた場合、指定した時間でゾーン内にドロップしたアイテムが消失するようになります。
Zone Shape
ゾーンの形状を指定します。
ディレクト イベント バインディング
機能 - Update Selected Class
ゾーンの影響を受けるプレイヤークラスを、イベントを送信したプレイヤーのクラスに変更します。
機能 - Update Selected Team
ゾーンの影響を受けるチームを、イベントを送信したプレイヤーのチームに変更します。
イベント - On Player Stops Emoting
ゾーン内でプレイヤーがエモートをやめたときに、このイベントが送信されます。
イベント - On Player Starts Emoting
ゾーン内でプレイヤーがエモートを始めたときに、このイベントが送信されます。
イベント - On Player Exitnig Zone
プレイヤーがゾーンから出た時に、このイベントが呼ばれます。
イベント - On Player Entering Zone
プレイヤーがゾーンに入った時に、このイベントが呼ばれます。
特性評価装置
『特性評価装置』は、プレイヤーの撃破数やスコアが規定値に達しているか評価を行う仕掛けです。
評価時、設定した条件をすべて満たしているプレイヤーは「合格」、ひとつでも満たしていないプレイヤーは「失格」となります。合格と失格で、それぞれ別の処理を実行できます。
ユーザーオプション
Activating Team / Activating Class
ここで設定したチーム / クラスであるプレイヤーのみが、評価に合格します。
Min Player Eliminations / Min Player Score / Min Team Score
合格に必要な、プレイヤー撃破数 / プレイヤー本人のスコア / 所属するチームのスコアを設定します。
Times Can Trigger
設定した回数だけ評価が行われると、これ以上は評価されなくなります。
イベント「Reset Times Can Trigger」が呼ばれると、また設定回数だけ評価できるようになります。
Trigger Delay
「Evaluate Player」イベントが呼ばれてから、実際に評価が行われるまでの時間を設定します。
Reset Delay
評価した後に、再度評価を受け付けるまでの時間を設定します。
ディレクト イベント バインディング
機能 - Reset Times Can Trigger
「Times Can Trigger」を設定している場合、今までの評価回数を0にリセットします。
機能 - Evaluate Player
イベントを送信したプレイヤーを評価します。合格すれば「On Pass」を、失格すれば「On Fail」を呼びだします。
イベント - On Pass
プレイヤーの評価時、合格だった場合に送信されます。
イベント - On Fail
プレイヤーの評価時、失格だった場合に送信されます。
プレイヤー参照
『プレイヤー参照』は、指定したプレイヤーの姿とプレイヤー名などの情報を反映したホログラムを表示する仕掛けです。
ゲーム中で最も勝利に近づいているプレイヤーの情報を表示させる、自身のキャラクターを反映してポーズを取らせるなどの使い方が考えられます。
グラインドパワーアップ
『グラインドパワーアップ』は、取得したプレイヤーの足が滑りやすくなるピックアップアイテムです。アイテムの効果時間は設定可能です。
ダメージ増幅パワーアップ
『ダメージ増幅パワーアップ』は、取得したプレイヤーの与えるダメージ倍率を変化させるピックアップアイテムです。
倍率は、0.0~4.0まで指定可能です。また、効果時間の設定も可能です。
体力パワーアップ
『体力パワーアップ』は、取得したプレイヤーの体力やシールドの値を変化させるピックアップアイテムです。
体力を加算して回復させたり、指定した数値に体力をセットしたりすることが可能です。
他の仕掛けの解説はこちら
動画付きチュートリアル「UEFNを始めよう!」関連記事
注目記事ランキング
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
連載・特集ピックアップ
西川善司が語る“ゲームの仕組み”の記事をまとめました。
Blenderを初めて使う人に向けたチュートリアル記事。モデル制作からUE5へのインポートまで幅広く解説。
アークライトの野澤 邦仁(のざわ くにひと)氏が、ボードゲームの企画から制作・出展方法まで解説。
ゲーム制作の定番ツールやイベント情報をまとめました。
東京ゲームショウ2024で展示された作品のプレイレポートやインタビューをまとめました。
CEDEC2024で行われた講演レポートをまとめました。
BitSummitで展示された作品のプレイレポートをまとめました。
ゲームメーカーズ スクランブル2024で行われた講演のアーカイブ動画・スライドをまとめました。
CEDEC2023で行われた講演レポートをまとめました。
東京ゲームショウ2023で展示された作品のプレイレポートやインタビューをまとめました。
UNREAL FEST 2023で行われた講演レポートをまとめました。
BitSummitで展示された作品のプレイレポートをまとめました。
ゲームメーカーズ スクランブルで行われた講演のアーカイブ動画・スライドをまとめました。
UNREAL FEST 2022で行われた講演レポートやインタビューをまとめました。
CEDEC2022で行われた講演レポートをまとめました。
今日の用語
ローパスフィルター(Low-Pass Filter)
- 電気信号のうち、指定した周波数(カットオフ周波数)以下の信号を通し、それより上を大きく低減させるフィルター。
- ゲーム開発において、基本的にはサウンド用語として用いられる。例として、特定のセリフをローパスフィルターによってくぐもった音に加工することで、隣の部屋や遮蔽物の後ろで話しているかのような表現を行うことができる。