大規模ゲーム開発へ最大15億円補助する経産省の支援事業「IP360」、採択結果が出そろう。スタートアップ支援「創風」への申請は819件、ゲーム分野は15件採択

大規模ゲーム開発へ最大15億円補助する経産省の支援事業「IP360」、採択結果が出そろう。スタートアップ支援「創風」への申請は819件、ゲーム分野は15件採択

2026.07.23
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この記事の3行まとめ

  • 経済産業省のコンテンツ産業支援施策「IP360」、「創風」を含む第1回採択結果を公表
  • アクセラレーションプログラム「創風」への申請はゲームを含む全分野で819件、採択34件の倍率24倍。ゲーム分野の採択は15件
  • コーエーテクモゲームスによる新作ゲーム『FUJI(仮)』の開発、AHIRUによるゲームエンジン「OROCHI5」のオープン化なども採択されている

経済産業省は2026年7月22日(水)、コンテンツ産業支援施策「IP360」のうち、メニュー1「IP新規創出支援(スタートアップ支援:創風)」およびメニュー2「IP新規創出支援(新規IP企画支援)」の第1回採択結果を公表しました。

今回の発表をもって、全9メニューの第1回採択結果が出そろいました。本記事では、ゲーム分野の採択結果を中心に紹介します。

 

9つの支援メニューを展開する「IP360」

IP360」は、日本発コンテンツの海外売上を2033年までに20兆円とする目標に向けた、経済産業省による支援事業のブランド名です(事業名は令和7年度補正「コンテンツ産業成長投資支援事業」)。

支援の対象となる分野は、ゲームやアニメなど5つ。スタートアップ支援から大規模作品製作支援、ローカライズ支援まで9つの支援メニューが設けられています。これらメニューは、「JLOX+」など既存の支援事業を再編・拡充・新設したものであり、それらをIP360としてパッケージしています。

なお、各メニューの支援内容の詳細は異なりますが、対象となる経費に対して2分の1の割合で補助金が提供される点は共通しています。

(画像は経済産業省「コンテンツ産業支援メニュー」ページより引用)

「創風」ゲーム分野は500万円+500万円で支援

メニュー1の「創風」は、約1年をかけて伴走するアクセラレーションプログラム。制作・開発から発表まで専門家がメンターとしてサポートし、ゲーム分野の運営は、マーベラスが担当しています。

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対象者は、新たにコンテンツ製作・開発に取り組む個人・チームのスタートアップ。補助上限額は1申請者あたり1,000万円、補助期間は最長2027年2月末まで。

創風のゲーム分野では、第1回公募で一次・二次審査を実施して採択者を決め、それら採択者に上限500万円の補助が提供されます。

その後は秋頃をめどに、先の採択者を対象にした第2回公募(三次審査)が実施され、通過すると追加で上限500万円、合計最大1,000万円の補助を受けられます。なお、三次審査を通過しなくても、採択された事業は2027年2月末まで支援そのものは継続されます。

「創風」ゲーム分野の採択者一覧

創風の公募は、全分野合計で819件・676者の申請があり、採択は34件。件数ベースの倍率は24.0倍でした。

このうちゲーム分野の採択は15件。採択者と採択事業、事業概要は以下の通り。

岸 健児氏「ロクジョーヒトマ現代版リメイク開発事業」
2010年代に携帯電話向けに公開した自作インディーゲーム『ロクジョーヒトマ』を、PC・コンソール向けのアクションアドベンチャーとしてリメイク。

『ロクジョーヒトマ』リブート告知

 

高荒 大明氏「JRPGボスラッシュ×メタフィクションゲーム制作」
「たたかう」コマンドをゲームの外側まで拡張するメタフィクション要素を備えたコマンドRPG「たたかう だけのゲーム」の制作。
『たたかう だけ』(Steamストアページ)
「ヘビサイドクリエイション」公式サイト

(画像はSteamストアページより引用)

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ハンドサム「『にんじんおうこく!』ゲーム開発事業」
うさぎの耳を伸ばして謎を解く2Dパズルプラットフォーマー。1時間で遊べる500円のコンパクトな作品として、2027年4月のSteamでのリリースを目指す。
『にんじんおうこく!』ブラウザ(itch.io)版
「ハンドサム」公式サイト

(画像はitch.ioページより引用)

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むつむつプロジェクト「協力型配達ホラーゲーム『ハコアタマ』の開発」
頭が荷物の配達員となり、怪異の潜む地下シェルターで仲間と協力して配達を完遂するホラーゲーム。
「むつむつプロジェクト」公式サイト

(画像は「むつむつプロジェクト」公式サイトより引用)

ロココ「新作ゲーム『王子さまと妖精』の開発」
絵本風ビジュアルのアドベンチャーゲーム。量産体制の構築や海外展開施策に取り組む。
『王子さまと妖精 – The Perfect Prince -』(Steamストアページ)
「ロココ」公式サイト

(画像はSteamストアページより引用)

Black Beard Design Studio『朱鴉~AKEGARASU~Journey to the Underworld』
高速・爽快アクションと高難易度ランゲーム性を融合したハイスピードアクションタイトル。
『朱鴉~AKEGARASU~ Journey to the Underworld』(Steamストアページ)
「Black Beard Design Studio」公式サイト

(画像はSteamストアページより引用)

Cocoro Software「PC向け新作ゲーム『Spell Fragments』の開発」
プレイヤーが魔法を設計するシステムと、ローグライク要素のあるダンジョン探索、自作魔法を持ち寄る協力マルチプレイを備えたゲーム。
『Spell Fragments』(Steamストアページ)
「Cocoro Software」公式サイト

(画像はSteamストアページより引用)

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Gino「『Bless You Again』開発事業」
過去2回のプレイテストで出た修正点の反映や予定要素の実装、発売に向けた最終調整を行う。
『Bless You Again』(Steamストアページ)
「Gino」公式サイト

(画像はSteamストアページより引用)

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Nao Games『Ninja or Die 2 Die』
ジャンプだけで移動と攻撃のほとんどを行うハイスピードアクションゲーム。
『Ninja or Die 2 Die』(Steamストアページ)
「Nao Games」公式サイト

(画像はSteamストアページより引用)

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NERDY PENGUIN『Project PET』
ペットの世話と観察を繰り返すなか、ペットが徐々に異形へと変化していく育成観察型ホラーゲーム。
「NERDY PENGUIN」公式X

 

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Prank Maker『Haunted Streamer』
配信者となって日本の心霊スポットを探索し、反響や収益を獲得するホラーアドベンチャー/シミュレーター。
『HAUNTED STREAMER -呪われた配信者-』(Steamストアページ)
「Prank Maker」公式サイト

(画像はSteamストアページより引用)

puqu氏『TETE』
物理演算による両腕操作を特徴とした高難度クライミングアクションゲーム。
『TETE』(Steamストアページ)
puqu氏公式X

(画像はSteamストアページより引用)

Rabbit Trigger『DEATH A LIVE』
音楽・SNS・ヤンデレを核に、リズムゲームとナラティブADVを組み合わせた3DリズムアクションADV。
『DEATH A LIVE』(Steamストアページ)
「Rabbit Trigger」公式X

(画像はSteamストアページより引用)

STUDIO909「『クワイエット急行909号室』の開発」
『クワイエット急行909号室』について、北米市場を中心とした世界市場で通用する品質に向けたゲームデザインの再設計とブラッシュアップを行う。
『クワイエット急行909号室』(Steamストアページ)
「STUDIO909」公式X

(画像はSteamストアページより引用)

ZAKI氏『PONKOTS』
3~8人で遊べる協力型の2Dゲーム。
『PONKOTS』(Steamストアページ)
ZAKI氏公式X

(画像はSteamストアページより引用)

メニュー2「新規IP企画支援」は3社が採択

メニュー2「IP新規創出支援(新規IP企画支援)」は、コンテンツ製作・開発に取り組んできた事業者を対象に、新規IPの初期段階の製作・開発を支援するメニューです。補助上限は、ゲーム分野で2,000万円。ゲーム分野では以下の3社が採択されています。

  • アドグローブ「新作ゲームの開発」
    『ENDER LILIES』を手がけたチームが新規IPのゲームを開発
  • フレイムハーツ「プロジェクトTM」
    高品質なプロトタイプの制作によって、より大規模な開発への機会創出を目指す
  • TVT「新作ゲームVertical Slice版開発事業」
    世界中のユーザーに向けた新たなゲーム体験の創出を目指す

メニュー3「大規模作品製作支援」は上限15億円。ゲーム分野はセガ、コーエーテクモなど7社

2026年6月に採択結果が公表されたメニュー3「大規模作品製作支援(一般支援)」は、世界的な大ヒットを狙えるコンテンツ製作・開発事業者による、海外向け大規模作品の製作・開発を支援するメニューです。

補助上限額は、「8億円+平均売上の10%」と15億円のいずれか低い方です(平均売上は、過去に公開した作品の売上上位3作品の平均)。補助期間は最長2028年2月末まで。

審査基準には、元請として製作した過去作品の最高売上(ゲームは80億円以上)や製作費の規模(ゲームは20億円以上)などが含まれます。また、IP360の補助金は通常返還の義務はありませんが、大ヒット時は補助額の全部または一部を納付する「収益納付」の仕組みがメニュー3では設けられています。

ゲーム分野の採択は以下の7社です。

  • アークシステムワークス「セルルック3Dアニメーションによる対戦格闘ゲームのグローバル展開事業」
    独自の3Dアニメ表現を昇華させた新規IPの対戦格闘ゲームを全世界へ展開。独立したIPホルダーとして国際競争力の確立を目指す
  • アプリボット「プロジェクトNeedle」
    日本史をベースとした独自の世界観のもと、新規性の高いアクションゲームをPC・家庭用ゲーム機向けに展開
  • コーエーテクモゲームス「新作ゲーム『FUJI(仮)』の開発」
    オリエンタル表現・アクションゲームの知見を武器にした、完全新規IPのゲームタイトル
  • コナミデジタルエンタテインメント「新規コンソールゲームプロジェクト」
    グローバル市場での展開を見据えた新規コンソールゲームタイトルの開発
  • スクウェア・エニックス「新規ゲーム開発」
    海外市場向けに対応言語の追加およびローカライズを実施し、レビューを通じた品質改善を行う
  • セガ「新規ゲームの開発」
    『バーチャファイター』シリーズ完全新作『VIRTUA FIGHTER CROSSROADS』(2027年発売予定)の開発。高品質なゲーム体験と、継続的な運営を可能とする設計を通じ、世界市場での長期的なIP価値創出を目指す
  • ディー・エヌ・エー「北米市場を主戦場とする新規モバイルゲーム(ソフトローンチ型)の開発・グローバル展開事業」
    「ソフトローンチ(多打席検証型アジャイル開発)」の開発スタイルで、北米を中心としたグローバル市場向けのヒットタイトル創出を狙う

そのほかのメニューのゲーム関連採択

メニュー6「開発プラットフォーム構築支援」では、スクウェア・エニックスの「AI駆動型品質チェックプラットフォーム」や、AHIRUによる国産ゲームエンジン「OROCHI5」のオープン化など7社(ほかにバンダイナムコエンターテインメント、Bufff、Mantra、note、NTT西日本)がゲーム分野で採択されています。

このほか、IP360の中で補助上限額が最も大きいメニュー5「流通プラットフォーム拡大支援」(上限30億円)では、ゲーム攻略メディア「Game8」の英語版を手がけるゲームエイトと、自社IPを活用したバーチャル空間コンテンツを海外展開するサンリオがゲーム分野で採択。

メニュー8「海外展開支援(ローカライズ支援)」では『オバケイドロ2』のフリースタイルや『モノノケの国』のライツ・インタラクティブなど7社、メニュー9「海外展開支援(プロモーション支援)」ではアカツキゲームスとWhite Owlsが、それぞれゲーム分野で採択されました。

全メニューの採択結果および各採択事業の概要は、経済産業省の採択結果ページをご確認ください。

採択結果:IP360 -Toward 20 Trillion Yen- 「創風」ゲーム分野公式サイト

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