インディーゲームパブリッシャーに聞く! Vol.01「インディーゲームパブリッシャーって何をしてくれるの?疑問を直接ぶつけてみた」

2024.03.13
注目記事ゲームの舞台裏インタビュー
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インディーゲームを世に送り出す「インディーゲームパブリッシャー」。その存在は知っていても実際の役割を知る機会はあまりなく、どんなことをしているかわからない、なんだか実態がつかめない。という印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

本連載「インディーゲームパブリッシャーに聞く!」では、そんな疑問の数々をインディーゲームパブリッシャーに直接質問し、その役割や実情を伺っていきます。

今回、インタビューに応じていただいたのは、インディーゲームパブリッシャー「Phoenixx(フィーニックス)」プロモーション部の川村 梓氏。連載初回の本記事では、「そもそもパブリッシャーとは?」という基本的な疑問から、ゲームをパブリッシングしてもらうことのメリットについて伺いました。

TEXT / ハル飯田

INTERVIEW / 神山 大輝

INTERVIEW&EDIT / 藤縄 優佑

目次

市場に届けるまでの面倒ごとを手伝ってくれる「パブリッシャー」

——パブリッシャーについて伺う前に、まずPhoenixxさんについて教えてください。

Phoenixxは2019年10月に設立したインディーゲームパブリッシャーです。元々は2017年頃に発足した「UNTIES(アンティーズ)」というソニー・ミュージックエンタテインメント内のインディーゲームをサポートするレーベルから、メンバーや担当作品と一緒に一部事業継承して独立しました。

——川村さんはいつ頃からインディーゲームに関わっていらっしゃるのでしょうか。

私はソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント。以下、SIE)に入社して、パブリッシャーリレーションやカスタマーサポート、最終的には新規事業としてクロスメディアプロジェクトの立ち上げなどを担当していました。

その後はUNTIESの業務を手伝いながら、タカラトミーでアニメのプロデューサーなどを経験しつつ、Phoenixx設立のタイミングで正式にジョインして、現在は主にプロモーションを担当しています。

SIE時代からいろいろなゲームイベントにも顔を出すくらいインディーゲームが大好きだったので、念願のインディーゲームに携わるようになった、という経緯ですね。

インタビューに応じていただいた川村氏

——そんな川村さんに、今回は「インディーゲームのパブリッシャー」とはなんなのか、解説いただきたいです。

「パブリッシング」は発売元・配信元を意味する言葉で、ゲームを販売・配信する会社のことを「パブリッシャー」と呼びます。

対して、ゲームを開発する(デベロップメント)会社は「デベロッパー」と呼びます。

パブリッシングだけ、開発だけ担う会社もあれば、どちらの事業も担う会社も存在します。

なお、Phoenixxの場合はクリエイターの皆様から作品をお預かりして各種プラットフォームでリリースするパブリッシング事業からスタートした会社ですが、現在は開発も行っています。

——パブリッシャーの仕事の詳細を教えてください。

かみ砕いて言えば、「販売する上で生じるさまざまな調整事から販促まで、作品をお客さまに届けるために必要なことを(開発以外)ほぼ全部やります」。さまざまなパターンはあれど、その分作品の売上からサポート料をいただくのがパブリッシャーの一般的なビジネスモデルですね。

具体的には、パブリッシャーは各種プラットフォームで作品を発売・配信し、「作品のプロモーション」だけでなく、ダウンロード版の配信設定やパッケージ版の製造などの「進行・進行管理」、そして「ローカライズ」といった仕事をしています。

こうしたパブリッシャーの仕事の中で最も重要なものの一つには、「QA(Quality Assurance:品質保証)」もあると思います。デベロッパー側でも取り組む仕事ですが、パブリッシャーがQAに関わることは多いと思います。

——QAについて、もう少しお聞きしたいです。

会社によって内部にチームを持っているか外部にお願いするかの違いはありますが、どこでも役割は変わりません。インディーゲームは個人や少人数で開発していることもあり、ゲームバランスや遊びやすさの調整が最後に回されてしまう傾向があると感じていて、そういった点をしっかりブラッシュアップすることを目指しています。

Steamでのリリースも「最初にどのような評価になるか」を私達もとても重要視していますし、リリース時点に遊んでもらえるレベルのものになっているのかは、一般ゲームユーザー目線としてもとても重要ですよね。

——近年はインディーゲームが注目され、購買者の見る目も厳しくなっていると聞いたことがあります。

そうした状況の変化に伴って、QAの重要性は増しているな、と。Steamなどの早期アクセスについても「未完成な部分があってもいい」と許されるためのものではなく、戦略的に使っていくべきものだと思いますし。

——インディーゲーム開発者さん自身がQAするには限界があるのでしょうか。

ご自身でのデバッグはもちろんやるべきですが、専門職であるQAの方だからこそ見つけられるバグもあるように思います。クリティカルなバグが見逃されたままリリースされてしまうのはインディーゲームだからといって許されるものではないと思っていて、QAの専門知識や経験は必要だと感じています。

——PhoenixxさんのQAチームはどれくらいの人数で担当されているのでしょうか。

QAと多言語翻訳の品質保証「LQA(Linguistic Quality Assurance)」を複数名で担当しています。

——少人数で年間数十本もの作品をチェックするのは大変では?

大変だと思いますね(笑)。コンシューマーゲームは自社でQAを行うケースが多いですが、大規模なタイトルやオンラインタイトルなどチーム以上の人数を要するものは、外部にご相談して外注するケースもありますね。それくらい、インディーゲームパブリッシャーにとってもQAは重要な仕事になっています。

——1作品ごとにかける工数はかなりのものに見えますし、作品ごとに生まれる収益はかなりバラつきがありそうです。

「作品が当たれば儲かる、当たらなければ儲からない」モデルですから、売れなかったらかけた工数分のコストを回収できないこともあり得ます。

一緒に取り組みたいと思える、売れると思える作品を目利きで探し、サポートを手厚くするのが一般的な方法かと思います。

——率直に言えば、インディーゲームでパブリッシングするのは利益が出るのかわからない、不安定な印象を受けます。

仰る通りです(笑)。そこを安定させるための取り組みは、各パブリッシャーでスタンスの違いがある部分かと思います。

Phoenixxでは、バリバリの尖ったインディーゲームを扱うこともあれば、『ギガントサウルス』や『パウ・パトロール』など子どもたちに大人気のコンテンツのゲームを扱うこともあります。

そうした複数のラインナップによって「会社全体で見れば大丈夫」な編成を組むことで、不安定さを解消しています。

恐竜アニメ『ギガントサウルス』の3Dアドベンチャーゲーム『ギガントサウルス ザ・ゲーム

アニメ『パウ・パトロール』の世界を探検できる3Dアドベンチャーゲーム『パウ・パトロール ワールド

——インディーゲーム以外も扱うことで、作品ごとの収益の波を抑えているのですね。

Phoenixxではプロモーションの受託など、自分たちだけで利益を生み出せる領域もありますし、音楽部門も事業の一つです。さまざまな事業を扱うことで、会社が成り立つようにしています。

Phoenixxの場合はアーティストも所属している(画像はPhoenixx公式サイトのスクリーンショット)

インディーゲームのパブリッシングだけでは、担当作品すべてがヒットするようにしないと会社の存続は難しくなると思います。面白いと感じたインディーゲームを継続して世に届けていくためにも、さまざまな取り組みによってリスクヘッジをしています。

(画像はPhoenixx公式サイトのスクリーンショット)

——ゲームの販売・配信だけを担当する会社はあるのでしょうか?

ゲームのPRだけ行う会社はありますが、販売・配信サポートだけを行う会社はあまり聞いたことがないかもしれません。海外では一部の業務だけを委託で請け負う例はあるかもしれませんが。

——では「パブリッシャー」とは、プラットフォームへの配信サポートやパッケージ版の進行だけでなく、PRやローカライズ、QAなどをセットで担当してくれる存在と思って大丈夫でしょうか?

良いと思います。

“インディーゲームならでは”の事態を許容できるのがインディーゲームパブリッシャーの強み

——パブリッシャーの中でも「インディーゲームパブリッシャー」と呼ばれる会社は、通常のパブリッシャーとどう違うのでしょうか。

大規模なパブリッシャーとなれば扱うコンテンツの数は増えますが、役割はそこまで違いません。ただ、インディーゲームパブリッシャーでは開発の遅れをある程度許容することが多いのは、大きな違いではないでしょうか。

——開発が計画から多少遅れても許される、ということでしょうか?

多少どころか1年遅延するくらいはインディーゲーム業界だと「あるある」ですから、受け入れられやすいのが一般的といいますか、想定に幅を持って対策しながら各社向き合っていると思います。大手パブリッシャーだとタイトルラインナップの計画を大幅に変更しなければならず、その遅れを許容するのは難しいのではないでしょうか。

違いと言えば「スピード感」もですね。急に「発売日が決定!来週です!」となって1週間でプレスリリースやキャンペーン画像を用意する事例は多いようです。

発売が急に決まったり遅れたりしても動けるフットワークの軽さが、インディーゲームパブリッシャーの特徴かもしれません。まぁ、開発は遅れないでほしいとは思いますが……(笑)。

——インディーゲーム開発者は大手パブリッシャーにパブリッシングをお願いすることは可能でしょうか。

「インディーゲームを作ったら売り込む先がインディーパブリッシャーでなければならない」ということはなくて、大手パブリッシャーへ売り込みをかけるのもOKだと思います。

LITTLE NIGHTMARES-リトルナイトメア-』などは、インディーゲームが大きなパブリッシャーから出ている有名な事例ですよね。

PS4/Nintendo Switch「リトルナイトメア デラックスエディション」第1弾PV

大きなメーカーへの持ちこみは可能ですし、チャンスを見つけてやるべきだとも思いますが、大手だと一つひとつのコンテンツに対して“投資額の回収”が強く求められる傾向にあるのではないかと

もちろんインディーゲームパブリッシャーも回収を求めない訳ではありませんが、小規模なタイトルでも許容してパブリッシュすることがありますし、そうなるとリリースできるタイトル数も頻度も多くなります。

——担当者1人につき複数タイトルのパブリッシングを進めることになりそうです。

どの作品にもしっかり向き合いたいので、あまりにたくさんのタイトルを同時進行したくはないのですが、時期的にそうせざるを得ない場合がありますね。

我々のケースでは、開発者さんの意向や事情によって大幅に予定がずれ込むこともあります。そこで複数タイトルのスケジュールを調整して、急に時間が空いても上手く使えるように効率化を図っていますが、それでも遅延具合によってはどうしても忙しくなります(苦笑)。

——インディーゲームならではの事情に沿うのがインディーゲームパブリッシャーなんですね。

Phoenixxは何よりも「インディーゲーム開発者のゲームづくりをサポートしたい」という精神から事業がスタートしているので、開発者さんができない・やりたがらない部分に対して、できることはなんでもやっていきたいと考えています。

——その精神はどのインディーパブリッシャーも持ち合わせているのでしょうか。

当てはまる会社は多いと思います。ゲーム業界歴が長い方が「めちゃくちゃ良いゲームを作るけど売る方法がわからない人」と一緒にゲームを作るのが面白いからパブリッシングなどのサポートをする、みたいなところからはじまっている感覚がありますね。

しかしながら、最近は少人数でもたしかな開発力でしっかりとしたインディーゲームがリリースされていることが増え、「費用を抑えてコンテンツが作れる」と見られているのか、ビジネスチャンスを求めて参入が増えてきている印象は感じています。

海外は営利的なビジネスとして成長性を求めている例も増えているようで、求められる要素も違います。

——インディーゲームでも、プロデューサーや編集者の活躍が注目されているように感じます。

パブリッシングの役割は開発者さんが実現したいことをサポートすることでもあるので、プロデューサーや編集者が同じような役割を担うケースも増えていますね。

作品をリリースするプラットフォームがSteamだけならパブリッシャーを頼らずに済むこともあると思いますので、明確に「もっとこういう層に、こんな風に届けたい」というビジョンがある場合はプロデューサーを頼るのも良いと思います。

ただ、たとえばマルチプラットフォーム展開に伴うパブリッシング業務などはプロデューサー・編集者の方々ではおそらくフォローしづらい部分かと思いますので、そういった点も重視するならパブリッシャーを付けることも検討したほうが話は早いとは思います。

パブリッシャーとプロデューサー、どちらに協力してもらうのもアリですが、その場合は当然ながら開発者自身に入ってくるお金も減ってしまいます。開発者さんが求めるサポートによって、誰とどう契約するのが最適かは異なるということです。

——パブリッシャーがプロデューサーのような役割を担うこともあるのでしょうか。

マネジメントも開発者さんに一任し、配信とプロモーションをメインに行うパブリッシャーもあるでしょうから、そこはさまざまだと思います。

Phoenixxでは、作品ごとにプロデューサーのような担当者がつきます。どういうプロデュースをすべきかを自分で考えられる開発者さんもいますが、私たちから「こういうターゲットに刺さる見せ方をすべきだから、キービジュアルはこうすべきじゃないか?」と提案することもあります。最終的な判断は開発者さんにおまかせすることが多いですが、大筋のプロデュースは作品ごとに行っています。

国内外の代表的なインディーゲームパブリッシャーは?

——インディーゲームをパブリッシングしている代表的な日本企業を教えてください。

日本で一番歴史が長いのは、アクティブゲーミングメディアさんの「PLAYISM」ブランドではないでしょうか。2011年と早い時期から自社でストアページを展開してインディーゲームを販売されていましたし(※)、日本のインディーゲームを支え続けているトップ級のブランドだと思います。

※ 2021年で同機能の提供は終了

PLAYISMによるゲームの一部(画像はPLAYISM公式サイトのスクリーンショット)

ほかにも有名なところですと「ヨカゼ」のレーベルで知られるroom6さん、ジー・モードさん。あとわくわくゲームズさんは、とくに日本のインディーゲーム開発者さんと向き合っていらっしゃる会社だなと思います。インディーゲーム開発者さんのローカライズ・PRサポートをしている架け橋ゲームズさんも、パブリッシングも手がけるようになりましたね。

新興系では、集英社さんから生まれた集英社ゲームズさんや講談社さんのゲームクリエイターズラボなど、出版関連会社から生まれたパブリッシャーさんも目立っています。集英社ゲームズさんはインディーゲームのパブリッシャーと名乗っているわけではありませんが、立ち位置は近いかと思っています。

(画像はわくわくゲームズ公式サイトより引用)

有名なゲーム会社としては、スクウェア・エニックスさんがSquare Enix Collectiveで長くインディーゲームのサポートをされていますし、マーベラスさんや流通も手がけられているハピネットさんもそうですね。このあたりが代表的なインディーゲームパブリッシャーかなと思います。

Square Enix Collectiveがパブリッシングする『PowerWash Simulator』

——海外のインディーゲームパブリッシャーはいかがでしょう。

Devolver Digitalさんが世界で一番大きなインディーゲームパブリッシャーかなと思います。あとはTeam17さんやHumble Gamesさんも有名ですね。上海のAstrolabe Gamesさんなど、日本のイベントでよくお見かけするメーカーも多くて、本当にたくさんのインディーゲームパブリッシャーさんがありますね。

Devolver Digitalによるゲームの一部(画像はDevolver Digital公式サイトのスクリーンショット)

——開発者さんは海外のパブリッシャーに売り込んだり話しかけたりしてもいいのでしょうか?

まったく問題ないと思います。私たちのところにも海外の開発者さんからインディーゲームの売り込みメールがたくさん来ていますし、逆に日本の開発者さんも頼みたい海外パブリッシャーさんがいるならアピールしていくべきだなと感じています。

海外パブリッシャーさんの元には世界中から膨大なメールが届いているはずですから、メールをするよりは担当者さんにイベントなどで直接声をかけるほうが効果的かもしれませんね。

——Phoenixxさんではメールからパブリッシングにつながった例もありますか。

あまり多くはないですけど、最近だと『Nyaaaanvy』は声をかけようかなと思っていたタイミングで先方からメールをいただいたのもあり、パブリッシングする運びになりました。

基本的に弊社では「G&R(Game and Repertoire)」と呼ばれるプロデューサーたちが、届いたメールを含めてゲームをレビューし、担当したいタイトルがあれば手を挙げた人が声をかけに行っています。

『Nyaaaanvy』トレーラー

パブリッシャーは“自分だけだったら諦めること”を相談できる相手

——改めて、インディーゲーム開発者にとって「パブリッシングしてもらう」ことのメリットを、パブリッシャーさんからの視点で教えてください。

必ずしもインディーゲーム開発者さんがパブリッシャーに頼る必要はないと思っています。ですが、自分が作品でリリースやPRなどすべてやりきりたいと考えていても、実際にそこまでの労力は割けないことがありますよね。

それを手足となって実現してくれるのがパブリッシャーで、ひとりや少人数では届けられなかった層へゲームを届けるため、一緒に動いてくれるパートナーのような存在と考えていただけると。

——Steamなどであれば自身でパブリッシングしている方も見かけます。

そうですね。Steamだけでリリースするのであれば、大きなパブリッシャーさんがついている作品のストアページを見れば「こういう画像素材や見せ方が必要なんだな」と、トレンドの分析もできます。独力でやりきれるのは素晴らしいことだと思います。

頼みたいかどうかはわからない状態でも、パブリッシャーに質問してみるのも良いでしょう。自分たちが担当しているゲームじゃないから答えない、なんてことはありませんので、相談相手として仲良くなっておいた方が何かとメリットはあるのではないでしょうか。

——パブリッシャーとしてのサポートの範囲は、作品や開発者さんごとに変わってきますか。

サポートのやり方はそれぞれで、実例を挙げると『NeverAwake』の佐渡 大志さんは制作だけでなくプロデュースもしっかりした方向性を持たれていましたが「客観視点でどう見えるか意見がほしい」「想定ターゲットに対するアプローチ方法を相談したい」などの話があり、サポートを行いました。

音楽をしっかり作りたい要望に合わせて主題歌の発注サポートをしたり、CMを打ってみたり、佐渡さんがやってみたいと思うことを実現しました。ケースによってサポートの範囲は変わってくると思いますが、開発者さんがやりたいこと、工数的に諦めざるを得ないと思っていることを最初に相談できる相手がパブリッシャーだと思ってもらうとわかりやすいでしょうか。

悪夢系アクションシューター『NeverAwake』STORY TRAILER

——開発者側がロイヤリティシェア以外に金銭的に負担することはありますか?

ロイヤリティシェア以外で持ち出しが発生する可能性もあります。「お金を出す方が権利を持つ」のが通例ですので、たとえばPhoenixxがお金を出してテキストを翻訳したローカライズなら、基本的にはPhoenixxに権利が帰属します。

プラットフォームごとにパブリッシャーを分けたい、ご自身で管理されたいといったときは、翻訳会社を紹介しますが、開発者さんがお金を出して権利を持つケースがあるのかと。

——そういったことは、契約時に決めるのでしょうか。

契約前に「あなたに対する契約条件はこうですけど、どうですか?」と確認するヒアリングが必ずあり、そこで文言の修正や追加などのやり取りが発生します。

この内容は作品や開発者さんの状況によってさまざまで、プラットフォームやリージョンといった展開範囲、ローカライズのボリュームやその他求められるサポートなど、複数の要因により契約内容が変わってきます。もちろん各パブリッシャーでも、条件面や文言は違うと思います。

契約は少し大変に思うかもしれませんが、契約を結んだ後から内容を修正するほうがはるかに大変なので、ここは重要なポイントです。私たちも開発者さんの意向を聞いて内容を考えますし、開発者さんの要望も最初に言ってみるだけならタダですから、合意するかは別として試しに言ってみるのがいいのではないでしょうか。

——契約時は、思っていることはすべて確認してみることが重要なんですね。

仲良くしてくれている人と契約やお金の話はしたくない気持ちも理解できますが、そのあたりをクリアにしないと結局は気持ちよく仕事ができないんです。合意に至らなくとも開発が終わってしまうわけではないので、お互いの条件を出し合ってすり合わせしていくべきですね。

 

細かな役割やインディーゲーム専門ならではの特徴、そして契約へのアドバイスまで、インディーゲームパブリッシャーの実情が少し見えてきたのではないでしょうか。次回の記事でもPhoenixxの川村氏にインタビューする予定です。

Phoenixx公式サイト
ハル飯田

大阪生まれ大阪育ちのフリーライター。イベントやeスポーツシーンを取材したり懐ゲー回顧記事をコソコソ作ったり、時には大会にキャスターとして出演したりと、ゲーム周りで幅広く活動中。
ゲームとスポーツ観戦を趣味に、日々ゲームをクリアしては「このゲームの何が自分に刺さったんだろう」と考察してはニヤニヤしている。

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