ノベルゲームやアドベンチャーゲームの制作に使える主要なノベルエンジンをまとめました。RPGなどを制作するツールでノベルエンジンとしても利用できるものは除いています。
ノベルエンジンの演出には固有の特徴のあるものも多いもの。そうした違いもできるだけ紹介しました。
スクリプトをツール内のUIで入力できるものや、素材がプリインストールされているものは操作が簡単なことが多く、初心者向き。慣れてくると、テキストエディタなどで一括操作が可能なコマンドを入力するタイプのほうが便利かもしれません。
自分の制作スタイルに合ったノベルエンジン探しの参考にお役立てください。
2D/3D：キャラクターおよび背景に使える素材が2Dか3Dかです。
スクリプトの入力方法：スクリプトを読み込ませる方法です。GUIでなく、手打ちでコマンドを入力する必要がある場合はその旨記載しています。
価格：代表的なバージョンの価格です。オプション付きや有料版がある場合は各ノベルエンジン詳細で言及しています。
多言語対応：制作したゲームを多言語に展開できる機能の有無です。具体的な対応内容はノベルエンジンによって異なります。
動作環境：ノベルエンジンが動作する環境です。
プラグイン：ノベルエンジン用のプラグインを使用できるか否かです。
プリインストールされている素材：ノベルエンジンインストール時に用意されている素材です。サンプルプロジェクトとして用意されている素材は含みません。
（画像は公式サイトより引用）
（画像は公式サイトより引用）
シンプルなGUI操作でノベルゲームを作成できます。JavaScriptで記述するiscriptや、ティラノスクリプトを埋め込むことでフラグ管理なども行えます。
無料版ではキャラクター数が10人まで、BGMが10曲まで、背景が30枚まで、プラグインの使用が2つまでになるなど一部の機能が制限されます。1,480円（税込）のPRO版では、これらの制限がなくなるほか、自由なカメラ操作ができる3Dカメラ機能やデバッグ時に使える変数ウォッチ機能などが使えるようになります。
ユーザーによるプラグイン開発も活発に行われています。
制作したゲームは、ブラウザ・Windows・macOS・Android・iOS環境で動作します。追加ライセンス料金なしで販売も可能です。
ティラノビルダーはGUI操作が基本ですが、ティラノスクリプトでのコーディングを主体としたい方にはティラノスタジオというサポートソフトウェアもあります。
「ティラノビルダー」公式サイト
（画像は公式サイトより引用）
（画像は公式サイトより引用）
Unity上で動作するアセットです。シナリオはExcelで記入でき、主要な素材は記入列が分かれているため、演出の流れや翻訳が確認しやすくなっています。
ノベルゲーム制作だけでなく、ゲームの会話シーンを制作するツールとしても利用できます。
ルビ・絵文字・禁則処理などにも対応しているほか、表情差分の軽量化も可能で、比較的大きなプロジェクトでも耐えられる仕様が備わっています。
宴4ではTextMeshProを標準で組み込み、UnityのAudioMixer機能にも対応。
制作したゲームは、ブラウザ（WebGL）・Windows・macOS・Android・iOS環境で動作します。
「宴」公式サイトYouTube動画「Naninovel — Visual Novel Engine」
（画像は公式サイトからの引用）
Unity上で動作するアセットツールです。吹き出し形式やチャット形式などさまざまな会話形式を設定可能なほか、20種類以上のトランジション、10種類以上の画面特殊効果も用意されています。
TextMeshProをサポート、AudioMixer機能にも対応。ルビ表示・表情差分の軽量化も可能です。
海外製のアセットツールですが、ドキュメントには日本語版も用意されています。
コマンドはすべて手打ちで入力する必要がありますが、VS CODEやビジュアルスクリプトエディターを使って編集することも可能です。
「Naninovel」公式サイト
（画像は公式サイトより引用）
（画像は公式サイトより引用）
コマンドボタンをドラッグ＆ドロップするだけで簡単にノベルゲームを制作できます。制作用の素材がプリセットされているため、インストールしたらすぐにノベルゲームを作れます。
「RPGツクール」シリーズの製品であるため、「RPGツクールMV素材セット」などを無償でダウンロードできるほか「ツクールストア（※）」から素材を追加購入することも可能です。
Live2D本体を同梱しているバージョン（7,109円・税込）もあります。ツクール公式ストアとSteamで購入可能ですが、ツクール公式ストアでは「ラノゲツクールMV」単品での販売は行っていません。
作ったゲームは追加ライセンス料金なしで販売可能です。
※ ツクールストアは2024年5月31日 （金）でサービス終了・サイト閉鎖となります
修正BSDライセンスで公開されているオープンソースのツールで、「吉里吉里2」の後継バージョンです。
コマンドは手打ち入力する必要があります。プログラミングやOSの知識がある人向きです。
作ったゲームは追加ライセンス料金なしで販売可能です。
「吉里吉里Z」公式サイト
（画像は公式サイトより引用）
（画像は公式サイトより引用）
MITライセンスで公開されているオープンソースのツールです。誰でも簡単にノベルゲームを作れることを目指して開発されており、開発環境が多様です。
GUIで入れたい演出を選択し、細かな設定値はテキストで調整といったハイブリッドな編集が可能です。
ルビやOSの言語による表示切替に対応しているほか、縦書きのノベルゲームも制作できます。
プリインストールされている素材はありませんが、Suika2 素材ダウンロードページで名前入力画面・エフェクト・サウンド・キャラクターなどの素材を配布しています。
制作したゲームは、ブラウザ・Windows・macOS・Android・iOS環境で動作します。今後、コンシューマーゲームの出力も対応予定とのこと。
作ったゲームは追加ライセンス料金なしで販売可能です。
「Suika2」公式サイト
（画像は公式サイトより引用）
（画像は公式サイトより引用）
日本語を主体としたコマンドでスクリプト入力できるツールです。主要な機能はエディタの左カラムからも追加可能です。F5ボタンを押すだけでリアルタイムプレビューができます。
画像のブレンドモード指定や、カメラ移動、衝突判定などの機能が用意されており、こだわりの演出を可能にする環境が整えられています。
Luaスクリプトによる拡張機能、正規表現による演出コマンド一括操作などプログラミング関連の知識がある方向けの機能も充実しています。
作ったゲームは追加ライセンス料金なしで販売可能ですが、有料作品の場合は作品配布連絡フォームに必要事項を入力する必要があります。また、無料・有料を問わず、Light.vnのクレジット表記および制作に使用したAIツール名の表記が必要です。
制作したゲームは、ブラウザ（WebGL。出力後、要作業）・Windows（C++）環境で動作します。OS X（ベータ版）、Android・iOS（アルファ版）での出力も可能です。
「Light.vn」公式サイト
（画像は公式ドキュメントより引用）
インディーゲーム『Doki Doki Literature Club!』の開発にも使用された、オープンソースの無料ツールです。ドキュメントはほとんどが日本語化されています。
コマンドは手打ち入力で、VS CODEによるコマンドの強調表示に対応しています。
Ren’Py 8はPython 3.9をサポートしており、実行時のインターフェイスを選択するシステムも実現可能です。
タッチスクリーンのジェスチャー認識や合成音声でテキストを読み上げるセルフボイシング機能、翻訳時のセリフの分割・連結・省略・並べ替えといった機能も利用できます。
ソースコードの大半はMITライセンスで公開されていますが、一部LGPLライセンスから派生したソースコードを用いているため、作品を配布する際はLGPLに準拠する必要があります。追加ライセンス料金は不要です。
「Ren'Py」公式サイト
（画像は公式サイトより引用）
（画像は公式サイトより引用）
JavaScriptで開発されたオープンソースのツールです。ノード形式でストーリーブロックをつなぐことができ、ストーリー分岐の全体像を把握しやすくなっています。
ゲームの制作・プレイはブラウザ上で可能です。ゲームスクリプトは保存するとJSON形式での出力・編集もできます。
翻訳リソースを細かく設定でき、テキストやグラフィックごとの言語による切り替えや、CSV形式の翻訳テーブルデータの出力が可能です。
Telegram上で動作するチャットボットの制作ツールとしても利用できます。
「Tuesday JS」公式サイト
（画像は公式サイトより引用）
（画像は公式サイトより引用）
自作ゲームを公開・共有できるサイト「PLiCy」上で使用できるツールです。
制作はすべてGUIベースで行うことができ、素材も用意されています。また、自作素材も使用できます。
ノベルゲームのほかにも、アクションゲーム制作ツール「ゲームデザイナーアクション」やRPG制作ツール「ゲームデザイナーワールド」など、手軽な操作でゲームを作ることができるサービスが提供されています。
「PLiCy」公式サイト
（画像は公式サイトより引用）
スマートフォン向けのノベルゲーム制作アプリです。直感的なインターフェースで簡単にゲーム開発ができます。完成したゲームはアプリ内で公開し、プレイできます。
プリインストールされている素材はありませんが、ゲーム素材を無料でダウンロードできる「ジャス庫」というサービスが搭載されています。ゲーム内で使用する、立ち絵/背景/BGM/効果音/環境音の素材は「ジャス庫」からダウンロードする必要があり、自作の素材は追加できません。
パラメーターの設定とデバッグ機能が利用可能です。エンディングの自動生成機能もあります。
「Script少女のべるちゃん」公式サイト
西川善司が語る“ゲームの仕組み”の記事をまとめました。
Blenderを初めて使う人に向けたチュートリアル記事。モデル制作からUE5へのインポートまで幅広く解説。
アークライトの野澤 邦仁（のざわ くにひと）氏が、ボードゲームの企画から制作・出展方法まで解説。
ゲーム制作の定番ツールやイベント情報をまとめました。
CEDEC2023で行われた講演レポートをまとめました。
東京ゲームショウ2023で展示された作品のプレイレポートやインタビューをまとめました。
UNREAL FEST 2023で行われた講演レポートをまとめました。
BitSummitで展示された作品のプレイレポートをまとめました。
ゲームメーカーズ スクランブルで行われた講演のアーカイブ動画・スライドをまとめました。
UNREAL FEST 2022で行われた講演レポートやインタビューをまとめました。
CEDEC2022で行われた講演レポートをまとめました。
