この記事の3行まとめ
- MITライセンスで無料の軽量2D/3Dゲームエンジン「Doriax Engine」、v0.7を公開
- LuaとC++の両方で記述でき、書き出したゲームは出力先に応じてCMake・Gradle・Xcodeのプロジェクトとしてビルドできるエンジン
- プレハブに相当する「バンドル」をプロジェクト単位で管理する機能、C++スクリプトをフォルダ単位でビルドする設定も追加
Eduardo Doria氏は2026年8月25日、オープンソースの2D/3Dゲームエンジン「Doriax Engine」のv0.7をしました。
エディタはWindows・Linux・macOS向けに配布されており、ソースコードはMITライセンスのもとGitHubで公開。個人・商用とも無料で利用できます。
『Introducing Doriax Engine — A free and open-source game engine with Lua and C++ scripting』
「Supernova Engine」から改名し、ビジュアルエディタ付きでリリース
Doriax Engineは、Eduardo Doria氏が個人で開発するC++製の軽量ゲームエンジンです。
2D・3D・UIのシーンをビジュアルエディタで編集でき、スクリプトはLuaとC++の両方で記述可能。エディタには、自然言語の指示でエンティティやスクリプトを作成し、プロジェクトのビルドまで行うAIアシスタントも組み込まれています。
ランタイムはECS(Entity Component System)を採用しており、CPUキャッシュを生かしやすいデータ指向の設計を特徴としています。
同エンジンは「Supernova Engine」の名で開発されていましたが、2026年4月のv0.5.5を最後に「Doriax」へ改名。7月に公開されたv0.6が、Doriax名義の最初のリリースとなりました。
エディタはWindows/macOS/Linuxで動作し、エクスポート先はWindows/macOS/Linux/Android/iOS/HTML5。
描画バックエンドはOpenGL/OpenGL ES・Vulkan・Metal・Direct3D 11に対応します。物理演算には物理エンジンの「Box2D」と「Jolt Physics」を統合し、2D・3Dの剛体やジョイントを扱えます。
ゲームを書き出すと、シーンやアセット、スクリプト、コンパイル済みシェーダーを含む、ビルド可能なネイティブプロジェクトが出力されます。
形式は書き出し先に応じてCMake・Gradle・Xcodeのいずれか。エディタ外で、各プラットフォームの標準的なツールチェーンを使ってビルドできます。
なお、C++スクリプトはビルド時にコンパイルされる仕組みで、Luaだけを使うプロジェクトならエディタ内での実行にC++コンパイラは不要です。
エディタがエンジンと同じネイティブバックエンドで動くように
v0.7では、エディタとエンジンが、OSのウィンドウや入力を扱う同じネイティブバックエンドを共有する構造に。
エンジンが使うX11・Win32・Cocoaのネイティブバックエンド上でエディタも動作します。エンジン側はエディタの存在を意識せずに動作し、エンジンのAPIはエディタから独立した形が保たれています。
グラフィックスAPIは、エディタがWindowsとLinuxでOpenGL、macOSでMetalを使用。エクスポートしたゲームでは、WindowsはOpenGL・Vulkan・Direct3D 11、LinuxはOpenGL・Vulkan、macOSはMetal・OpenGLから選べます。
プレハブ相当の「バンドル」の利便性向上、C++スクリプトのビルドが改善 など
Doriaxでプレハブに相当する「バンドル」は、従来はシーンに紐付き、実行時に使うにはいずれかのシーンが事前に参照している必要がありました。
v0.7では、プロジェクトに常時組み込むよう指定すれば、参照の有無にかかわらず、どのシーンからでも実行時に利用できます。
また、C++スクリプトのビルドには、「Script Directories」設定が加わりました。Project Settingsで登録したフォルダ配下の .cppファイルは、エンティティからの参照がなくてもすべてビルドされます。
この設定で対応できない内容は、プロジェクトのルートに置くProjectBuild.cmakeに記述できます。サードパーティライブラリのリンクなどが該当しており、記述内容はエクスポート時にも反映されます。
このほか、テキスト描画では、メインのフォントに無い文字を補う代替(フォールバック)フォントを最大3つまで指定できるようになり、アラビア語をはじめとする右から左に書く言語(RTL言語)にも対応しています。
なお、8月29日公開のv0.7.1では、Windowsの高DPI環境でUIの一部が切れて表示される問題などが修正されています。
詳細は、をご確認ください。
「Doriax Engine」公式サイト「Doriax Engine」GitHubリポジトリ