本記事では、スポーン地点や建築禁止ゾーンなど、プレイヤーに関係する仕組みを作るための仕掛けをピックアップして紹介します。
プレイヤー系仕掛けの概要
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プレイヤースポナー
『プレイヤースポナー』は、プレイヤーのスポーン地点を指定する仕掛けです。スタート地点としても機能し、使用できるチームとクラスを指定できるため、チームごとに異なる場所からスタートさせることが可能となります。
なお、リスポーン時に使用できるプレイヤースポナーが複数ある場合、使用されるスポナーはランダムに決定されます。
ユーザーオプション
Player Team / Player Class
使用できるチームと、プレイヤークラスを指定します。指定したチーム以外は、そこからスポーンすることはできません。
Use as Island Start
オンにすると、ゲームの開始時、スタート地点として使用されるようになります。複数人でスタートした時に人数分のスポナーが存在しない場合、余ったプレイヤーは空からスタートします。
Enabled During Phase
仕掛けが有効になるタイミングを指定します。
なし:「Enable」イベントによって有効化されるまで、有効化しません。
常時:常に有効ですが、「Disable」イベントによって無効化されます。
ゲーム前のみ:ゲーム開始前のみ有効で、ゲーム開始とともに無効化されます。スタート地点としてのみ機能します。
ゲームプレイのみ:ゲームが始まった後に初めて有効化されます。
作成限定:クリエイティブモードでの編集時でのみ有効です。
Enemy Range Check
指定した範囲内に敵がいる場合、このスポナーが使用されないようになります。
ただし、他に使用できるスポーン場所がない場合には使用されます。
ディレクト イベント バインディング
イベント - On Player Spawned
プレイヤーがスポーンした時にイベントを送信します。
プレイヤーチェックポイントパッド
『プレイヤーチェックポイントパッド』は、プレイヤーのスポーン地点を更新する仕掛けです。パッドの上を通過するか、「Register」イベントによって起動すると、次回以降のスポーンはそのパッドからになります。例えば、3Dアクションゲームにおいて、難所を越えた先の中間ポイントとして利用します。
ユーザーオプション
Activating Team / Allowed Class
使用できるチームと、プレイヤークラスを指定します。指定したチーム以外は、チェックポイントパッドを起動できません。
Reset Inventory
オンにすると、パッドの起動時にプレイヤーのインベントリ内にあるアイテムを消去します。
ディレクト イベント バインディング
機能 - Register
パッドを起動し、イベントを送信したプレイヤーのスポーン地点を更新します。
イベント - On First Activation
パッドが最初に起動した時にイベントを送信します。
イベント - On First Activation Per Player
それぞれのプレイヤーが、パッドを最初に起動した時に送信します。
ミューテーターゾーン
『ミューテーターゾーン』は、プレイヤーやNPCの行動を制限するゾーンです。
ゾーン内のキャラクターに対して、建築や射撃などの行動を禁止したいときに使うほか、プレイヤーの侵入を検知するゾーンとしても使用します。
ユーザーオプション
Zone Width / Zone Depth / Zone Height
ゾーンの幅・奥行き・高さを指定します。
Affect Players / Affect Creatures / Affect Guards
ミューテーターゾーンの影響が、プレイヤー / クリーチャー / ガードに及ぶかどうかを指定します。
Allow ○○
ゾーン内で許可するプレイヤーの行動を設定します。チェックを外した行動はゾーン内で禁止されます。
Allow Building:建築を許可
Allow Editing:建築物の編集を許可
Allow Jumping:ジャンプを許可
Allow Weapon Fire:武器の発射を許可
Building Cost
ゾーン内で建築する際のコスト倍率を指定します。
200に設定。ミューテーターゾーン内で、建築に2倍のコストが必要になっている
Building Speed
ゾーン内での建築スピード倍率を指定します。
200に設定。ゾーン内では建築物が完成するまで半分の時間で済んでいる
Pickup Life Span
チェックを入れた場合、指定した時間でゾーン内にドロップしたアイテムが消失するようになります。
2.0に設定。ゾーン内のアイテムが、2秒後に消失するように
Zone Shape
ゾーンの形状を指定します。
ディレクト イベント バインディング
機能 - Update Selected Class
ゾーンの影響を受けるプレイヤークラスを、イベントを送信したプレイヤーのクラスに変更します。
機能 - Update Selected Team
ゾーンの影響を受けるチームを、イベントを送信したプレイヤーのチームに変更します。
イベント - On Player Stops Emoting
ゾーン内でプレイヤーがエモートをやめたときに、このイベントが送信されます。
イベント - On Player Starts Emoting
ゾーン内でプレイヤーがエモートを始めたときに、このイベントが送信されます。
イベント - On Player Exitnig Zone
プレイヤーがゾーンから出た時に、このイベントが呼ばれます。
イベント - On Player Entering Zone
プレイヤーがゾーンに入った時に、このイベントが呼ばれます。
特性評価装置
『特性評価装置』は、プレイヤーの撃破数やスコアが規定値に達しているか評価を行う仕掛けです。
評価時、設定した条件をすべて満たしているプレイヤーは「合格」、ひとつでも満たしていないプレイヤーは「失格」となります。合格と失格で、それぞれ別の処理を実行できます。
ユーザーオプション
Activating Team / Activating Class
ここで設定したチーム / クラスであるプレイヤーのみが、評価に合格します。
Min Player Eliminations / Min Player Score / Min Team Score
合格に必要な、プレイヤー撃破数 / プレイヤー本人のスコア / 所属するチームのスコアを設定します。
Min Player Scoreを100、それ以外を0に設定。スコアが100未満の時は失格し、100以上であれば合格する
Times Can Trigger
設定した回数だけ評価が行われると、これ以上は評価されなくなります。
イベント「Reset Times Can Trigger」が呼ばれると、また設定回数だけ評価できるようになります。
動画では2回に設定。2回評価すると、仕掛け左上のランプが消え、評価できなくなる。
なお、評価で失格しても回数は消費される
Trigger Delay
「Evaluate Player」イベントが呼ばれてから、実際に評価が行われるまでの時間を設定します。
2に設定。評価イベントから評価まで、2秒待つ必要がある。その間はランプが消え、追加の評価はトリガーできない
Reset Delay
評価した後に、再度評価を受け付けるまでの時間を設定します。
5に設定。評価した後、5秒経つまでは再度評価できない
ディレクト イベント バインディング
機能 - Reset Times Can Trigger
「Times Can Trigger」を設定している場合、今までの評価回数を0にリセットします。
評価回数を使い切った後、このイベントを呼ぶことでまた同じ回数評価できるようになる
機能 - Evaluate Player
イベントを送信したプレイヤーを評価します。合格すれば「On Pass」を、失格すれば「On Fail」を呼びだします。
イベント - On Pass
プレイヤーの評価時、合格だった場合に送信されます。
イベント - On Fail
プレイヤーの評価時、失格だった場合に送信されます。
プレイヤー参照
『プレイヤー参照』は、指定したプレイヤーの姿とプレイヤー名などの情報を反映したホログラムを表示する仕掛けです。
ゲーム中で最も勝利に近づいているプレイヤーの情報を表示させる、自身のキャラクターを反映してポーズを取らせるなどの使い方が考えられます。
グラインドパワーアップ
『グラインドパワーアップ』は、取得したプレイヤーの足が滑りやすくなるピックアップアイテムです。アイテムの効果時間は設定可能です。
ダメージ増幅パワーアップ
動画では、与えるダメージが2倍になっていることがわかる
『ダメージ増幅パワーアップ』は、取得したプレイヤーの与えるダメージ倍率を変化させるピックアップアイテムです。
倍率は、0.0~4.0まで指定可能です。また、効果時間の設定も可能です。
体力パワーアップ
『体力パワーアップ』は、取得したプレイヤーの体力やシールドの値を変化させるピックアップアイテムです。
体力を加算して回復させたり、指定した数値に体力をセットしたりすることが可能です。
他の仕掛けの解説はこちら
Vol.1:アイテム系
Vol.2:ユーティリティ系
Vol.3:プレイヤー系
Vol.4:ゲームシステム系
Vol.5:島の設定
Vol.6:チーム・対戦系
Vol.7:NPC系
Vol.8:ゾーン系
Vol.9:建築物系
Vol.10:UI系
(順次追加中)
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