ゲーム開発の教育現場ではどのように”企画”を教えているのか?ゲームエンジン時代の教育環境を支えるMSI×京都コンピュータ学院の熱いリレーション

2022.10.17 [PR]
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複数のゲーム会社を渡り歩き、カプコンではディレクターを務めた経験もある京都コンピュータ学院 高橋 功先生。ゲームエンジンによってゲーム開発のスピードが向上した現状に即したカリキュラム設計や、「企画」という答えのない課題に対する取り組み方をお伺いしました。

後半では「実際、どのくらいのスペックがあればUE5が快適に動くの?」など、時代背景や使用ツールに応じて毎年変更しているマシンスペックの構成意図や、MSIとの強力なリレーションについて語っていただきました。

TEXT & EDIT / 神山 大輝

PHOTO / 神山 大輝 , 有末けい

目次

ゲームクリエイターから教員への転身

京都コンピュータ学院 高橋 功先生

――自己紹介をお願いします。

高橋:高橋 功と申します。京都コンピュータ学院(以下、KCG)は約60年の歴史を持つ国内最初のコンピュータ教育機関で、私は教員としてゲーム開発に関するプランニングなどを教える立場です。私自身もKCGの卒業生で、その後は携帯ゲームからコンシューマータイトルまで幅広い開発を経験した後、教員として再び母校に戻りました。

――専門学校からゲーム業界へ、そして再び母校に戻るというキャリアは珍しいですね。高橋先生自身がKCGへ入学を決めた理由を教えてください。やはり、当時からゲーム開発に強い興味をお持ちだったのでしょうか。

高橋:幼少期は「ゲームは水曜日に1時間だけ」という家庭で育ちました。最初に遊んだのは『ドラゴンクエスト4』でしたが、RPGを1週間に1時間だけというのはなかなか厳しいですよね。でも、当時は言いつけを守って遊んでいたわけです。「今日はもうダンジョンをクリアする時間がないから、下見だけ行っておこう」「来週のためにメモを取っておこう」と、いつしか誰に教えられることもなく攻略本のようなものを作り始めました。今にして思えば、これがプランナー的な意識の芽生えだったかも知れません。歳を重ねるにつれ、ゲームのエンドロールを意識するようになり、多くのクリエイターがゲーム開発に関わっていることを知ってからは一直線でしたね。

――マップを作ったり、敵の情報をまとめたりするうち、クリエイターとしての目線が芽生えたのかも知れませんね。ただ、ゲーム開発を学ぶ学校は選択肢も多いと思いますが、KCG入学の決め手はどこだったのでしょうか。

高橋:ゲームだけでなくコンピュータサイエンスやエンジニアリングも学びたかったのがひとつの理由ですが、一番大きかったのはコネクションへの期待です。できたばかりの学校よりは、歴史あるKCGの方が業界とのコネクションも強いのではないかと考え入学を決めました。

当時は3年制でしたが、私自身は2年生の頃にゲーム会社に電話をして企画書を持っていって、アルバイトとして実際の開発現場にも参加できました。当時は500円の買い切り型ゲームなどが流行っていたので、幸いにも自分で企画提案がしやすい環境ではありました。学校では基礎を勉強をして、会社では先輩の企画書を見て勉強する。そして実際に企画書を書いて仕事をするという環境に恵まれました。

これまでの歴史の中で教育用に用いてきたコンピューターを保管する「KCG資料館」は、社団法人情報処理学会によって2009年3月に「分散コンピュータ博物館」に認定された。TOSBAC‐3400やOKITAC-4300Cなど貴重なシステムが今も残っている

学生時代の高橋先生が作成した企画書のデータの一部

――2000年代初頭は、まだゲーム業界にも企画持ち込みの風習が残っていましたね。その流れのまま、その企業に就職をしたのでしょうか。

高橋:そこへ就職はせず、その後はサイバーコネクトツーのインターンを経て、大阪にあるゲーム会社に就職しました。そこで月額課金のアプリの立ち上げやコンテンツの開発などを2年間行い、その後にコンシューマーへ挑戦するためにカプコンへ入社しました。時代としてはPlayStation 3Nintendo DSの出始めでしたでしょうか。世間ではセカンドライフが流行っていて、次世代へのワクワク感が強い時代でした。カプコンではリメイク版『バイオハザード』のディレクターなどを務めました。カプコン退職後は物流も含めて学ぼうと思ってリサイクルショップのゲーム部門でも働いてみまして、その後恩師からのお誘いでKCGに戻りました。

現場目線の授業改革ー”企画”を学生に教えるために必要なこと

――KCGに戻ってからはゲームの企画に関する授業を担当し、当時のカリキュラムを改革したと伺っています。

高橋:実際の現場を経験した上でカリキュラムを見直してみると、足りないものが見えてきました。例えば「企画書」と聞いて想像するものが学生と現場では全く異なります。学生の場合は「面白いゲームを考えました」という企画書が多いですが、現場では販売を前提とした商品企画としての性質を強く持ちます。面白さも重要ですが、自分自身でお金を出してまで遊びたいかどうかの観点を持つべきだと考えています。企画の授業も、企画書を書くのではなく問題提起+解決手段の模索などをやろうと考えました。

――ただ、学生の頃の企画書は純粋に「面白いゲームを考えました」でも良いような感覚もあります。面白いゲームを作ることができる、商品企画を考えることができる、このどちらもが正解という印象です。

高橋:仰る通りで、カリキュラムの変更には反対意見もありました。例えば「もう少し学生自身が楽しめるようなカリキュラムの方が良いのでは?」などです。楽しさも重要ですが、私自身の視線では、せっかくゲーム業界に入っても商品という形まで昇華できずに悩んで辞めてしまう1,2年目のプランナーが多いように感じていました。普通の学校では、ゲーム業界に就職していただくのが目標になりがちです。しかし、私は業界に入るだけでなく、そこで長く活躍して欲しいと願っていました。だから「楽しさ」よりも、学校にいるうちに失敗も含めて多くのことを経験できたほうが良いだろうと思っていました。

――一般的に想像のし易い「面白いゲームの企画書づくり」ではなく、現場目線でプランナー思考が身に付く授業を重視したと。周りの反対を押し切って、自分を信じてカリキュラムを改変することには大きな困難が伴うと思います。原動力はどこにあるのでしょうか。

高橋:原動力は自分自身が学生当時に学びたかったことを伝えたいという気持ちです。そして、周囲を納得させるためには結果で示すしかありませんでした。幸い、今は企画の授業も非常に特徴があり、就職率も上がっています。コンテスト等の受賞数も含めて数字が出ていますので、苦労のかいがあったと思っています。

答えのない課題への立ち向かい方

――今は多くの方がゲームづくりを行う時代になりました。攻略や配信だけでなく、作り方に関するWeb上の情報も増えつつあります。そんな中、御校は学校組織として、どのような手法でゲーム開発を教えているのか教えてください。

高橋:まずは概要からご説明します。KCGでは、1年前期に全員がゲーム開発に関する基礎を学びます。デザイナー志望でもプランナー志望でも、全員がプログラムやゲームエンジンの使い方などを含めて学習します。今はゲームエンジンの助けもありますので、どんな職種であれ、自分の力で1本ゲームを作ってみるという経験は積ませています。

1年後期以降はそれぞれのコースに分かれて、専門的な学習を続けていきます。この他に、プロジェクト演習と呼ばれる実践的なゲーム開発の授業もあり、こちらではコンテストに向けた作品制作などを行っています。個人制作もしくは「コンテスト参加を前提とした」チーム制作を絶対としており、作品が多くの方の目に触れるような仕組みもつくっています。

――企画の授業に絞ると、皆さんどのような手順で学ばれるのでしょうか。

高橋:まずは既存のゲームを遊んでいただき、その1ステージ目を仕様書に落とすようなことは行っています。最初からオリジナルの仕様書は作らせません。『スーパーマリオブラザーズ』の1-1がどういったレベルデザインになっているのかを解説したり、その他ゲームのアイテム配置の理由やユーザーの誘導などを説明したりと、既存作品の分析から始めます。実際に自分で仕様書を書いてみると、あれもこれも足りないとなりがちですので、この辺りの見落としがなくなったらオリジナル作品の仕様書作成に移行します。

4年生 豊田さんが作成した企画書の一部

高橋:もうひとつ特徴的なのは、「答えの出ない問題を提示して、グループワークで解答を出す」という講義です。入学してすぐの学生たちに、数十人というクラス単位で課題に取り組んでもらいます。例えば「ソーシャルゲームで収益を上げているが、次の企画が頓挫すると会社が危ない状況。そんな中、法律でガチャ課金が禁止された。ガチャではなく、それ以上の収益性を求めるにはどうすればいい?」などのロールプレイを、クラス単位でディスカッションして、最後には発表してもらうのです。

――答えがない問題に対する取り組み方が見えるわけですね。

高橋:そうです。リーダーシップのある学生や、寡黙だけど的確な意見を言う学生、場所を作るのが上手い学生など、それぞれの特性が見えてくるのも良いところです。この課題は今年で7年目ですが、7年前の学生たちが出した答えが今で言うサブスクリプションなんですね。月額課金というスタイルに戻して、ランニング的にコストを回収しようというアイデアになったようです。開発するにあたって人月計算もさせていましたし、売上計算もさせていました。

――現実的ですね。ただ、自ら考えてサブスクリプションに至ったクラスは良いですが、上手くまとまらないクラスもあるのではないでしょうか。

高橋:最後に全クラスが順番に発表します。上手くいくところもあるし、そうでないところもある。いずれにせよ、失敗してもよいのが学校の利点です。現場にはゴールの見えていない課題しかないのに、失敗することは許されません。ツールの使い方やプログラムの基礎を学び、答えのない問題への耐性を付け、その後に自主制作に取り組むというスタイルで教えています

――ゲーム開発は本当に面白いですが、仕事として見ると精神的なタフさが必要な場面も少なくありません。基礎的な技術であれば学ぶ手段はいくつもありますが、同じ志を持つ人たちと議論ができたり、その上でチームを組んでゲーム開発に何度も挑戦できたり、そういった場作りが重要なんですね。

高橋:そうですね。あとは、精神論的ですが「いつも笑っていよう」とは話しています。企画の人は、最後まで笑っていないとダメなんですよ。みんながゲームの失敗を予感して悲しみに暮れていたとしても、自分だけは最後の最後までゴールまでの道を描き続けなければいけません。周りを鼓舞しながら、あの手この手で作品を面白くすることを考えて実行する。

カリキュラムを変えてしまったのは、ある意味ではエゴの押し付けだったのではと悩む瞬間もありますが、実際に良い作品が生み出されていくのを見ていると苦労が報われた感覚があります。

独自カリキュラムが生んだ作品の数々

――その結果、KCGからは数多くの作品が生まれ、コンテスト等でも結果を残しています。具体的に作品を紹介していただけますか?

高橋:『A VOID』『天乃糸(アマノイト)』の2作品を制作した4年生の豊田 龍斗と、これからコース選択を控える1年生の原田 瑞樹の2名に参加していただきます。まずは『A VOID』の説明からお願いします。

豊田:本作はUE5で制作したオープンワールドのアクションゲームです。敵の攻撃をスレスレで回避する「ジャスト回避」を行うと攻撃倍率が上がるという仕組みを取り入れていて、本来であれば避ける対象である敵の攻撃の弾幕に自ら突っ込んでいくようなゲーム性になります。

ボス戦闘だと弾幕も濃くなり、より戦略性が増す仕組み。現在は実装されていないが、時間帯変更の機能もあるため、潮の満ち引きなどによるギミックも追加予定とのこと

――UIも市販ゲームに近い印象を受けますね。これも学校の演習で制作された作品でしょうか?

豊田:もともとはプロジェクト演習で制作していたもので、授業が終わった後に自主的に続きを作り始めたものです。プランナー5名と、エンジニア、エフェクトが2名ずつ、合計9名で開発をしています。グラフィックスオプションやキーコンフィグ、サウンド設定などのUIについては、既存ゲームの分析をかなり綿密に行っています。最終的にはSteamでの発売を目指しています。

豊田:もう1作品の『天乃糸』は、先程の作品と並行して自分ひとりで制作しました。今年の2月から5月に掛けて、ゲーム大賞向けの作品として作ったものです。蜘蛛の糸で地獄から天国へ向かうという内容で、アセット関係は全てマーケットプレイスで、キャラクターモデルはSketchfabのフリーモデルを使用しています。

在学期間の”4年間”アンリアルエンジンが快適に動き続けるPCスペック

――これだけゲームエンジンを使いこなしているということで、皆さんしっかりスペックを吟味して使用するマシンを選んでいるのでしょうか。KCGでは学生が使うマシンとしてMSI KATANA GF66 シリーズ、STEALTH 15M シリーズを選んでいると聞いていますが、数あるメーカーの中からこの両機種を選んだ理由を教えてください。

高橋:その前に「学生目線で、どこまでハイスペックなマシンが必要なのか?」という部分からお話します。今は学生作品が数多く世に出るようになりましたが、この背景には当然アンリアルエンジンやUnityなどのゲームエンジンが身近になったことが挙げられます。実際、ハイスペックなノートPCによって学生が自由にゲームエンジンを使えるようになってから、作品数もアウトプットの品質も格段に上がりました。ですから、今では学生全員にゲームエンジンを快適に動かせる環境を提供することが必要不可欠になりました。MSIのマシンを使っていなかった時代は、例えばチームメンバーの中で1人だけアンリアルエンジンが動かず、手書きで仕様書を作り続けるといったことさえありました。だから、画一的に、全員が最適な環境で作業できるような土台を整える必要があったんですね。

――ゲームエンジンの場合はCPU、GPU両面のスペックに加え、特にアンリアルエンジンの場合はストレージ速度も快適性に影響があります。「全員が最適な環境で作業を」ということですが、実際に学生が使用するモデルを教えてください。

高橋:2機種ともCPUは最新世代Intel Core i7、ストレージはM.2 NVMe 1TB、GPUはMSI KATANA GF66 シリーズNVIDIA GeForce RTX 3070 Ti Laptop GPUSTEALTH 15M シリーズNVIDIA GeForce RTX3060 Laptop GPUとなっています。MSI側とも綿密に打ち合わせをしながら、このスペックであれば現状のUE5も、そして4年後の環境にも耐え得るだろうと判断しました。Epic Games側が用意したスペックシートを見ながら、価格面と照らし合わせて最適と思うスペックを選んでいます。

KATANA GF66 シリーズのKCG用カスタムモデル。

最新世代Intel CPUにNVIDIA GeForce RTX3070 Ti Laptop GPUを搭載し、ストレージもM.2 NVMe 1TBとリッチなスペック

STEALTH 15M シリーズのKCG用カスタムモデル。

最新世代Intel CPUとM.2 NVMe 1TBストレージは変わらず、GPUがNVIDIA GeForce RTX3060 Laptop GPUに変更されている

※MSI標準モデルとしては「スペックが高く冷却能力に優れたKATANA GF66 シリーズ」、薄型・軽量な筐体に合わせたハイスペックモデルの「Stealth 15M シリーズ」というイメージの住み分けとなっている

――かなり高いスペックですね。ただ、たしかに今の1年生が4年生になる頃には、ゲーム開発の大規模化も更に進むはずです。それを見越した性能としては充分ですし、学校のお墨付きとあれば一般的に購入するマシンスペックの指標にもなりそうです。

高橋:このあたりは時代に応じてになりますね。例えばVR元年(ここでは2016年を指す)は、PCVRの出力に耐え得るようGPUを強めに調整しました。本体価格の目安は20万円台なので、毎年状況に応じてスペックは吟味しています。今年のテーマはもちろん「UE5がしっかり動作する」というものでしたので、最低でもメモリ32GBは担保しました。

――『A VOID』は4年前のマシンで開発をしているわけですよね。スペック面で諦めざるを得なかった要素などはないですか?

豊田:メモリはかつかつでしたが、GPU的には余裕がありますし、アンチエイリアスを切るくらいで快適に動いています。今はオープンワールドを作っているので、小中規模のゲームであれば何の問題もないと思います。周りも基本的には最初に買ったマシンを使い続けていますね。

MSIだからできる学校との綿密なリレーション

――ゲーミングPCとして有名なMSIですが、メーカーを選んだ理由はどこにあるのでしょうか。実際、私たちも自分でPCを買う時はメーカーでかなり悩んでしまいます。

高橋:学校としての立場から言えば、親切な対応と丁寧なサポートが素晴らしいの一言に尽きます。もちろん、私は個人としてもMSIのマシンは持っていますが、学生に使ってもらうマシンとしては安心感が最も重要だと思います。例えば先ほど説明した「UE5が快適に動くスペック」は、MSI側が非常に親身になって相談に乗ってくれました。毎年、学生向けにスペックを解説する説明会を開催してくれたり、出張相談所というかたちで学内に来ていただいて、学生からの質問に丁寧に答えてくれたり、とにかく距離が近いんです

豊田:直接的なサポートという意味では、どんなマシンであっても4年間のうちに1回は修理に出すような感覚がありますが、自分の場合はバッテリー膨張の修理をしたところ新品同様に直していただきました。調子が悪い時に修理に出すのって、保証期間内だと気軽にお願いできますが、それ以外だとだましだまし使ってしまいがちです。効率よくゲームを作るためにも、こうしたサポートは大切だと感じました。

――スペックを解説する説明会とは一体どういうものでしょうか。

高橋:毎年新入生を集めて、学校としての推奨機を紹介する会を設けています。この際、MSIの担当者が説明を担当します。こういう催しは自社製品の宣伝のような格好になりがちですが、MSIの場合は「CPUやGPUって何?」というパーツ単位の説明もしてくれますし、排熱周りの重要性なども説明してくれています。当たり前ですが購入は強制ではないので、「好きな機種を買ってください」ということになるのですが、概ね8割ほどの方が購入されている印象です。

原田:スペックが分からない学生にとっても、「これを買っておけばよい」という機材が用意されているのは助かりますね。私自身は別のサイトで型落ちくらいのものを買おうとしていたのですが、プログラマの父いわく「この価格でこのスペックなら絶対に学校で買おう」ということで。価格面のメリットもありますし、サポートにも不安がないので、結果的にはMSIユーザーが周りには多いです。

高橋:学生はスペックで悩みたいのではなく、ゲームが作りたいんです。ストレスのない環境で作ってもらうのが学校としての環境づくりの目的です。実は、本学が『UNREAL FEST WEST2018』の会場になった時、MSIも出展されていて。そこからのお付き合いで、以来本当に丁寧に相談に乗ってくれたり、何台もマシンを持参していただいて最適解を探ったりと、学生のために積極的に動いていただきました。

原田:私自身は、最初はキャラクターデザインを学ぼうと思っていたんです。ただ、今はそれだけでなく、ゲームエンジンを触りながら他分野も勉強したいと強く思っています。今もどのコースに進もうか悩んでいるのですが、どこに進んだとしても安定して作業できる環境がハード的に担保されているのは安心できます。

――ここまで強い信頼関係があるというのは驚きましたが、学校側としても安心して任せられるメーカーと手を結んでいるのは利点ですし、互いにWin-Winの関係性が作れているということですね。

高橋:サポートだけでなく、筐体設計に優位性があるなど製品が優秀なことが前提にあります。MSIは100%自社工場を持っていて、1個1個のパーツにもこだわりを持って選定・製作していると聞いています。

特に冷却についてはストイックで、過去のモデルでも螺旋形のファン構造を採用するなど冷却へのアプローチをしっかり考えており、今回導入のモデルでは「Cooler Boost」という冷却システムを搭載しています。これによってハイエンドGPUを搭載しても全く問題ないですし、パフォーマンスと快適性両面でとても信頼をしています。

高橋:私たちも感謝していますが、MSIとしても「使ってくれてありがとう」ということで、定期的にイベント開催なども行ってくれています。私が学生時代に期待していた「外部とのコネクションを強くしたい」という夢が、こういった形でも支えられている感覚があります。

左から豊田 龍斗さん、高橋 功先生、原田 瑞樹さん

MSI 公式サイト京都コンピュータ学院 公式サイト

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神山 大輝

ゲームメーカーズ編集長およびNINE GATES STUDIO代表。ライター/編集者として数多くのWEBメディアに携わり、インタビュー作品メイキング解説、その他技術的な記事を手掛けてきた。ゲーム業界ではコンポーザー/サウンドデザイナーとしても活動中。

ドラクエFFテイルズはもちろん、黄金の太陽やヴァルキリープロファイルなど往年のJ-RPG文化と、その文脈を受け継ぐ作品が好き。

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