わずか0.9Lに最新スペックを凝縮。常識を覆すミニPC「GPD BOX」
「GPD BOX 」は、筐体容積わずか0.9リットル 、本体サイズ約175×134×39.5mm という極小ボディのデスクトップPCだ。重量は約940g と1kgを切っており、モニター裏などのちょっとした空きスペースにもすっぽりと収まる。CPUには最新のIntel Core Ultra 第3世代(Panther Lake)を採用し、32GBのメモリを搭載。ボディは小さくても、中身はゲームもAIもこなせるワークステーション級!というのが本機の大きな特徴である。
特筆すべきは、160WのGaN電源を内蔵 している点だ。これまでのミニPCは「存在感のある巨大なACアダプター」がつきものだったが、本機はそこから解放され、電源ケーブル1本でデスクまわりのスマートな配線が可能になる。
これだけ小さいと発熱が心配になるが、冷却システムも強力だ。デュアルファンに加え、純銅製のヒートパイプ4本(6mm×2本、8mm×2本)を搭載。CPUとSSDを個別に冷却する設計により、最大80Wのフルパワー動作時でも安定したパフォーマンスを維持するという。
サウンド面では、2W×2のデュアルステレオスピーカーを内蔵し、空間オーディオ技術「DTS:X Ultra」にも対応している。外部スピーカーを用意しなくても立体感のあるサウンドが楽しめるというのは、ミニPCというジャンルにおいては珍しい強みと言えるだろう。
拡張性にも抜かりがない。M.2スロットはPCIe Gen5×4とGen4×2の2基構成。接続ポート類も、USB4 v2.0(80Gbps)×2、USB 3.2 Gen2 Type-A×4、2.5GbpsのLANポート×2と、コンパクトな筐体からは想像できないほど充実している。映像出力はDisplayPort 2.1とHDMI 2.1によって8K 60Hzのネイティブ出力に対応し、USB4 v2.0と合わせれば最大4画面の同時出力も可能だ。
そして本機最大のトピックが、ミニPCとしては世界初(※Shenzhen GPD Technology社調べ)となる超高速インターフェース「MCIO 8i 」ポートの搭載である。PCIe Gen5 x8相当、双方向合計512Gbpsという帯域幅は、従来のOCuLinkの約4倍に達する。後述する「GPD G2」などと組み合わせることで、外付けGPUの性能をほぼそのまま引き出せる仕様だ。
AI性能については、Core Ultra 7 356H搭載モデルが最大100TOPS 、Core Ultra X7 358H搭載モデルが最大180TOPS と十分に頼もしいレベルを確保。ゲーム用途でも、軽量・中量級のタイトルならフルHD/60fpsで十分遊べる実力を持つ。
さらに、AAAクラスのゲームをより美しく滑らかなグラフィックで楽しみたい場合は、次項で紹介する「GPD G2」でパワーアップさせることも可能だ。
外付けGPUで換装も自由。 軽量でお手頃なeGPUドック「GPD G2」
「GPD G2 」は、デスクトップ用のグラフィックスカードを装着し、ノートPCやミニPC、ポータブルゲーミングPCのグラフィック性能を拡張できるeGPUドックだ。
モバイルGPUを内蔵していた前モデル「GPD G1」からアプローチを転換し、本機はGPU非内蔵型を採用 。予算や用途に合わせて、ユーザー自身が好きなGPUを選んで装着できる ようになった。GeForce RTX 50シリーズやRadeon RX 9000シリーズなどにも対応しており、将来的にグラボを買い替えてもドック本体はそのまま使い続けられる息の長さが大きな魅力となっている。
PCとの接続ポートには、MCIO 8iとUSB4 2.0をそれぞれ1基ずつ搭載している。USB4 2.0ポートは、Thunderbolt 3/4/5、USB4、USB4 v2.0を幅広くサポート。同時に発表された「GPD BOX」との組み合わせも想定されており、両者をMCIO 8iで直結すればRTX 4090クラスのGPUにおいて性能低下を約2%に抑え込めるという。
さらに驚くべきはそのサイズ感である。80 PLUS Gold認証を受けた800WのATX 3.1電源を内蔵していながら、重量はわずか約1.6kg 。3〜5kgが当たり前だった従来のeGPUボックスからほぼ半減という大幅なスリム化を実現している。価格も63,500円(税込)と、eGPUドックとしてはかなり手頃な部類だ。
またM.2 2280スロットも備えているため、大容量のゲームデータをドック側に保存する”ベースステーション”としての運用も可能となっている。
「GPD BOX」に「GPD G2」を接続した様子
今回発表された両製品は、天空が運営する公式オンラインストア「GPDダイレクト」や、ハイビーム公式オンラインストア、Amazon.co.jp、および各種店舗にて現在予約を受付中だ。
各製品の主な仕様
GPD BOX
Intel Core Ultra 7 356H搭載モデル
Intel Core Ultra X7 358H搭載モデル
最大ブースト
最大 約4.7GHz
最大 約4.8GHz
AI性能
最大 100 TOPS
最大 180 TOPS
GPU
Intel Graphics
Intel Arc B390
グラフィックス周波数
2.45 GHz
2.5 GHz
Xeコア
4
12
MCIOポート
MCIO(74ピン)
伝送規格:PCIe Gen5 x8(Gen4/Gen3下位互換)
理論帯域幅:256Gbps(片方向)/512Gbps(双方向合計)
なし
メモリ
32GB(LPDDR5x 8533 MT/s)
ストレージ容量
512GB~4TB(M.2 NVMe 2280×2)
バス
PCIe 5.0×4、PCIe 4.0
LAN
2×2.5Gbps LAN(10/100/1000/2500 Mbps対応)
Wi-Fi
M.2ポート
CNVio2対応(Wi-Fi 6E/802.11 b/g/n/ac/ax、AX211・M.2 2230)
交換・着脱可能
Bluetooth
Bluetooth 5.3
オーディオ端子
3.5mm ヘッドホン/マイク コンボジャック
スピーカー
2W ×2 デュアルステレオスピーカー(DTS:X Ultra対応)
マイク
内蔵マイク
インターフェース
USB4 v2.0(DisplayPort 2.1対応/PD給電非対応)×2
DisplayPort 2.1(UHBR20)×1
HDMI 2.1(FRL)×1
USB 3.2 USB Type-A Gen2 ×4
電源入力 IEC C6(AC 100–240V/50–60Hz、メイン電源ポート)×1
BIOSリセットポート×1
電源
Windows Hello/Linux対応 指紋認証一体型(RGBバックライト付き)
DC電源
内蔵GaN電源
入力:100–240V AC/50–60Hz
出力:160W(20V=8A)
本体寸法
約175×134×39.5mm
本体重量
約940g
筐体素材
アルミニウム・マグネシウム合金(PC 94V-0準拠)
カラー
ブラック
冷却設計
アクティブ冷却(デュアルファン+4ヒートパイプ)
GPD G2
対応デバイス
一般PC
ハイエンドゲーミング機
ポータブルゲーミングPC(Thunderbolt 3/4/5、USB4/USB4 2.0対応)
ワークステーション、サーバー、HPC用途
対応OS
Windows 11、Linux(Kernel 6.17以上)
接続仕様
PCIeスロット(PCIe Gen5 x16)
MCIO 8i(PCIe Gen4 x8、双方向256Gbps、実効帯域 最大31.5GB/s)
USB4 2.0(80Gbps対称/120Gbps非対称、PD 3.0 最大100W)
USB Type-A(USB 3.2 Gen2、最大10Gbps)×2
M.2スロット(M.2 2280、PCIe 3.0 ×2、外部ストレージ起動対応)
LANポート(RJ45、10/100/1000Mbps)
電源仕様
ATX 3.1 Gold(効率92%+)
入力:100〜240V 50/60Hz
GPU電源コネクタ:12V-2×6
総電力:800W(12V)
GPU電源ケーブル
12V-2×6延長ケーブル(16ピン)+デュアル8ピン変換ケーブル
長さ:約500mm
本体寸法
約157.3×119.8×182mm
本体重量
約1,680g
筐体素材
アルミニウム合金+PC(UL94 V-0)
カラー
ガンメタル
「GPD BOX」製品ページ 「GPD G2」製品ページ
パソコンゲーム雑誌、アーケードゲーム雑誌、家庭用ゲーム雑誌を渡り歩き、現在はフリーのゲーム系編集/ライター。マイベストゲームは『ウィザードリィ 狂王の試練場』で、最近だと『Forza Horizon』シリーズに大ハマリ。メインPCはAlienware Aurora。セガ・レトロゲーム系メディア「Beep21」副編集長をやりつつ、ボードゲームメディア「BROAD」編集長も兼任。
「BROAD」Webサイト