2026年5月22日(金)から24日(日)の3日間、京都・みやこめっせで開催されている「BitSummit PUNCH」。展示されたゲームの中から、今回はロブスタジオが開発するゲームショップ経営シミュレーション『ゲームショップ斜陽』を紹介します。
TEXT / PayaPaya雅文
EDIT / 浜井 智史
激動のゲーム史25年を生き抜くレトロ風経営シム
本作は、1985年代に営業されているゲーム小売店の店長となり、25年間に及ぶ激動のゲーム業界を生き抜き2010年までお店を守り抜く経営シミュレーション。
ファミコンブームの勃発から、バブル崩壊、中古ゲーム販売に対する論争、そしてゲームソフトのダウンロード販売が主流となる時代へ……次々と巻き起こる変革や困難に立ち向かう過程で、実際のゲーム業界の歴史を追体験できる構成となっています。
ゲームは「1ヶ月=1ターン」として進行。ターン前半では、市場動向をチェックしながら新作ソフトの仕入れ本数や価格を設定します。
仕入れに際して、ゲームの前評判(ランク)やお客さんの声を参考にできますが、「高ランクだったのにクソゲーで全然売れない!」「最初は地味でノーマークだったタイトルが、発売後に口コミで爆発的なヒットに!」といった、現実さながらの不確実性があるのが本作のユニークな特徴です。
ターン後半は販売フェーズに移行。特定のお客さんと1対1で接客したり、お店が繁盛している様子が「コメント弾幕」風に表示されたりと、売れ行きを見守ることが快感になる演出が魅力的。
販売できるのはゲームソフトだけでなく、懐かしの周辺機器やゲーム雑誌なども取り扱い可能。現実世界でも実際に起こった市場転換などの業界ニュースに対して戦略を練り、臨機応変に対応する必要があるなど、経営シミュレーションとしての臨場感を味わえます。
消えゆく「夢の場所」を忘れないために――ティラノスクリプトを用いてわずか半年間で完成・リリース
本作の開発会社「ロブスタジオ」の代表を務める眞鍋 剛氏にお話を伺いました。
小学生の頃ゲームショップの店長になることが夢だった眞鍋氏ですが、大人になるにつれてゲームショップが姿を消していくことに寂しさを感じていたといいます。
さらに、講師を務める専門学校の生徒たちから「ゲームショップを知らない」と言われたことにショックを受け、それをきっかけに「もう存在しない夢の場所をゲームとして残そう」と決意したことで、本作の開発に踏み切りました。
ストーリーは実際のゲーム業界史をベースに進んでいく一方、キャラクターたちはファンタジックで個性的なものも数多く登場します 。
「史実をリアルに描きすぎるとどうしても寂しいお話になってしまうので、ゲーム体験を盛り上げるために、ファンタジー要素を盛り込めそうな箇所には意識して配置しています」と眞鍋氏 。
ゲームショップ経営シミュレーションとしての体験そのものは極めてリアルに作り込みつつ、エンターテインメントとしても楽しめる絶妙な構造を狙ったそうです 。
作中で起こるイベントの中には、眞鍋氏自身の「実体験」がベースになっているものも含まれています。
例えば「お小遣いが足りないためにひたすら攻略本を読んでゲームを遊んだ気になっている客」は、同氏の小学生時代そのもの。「当時の経験や記憶が、膨大な量のテキストを書く上でそのまま役立っている」と振り返ります 。
本作は現在Steamで販売中。開発期間はわずか半年という驚きの速度で、企画から実装、シナリオ執筆までほぼ全ての工程を眞鍋氏が1人で担当しています。
開発ツールはノベルゲーム制作エンジン「ティラノスクリプト」。採用理由はカスタム性の高さに加え、経営シミュレーションでありながら非常に強い物語性を持っている本作に適したエンジンだと考えたからだそうです。
開発中は大きな仕様変更もなく、体験版のリリースやイベント出展により多数のフィードバックを受けられたことで、結果的に短期間での完成に繋がったといいます。
「BitSummit PUNCH」の試遊ブースは連日盛り上がりを見せており、「かつてゲームショップが好きだった人に確実に刺さっているという手応えがある」と眞鍋氏。
ロブスタジオの今後の展開について伺うと、今年のうちに新作を1本出せるかどうか検討中とのことでした。
ロブスタジオ公式Xアカウント「BitSummit PUNCH」公式サイトエレメカから最新機種まで、広く嗜むゲームオタク学生。
GBAのドット絵や、90、00年代のADVがツボ。
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