2026年5月22日(金)から24日(日)の3日間、京都・みやこめっせで開催されている「BitSummit PUNCH」。展示されたゲームの中から、今回は東京大学のゲーム制作サークル「Nonlinear」が開発する2Dステルスアクション『Near The Sun』を紹介します。
TEXT / 上長 稜
EDIT / 浜井 智史
敵の包囲をハイスピードダッシュで突き破れ!
『Near The Sun』トレーラー
『Near The Sun』は、文明が崩壊した世界で生き残った兄妹が、ほかの生存者を探すために地下世界を奔走するメトロイドヴァニアです。
暗闇に満ちた地下世界は、人間を排斥する敵性ロボットに支配されています。2人はロボットによる包囲を搔い潜りながら地下世界の奥へと進み、そこに秘められた謎へと迫っていきます。
地下世界は3つのエリアに大別されており、攻略順によって異なるシナリオが展開されるマルチエンディング方式が採用されています。
本作のアクションの中核をなすのが空中ダッシュ。上下左右&斜めの全8方向へ目掛けて超高速で駆け抜ける機能を駆使して、ロボットの監視の目を潜り抜け、ダンジョンを突破します。
連続でダッシュできる回数には限度がありますが、ダッシュ中にロボットにぶつかると一時的に対象を麻痺させることができ、その状態からロボットを踏み台のようにすることでさらに続けてダッシュを繰り出せます。
ロボットの視界に捉えられるとスローモーション状態へと移行しますが、監視の目を恐れず果敢に突き進むハイスピードアクションが印象的な作品です。
ダッシュアクションは、各地に落ちている「フィルター」を回収することで進化していきます。これにより探索できる範囲が徐々に拡大していき、地下世界のさらなる謎に挑むことが可能となります。
今回ブースで試遊させていただいたところ、ストーリー終盤には正体不明の病に縛られた少女が登場し、主人公たちの境遇や世界の根幹に関わる重大な謎が提示。物語の続きが非常に気になるラストでした。
アクションゲームとしての操作感については、道中はダッシュアクションの爽快感を堪能でき、ボス戦では相手の行動パターンを見極めて攻勢に出る緊張感のある駆け引きを楽しめました。今後本作がどのような展開を見せるのか、正式リリースが楽しみです。
ゲーム制作未経験からTGCA第1期生に採択。約4年間にわたる一大プロジェクトへ
本作を手がけるのは、東京大学のゲーム制作サークル「Nonlinear」に所属する3名で組まれた開発チーム。
リーダーのドッグウッド氏によると、もともと同氏が2Dアクションゲームを好んでいたことが本作を開発するきっかけになったといいます。ゲーム制作未経験からスタートし、当初は半年を予定していた制作期間は、構想の拡大とともに約4年間にわたるプロジェクトへと発展しました。
本作の開発ではとくに「探索そのものがストーリーの変化につながる点」を重視していると語るドッグウッド氏。攻略順によるストーリー分岐については、単なるサブイベント的な変化で済ませるのではなく、“自分で探索した体験”そのものに物語的な意味を持たせることを強く意識しているそうです。
また、プレイヤー自身が行動し選択することで生まれるゲームならではの体験が、直接ストーリーに結びつく感覚も大切にしていると語っていました。
ゲームエンジンはUnityを、グラフィック作成ではAsepriteを使用しています。Asepriteで描いたイラストやアニメーションをそのままUnityに組み込める連携機能がUnityには備わっており、開発時には重宝しているとのこと。
アニメーション制作ではUnityアセット「DOTween」を活用。また“病に縛られた少女”の表現においては、Blenderで作成した3Dモデルをレンダリングし、その上に加筆を加える手法が取られています。
本作は「ゲームクリエイター甲子園2024」において企業賞(サイバーエージェント賞)を受賞しているほか、CESAや文化庁などの連携により設立されたゲームクリエイター育成プログラム「Top Game Creators Academy(TGCA)」の第1期生に採択されるなど、高い評価を得ている作品でもあります。
現在の開発進捗は約90パーセントに達しているそう。今後はローカライズやQA作業を経て、2026年下半期にSteamでのリリースを目指しているとのことでした。
「Nonlinear」公式サイト「BitSummit PUNCH」公式サイト立命館大学映像学部3回生。好きなゲームジャンルはサンドボックス、ローグライク、メトロイドヴァニア。最近は動画編集の勉強中。
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