UE5でオープンワールドゲームの滑らかなローディングを実現。Epic GamesがLevel Streamingにて発生する「ヒッチ」を解消する技術ガイドを公開

UE5でオープンワールドゲームの滑らかなローディングを実現。Epic GamesがLevel Streamingにて発生する「ヒッチ」を解消する技術ガイドを公開

2026.01.11
ニュースアンリアルエンジンプログラム技術ブログ
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この記事の3行まとめ

  • Epic GamesがLevel Streamingを利用した際のヒッチ(画面のカクつき)を解消する公式技術ガイドを更新
  • Unreal Insightsを用いたボトルネックの特定から、アクタのインスタンス化など具体的な最適化手法を解説
  • UE5.5でプロダクション対応となったZen Loaderの活用方法など、UEの最新仕様に合わせた知見も紹介されている

Epic Gamesは2026年1月6日(現地時間)、アンリアルエンジン公式サイトのデベロッパーコミュニティにて、『Level Streaming Hitching Guide』と題したチュートリアル記事を更新しました。

Level Streamingの機能を利用した際の処理負荷を軽減し、ヒッチ(画面のカクつき)を防止するための機能や実装のテクニックを紹介しています。

Level Streaming」は、プレイヤーの移動に合わせて「レベル(Level)」の読み込みをバックグラウンドで動的に行うUEの機能です。これにより、ロード画面を挟まずに広大な世界を冒険できるシームレスな体験が可能となります。

しかし、Level Streamingの実行プロセスにおいて「ヒッチ」と呼ばれる現象が発生することがあります。これは、ゲームスレッド(Game Thread)またはレンダースレッド(Render Thread)において、1フレームあたりの制限時間を超過する処理が発生し、滑らかなフレームレートが維持できなくなる現象です。特にオープンワールド開発においては、ユーザー体験を損なう大きな課題となります。

本記事では、ゲームスレッドやレンダリングスレッドで処理時間がフレーム時間を超えてしまう原因を特定し、解消するための手法を提示しています。

衝突を伴う「InstancedStaticMeshes」 や大きな「LandscapeHeightfieldCollisionComponents」などの計算コストが大きいコンポーネントはゲームスレッドが原因になる(画像は記事本文より引用)

ガイドではまず、パフォーマンス分析ツールである「Unreal Insights」を利用した負荷の特定手法を推奨しています。レベルの読み込み時には、環境アセットのロード、アクタのスポーン、物理計算のセットアップ、ガベージコレクション(Garbage Collection)といった多数のタスクが実行されています。

Unreal Insightsのキャプチャデータや、プロファイラ上のマーカーから負荷が超過するタスクを読み解く手順が解説されており、開発者はデータに基づいた確実なデバッグが可能になります。

Unreal Insightsでasync loading thread(非同期読み込みスレッド)上のStaticMeshComponentのタスクをカウントしている様子(画像は記事本文より引用)

具体的な最適化手法として、アクタ数とコンポーネント数の削減を紹介しています。同じメッシュを複数配置する場合は、個別のスタティックメッシュアクタを使用せず、インスタンシング(Instancing)を活用すべきと記載されています。

特に、Naniteメッシュには「ISM(Instanced Static Mesh)」、非Naniteメッシュには「HISM(Hierarchical Instanced Static Mesh)」コンポーネントを適切に使い分けることで、描画およびロードのオーバーヘッドを劇的に抑制できます。

その他にも、必要に応じたソフト参照の利用や、物理制御・コリジョンの簡素化など、最適化のための実装の工夫が紹介されています。

プリミティブ コンポーネントをstatic mobility(静的モビリティ)に設定することで計算コストを削減できる(画像は記事本文より引用)

また、Unreal Engine 5.5以降の最新機能についても言及されています。新たなアセットロード機構である「Zen Loader」では、不要なロードのフラッシュ(強制同期)を防止する仕組みが導入されました。これにより、特定のロード完了を待つ際に無関係なロード処理までメインスレッドで実行されてしまう「同期的なブロッキング」が軽減され、よりスムーズなストリーミングが実現します。

また、以前から提供されている「イベント駆動型ローダー(Event Driven Loader:EDL)」についても、アセット読み込みの統合コードパスにより、ロード時間を最大で約50%短縮できる可能性があるとして、プロジェクト設定の見直しを推奨しています。

その他、静的なアクターの読み込みを高速化する「FastGeo」、高品質の地形の読み込みと物理計算を非同期で実行する「Async physics」など、最適化に役立つ実験的機能の実装例も併せて紹介されています

「Level Streaming Hitching Guide」は、Epic Developer Communityにて無料で公開されています。なお、Epic Developer Communityでは本ガイドの他にも、GPUプロファイリングやメモリ最適化といった、ゲーム全体のパフォーマンス向上に役立つ技術記事が掲載されています。

詳細は、記事本文をご確認ください。

Level Streaming Hitching Guide | Tutorial - Epic Games DevelopersUnreal Engine 公式サイト

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