2026年9月17日(木)から20日(日)まで幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2026(以下、TGS2026)」。コナミデジタルエンタテインメントブースでは、ゲームの制作・公開・プレイを楽しめる『ワイワイワールド Craft』が展示されました。

今回は実際にゲーム制作機能を触り、質問に答えるだけでステージを作れる「マジックポッド」も体験。あわせて、エグゼクティブディレクターの谷渕 弘氏に本作が目指すゲーム作りについて聞きました。
2026年9月17日(木)から20日(日)まで幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2026(以下、TGS2026)」。コナミデジタルエンタテインメントブースでは、ゲームの制作・公開・プレイを楽しめる『ワイワイワールド Craft』が展示されました。

今回は実際にゲーム制作機能を触り、質問に答えるだけでステージを作れる「マジックポッド」も体験。あわせて、エグゼクティブディレクターの谷渕 弘氏に本作が目指すゲーム作りについて聞きました。
TEXT / 神谷 優斗
『ワイワイワールド Craft』は、ゲームを制作・公開し、世界中のユーザーに遊んでもらえるUGC(ユーザー生成コンテンツ)プラットフォームです。
特徴は、完成された公式ゲームを土台に、ゲームシステムやステージを自由にアレンジして自身のゲームに作り変えていく制作体験。現在、公式ゲームには、TPSのバトルロワイヤル、横スクロールアクション、3Dアクションなどが用意されています。
今回遊んだのは、足場を渡ってゴールを目指す3Dプラットフォーマーと、『悪魔城ドラキュラ』を題材にした2D横スクロールアクションの2種類。
遊びながら「ここに足場を増やしたい」「別の敵を置いてみたい」と思ったら、そのゲームをそのまま改造して自分のアイデアをすぐに形にできるのが本作の大きな魅力です。
続いて、既存の公式ゲームを改造してゲームを作る「ワールドエディタ」を体験。
ベースに選んだのは3D対戦アクション「Battle Jumbo」。制作を始める際には「そのまま改造する」「地面だけを残し改造する」「イチからつくる」の3つからスタート地点を選べます。
今回は「そのまま改造する」を選択。ステージのエディタ画面が開き、変更したい部分に手を加えていきます。
画面左右のナビゲーションレールからは、ゲームのルールやステージ設定、配置するパーツなどにアクセスできます。
ナビゲーションレール内の「アクションプリセット」では、キャラクターのアクション構成を一括で変更可能。遠距離攻撃を排して近接格闘中心のバトルに仕立てたり、ガードや回避アクションを組み込んでテクニカルな手触りにしたりと、プレイヤーにどんな立ち回りをさせたいかを自由にデザインできます。
今回は回避アクションを追加してみましたが、スクリプトを書くことなく、すぐにゲーム内で回避アクションが使えるようになりました。
そのほかにも、カメラシェイクやBGM、カメラワーク、ステージのテーマ、背景のスカイボックスなども設定から変更できます。
本作では、ブロックを配置してステージを組み上げていきます。
配置したブロックには「攻撃を受けると壊れる」「上に乗ると崩れる」「一定時間経過で復活する」などの性質を付与できます。
複数の性質を組み合わせることも可能です。「乗ったら壊せる」と「時間で復活する」を組み合わせれば、アクションゲームでおなじみの「乗ると消え、数秒待つと再び現れる足場」が完成します。再出現までのインターバルを秒単位で調整できるほか、「キャラクターがその場に立っている間は復活しない」といった細かな条件付けも可能です。
ステージには地形のほか、「大道具」「アイテム」「エネミー」「ギミック」などを配置できます。
エネミーは、用意されたプリセットから選ぶ形で定義します。あらかじめプログラミングされており、ステージ上に配置するだけで敵として動作します。
触れると文章を表示するパーツもあり、立て札と組み合わせて案内などに利用できます。なお、表示する文章は自由入力ではなく、用意された定型文から選ぶ方式です。
ゲーム制作をより手軽に始めたい場合は、質問に答えるだけでステージを自動生成する機能「マジックポッド」が使えます。
マジックポッドを使うと、チャット形式の対話画面で選択肢を選んでいくだけで、ゲームの骨組みが組み上がります。
まずはベースとなる公式ゲームを選びます。
続いて「中世ファンタジー」などのビジュアルテーマや、「アスレチック」「迷路」といったステージ構成を選択。
BGMや難易度なども選び、最後にゲームタイトルを決めると、足場を飛び移りながら上を目指すアスレチックステージが生成されました。
ツールの操作をすべて覚えなくても、まず遊べるものを作り、そこから手を加えていける制作フローは、ゲーム制作のハードルが大きく下がったように感じました。
なお、谷渕氏によると、マジックポッドに生成AIは使われていません。開発チームが制作した複数のステージパターンをもとに生成する仕組みとのことです。
ここからは、本作のディレクターを務めるコナミデジタルエンタテインメント エグゼクティブディレクター 谷渕 弘氏へのインタビューをお届けします。
――本作のプロジェクトは、どのような思いからスタートしたのでしょうか。
谷渕:「ゲーム作りをもっと簡単にしたい」「誰もが気軽にゲームを作れる環境を作りたい」という思いがスタートです。
私自身、小学生のころからゲームを作りたかったのですが、当時は難しくて実現できませんでした。今は優れたゲームエンジンがありますが、子どもにとっては操作やプログラミングがまだ難しい部分もあります。
本作は、頭の中のアイデアを何でも100%形にできる万能ツールではありません。ただ、何でもできるようにすると、かえって「何をすればいいかわからない」となりがちです。あえて機能を絞ることで、ゲーム制作を始める前から圧倒されてしまうことがないようにしています。
――なるほど。あえて「完成したゲームの改造」を軸に据えているのも、ハードルの低さを意識してのことでしょうか。
谷渕:その通りです。イメージしているのは、ブロック玩具や組み立て模型のような体験です。
まず完成品があって、それを崩したり組み替えたりしていくうちに、自分だけのゲームになっていく。「少し変えるだけで、こんなに違うゲームになるんだ」と感じてもらえれば、ゲーム制作の面白さが伝わると思っています。
――ゲーム内のメッセージ表示について、自由入力ではなく定型文から選ぶ仕様にした理由を教えてください。
谷渕:フリーワードの入力を無制限に許可してしまうと、プレーヤーの皆さんが安心して楽しめる環境の維持が難しくなってしまいかねないからです。
お子様にも安心して遊んでもらいたいので、不適切な言葉などで嫌な思いをしないための安全策としてプリセット方式にしています。
一方で「このシチュエーションで使える言葉がない」といったケースは当然出てくると思います。そこはユーザーの皆さんからの声を聞きながらフレーズを増やしていきたいです。
――プロジェクトの発表から約1年が経ちました。この間、特に注力して磨き上げてきた部分はどこでしょうか。
谷渕:この1年間は、報酬システムやフレンド機能といったアウトゲームの構築に注力してきました。単なる制作ツールで終わらせるのではなく、プラットフォーム全体をひとつの持続的なオンラインサービスとして成立させるために、時間をかけて基盤を作っています。
もちろん、制作機能についても、チーム内でさまざまなゲームを試作しながら改善しています。1年前と比べて、操作性や手触りはかなり進化しました。
――UGCでは、作っても誰にも遊ばれず、制作を続けられなくなることもあります。その点はどう考えていますか?
谷渕:初心者がいきなり世界規模のランキングに挑んでも埋もれてしまうのは、ほかのプラットフォームでも感じる課題です。本作でも「初めて作ったゲームに、どうやって最初の1個目の『いいね』を届けるか」を真剣に考えています。
「完成度に自信がないし、いきなり大々的に公開するのは気が引ける」という方に向けて、「試作公開」のバッジ付きで作品を公開できる仕組みや、知り合いだけに公開する「限定公開」も実装予定です。
――最後に、本作を通じてユーザーに届けたい体験やメッセージをお願いします。
谷渕:最初はちょっとしたミニゲームでもいいので、「遊び」の延長として気軽に触ってもらい、そこからものづくりの楽しさが広がっていけば嬉しいです。
思いついたアイデアをすぐ形にする楽しさ、自分だけのルールで遊びを生み出すワクワク感、そして誰かに遊んでもらう喜び。そうした体験を多くの人に届けたいと思っています。
そこから将来クリエイターになる人が出てくるかもしれません。まずは肩肘を張らず、楽しくチャレンジするきっかけにしてもらえればと思います。
――本日はありがとうございました。
『ワイワイワールド Craft』はPC(Steam)/iOS/Androidに対応。配信日は未定で、基本プレイ無料(アイテム課金・サブスクリプションあり)での展開が予定されています。
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