この記事の3行まとめ
- Unity Technologies、「Cryptical Path: When developing a roguelike feels like playing one」と題した記事を公開
- アクションローグライクゲーム『Cryptical Path』を題材に、直面した課題やそれによって得た学びなどの開発事例を紹介
- 『Cryptical Path』の特徴である「マップ画面でダンジョンを構築し、自らそれを探索できる」システムが生まれるまでの試行錯誤が語られている
Unity Technologiesは2025年2月25日(現地時間)、「暗号の道:ローグライクを開発することは、ローグライクをプレイすることに似ている(原題:Cryptical Path: When developing a roguelike feels like playing one)」と題した記事を自社ブログで公開しました。
同記事は、アクションローグライクゲーム『Cryptical Path』を開発したOld Skull Gamesによるゲスト寄稿。『Cryptical Path』の開発において生まれた課題や、得られた学びなどの経験を紹介しています。
『Cryptical Path』ローンチトレーラー
Old Skull Gamesが開発しているアクションローグライクゲーム『Cryptical Path』は、マップに「部屋」のパーツを置いてダンジョンを構築し、構築後のダンジョンを自ら探索できるゲームシステムが特徴です。
『Cryptical Path』マップ画面。マス目にパーツを置くことで、その形のダンジョンが生成される(画像はSteamストアページより引用)
記事では、「ゲーム開発は、ローグライクのように反復が肝心である」と述べられています。正しい道を見つけたと思って前進しても、壁にぶつかって失敗。少しの学びを得てまたやり直す、といった流れを繰り返すのです。
同社は、開発において行われたさまざまな「反復」を、以下の6項目で紹介しています。
- #1: 好スタートが切れたという錯覚
- #2: これまでにない差別化要因を探す
- #3: 明確なビジョンの定義
- #4: 傷ついても繰り返す
- #5: 最も難しい転換点
- #6: 天国へのハイウェイ
本作の開発初期には、「制作陣が好む世界観」を「コアゲーマーを引き付けるジャンル」と組み合わせることで、素晴らしいゲームが生まれたように思えたと紹介。
しかし「ほかのローグライクゲームと違う決定的な要素があるか?」といった疑問に直面し、本作のコンセプトに決め手となる新しいアイデアがないことに気づいたと語っています。
『Cryptical Path』開発初期のゲーム画面。シンプルな横スクロールアクションローグライクに、さらなる独自要素を必要としていた(画像はブログ記事より引用)
その後、集中的なブレインストーミングやワークショップなどを行った結果、「ローグライクにおける最大のフラストレーションは、プレイヤーがコントロールできる部分が少ないことだ」といった大きな発見が得られたとのこと。
これにより、「生成された世界(ダンジョン)にただプレイヤーが対応するのではなく、プレイヤー自身がそれを生成できるとしたら?」といった発想が生まれ、本作の核となるコンセプトが決まったと述べられています。
記事の後半では、決定したコンセプトを実現するためのアプローチや、すべてのレベルデザイン・古いアートディレクションなどを刷新するといった大きな転換などが語られています。
(画像はブログ記事より引用)
Old Skull Gamesは本作の開発を振り返り、「強力なUSP(独自の強み)とは、単にクールなアイデアというわけではなく、プレイヤーの不満に対する解決策である」「明確なビジョンを持つことが重要で、その前に全力を尽くすのはよくない」といった5つのポイントを語って記事を結んでいます。
詳細は、Unity公式ブログをご確認ください。
暗号の道:ローグライクを開発することは、ローグライクをプレイすることに似ているCryptical Path: When developing a roguelike feels like playing one(英語版)『Cryptical Path』Steamストアページ