この記事の3行まとめ
Unity Technologiesは5月1日(現地時間)、Unity 6の早期アクセスバージョンである「Unity 6 Preview」をリリースしました。
「Unity 6 Preview」は、従来は「2023.3 Tech Stream」という名称で扱われていた、Unity 6の早期アクセスバージョンです。
公式ブログでは 2023.1および2023.2のTech Streamでリリースされた新機能も含めたハイライトが紹介されています。
今回リリースされた「Unity 6 Preview」では、レンダリングパフォーマンスの向上や、WebGPUへのアクセス、visionOSなどのXRプラットフォームのサポートなどが行われています。
「GPU Resident Drawer」と「GPUオクルージョンカリング」によるレンダリングパフォーマンスの向上
「GPU Resident Drawer」はURPとHDRPに対応した、GPU駆動の新しいレンダリングシステムです。
インスタンシングの効率向上のためにパスが用意されており、大規模で複雑なシーンのように、レンダリングするインスタンス可能なオブジェクトが多いほどパフォーマンスを発揮します。
レンダリング時におけるCPUの負荷は、最大50%削減できるとのこと。
「GPUオクルージョンカリング」は、GPU Resident Drawerとともに動作します。フレームごとの不要な描画を削減し、レンダリングの負荷を抑えます。
ライティング機能の強化
オブジェクトの密度に合わせてライトプローブの密度を変化させる「Adaptive Probe Volumes(以下、APV)」も強化されました。
昼夜の遷移や部屋の照明のオン・オフといった、シナリオ間でのベイクされたプローブボリュームデータをブレンドする機能が、URPに対応。これにより、さまざまなプラットフォームでライティングシナリオのブレンドがしやすくなりました。
AVPには、URPとHDRPの両方をサポートしたスカイオクルージョン機能も追加されました。
シーン内のオブジェクトが空からの光をどのくらい受けるか、また遮られるかをリアルに再現できる機能で、時間帯に応じてライティングシナリオを適用できます。
先述のAPVシナリオブレンディングと比べると、ベイクする間接光のカラーバリエーションをより豊かに実現できます。
XRプラットフォーム向けの機能強化
「Unity 6 Preview」では、ARKit、ARCore、visionOS、Meta Quest、PlayStation VR、Windows Mixed Realityなどの主要なXRプラットフォームに対応しています。
また、「Composition Layers」機能も追加。これは、XRデバイスがネイティブサポートするコンポジターレイヤーを利用し、テキスト、UI、画像などをより高品質でレンダリングを可能にする機能です。
ユーザーの視界の外側の解像度を落としてレンダリングすることでGPUパフォーマンスを向上させる「Foveated Rendering API」では、空間の中央領域が高解像度で表示する「Fixed Foveated Rendering」、アイトラッキングを利用して解像度を高くする空間を決める「Gazed Foveated Rendering」のモードが用意されています。
なお、本APIはPlayStation VR2プラグイン、Oculus XRプラグインと互換性があり、OpenXRプラグインも近日中にサポートされる予定としています。
AIモデルをUnityで実行する「Unity Sentis」
Unity上にAIモデルをインポートし、ランタイム上で実行するUnity Sentisが搭載されています。
記事執筆時点では、Unity Sentisはオープンベータとして公開されています。
さらに、「Unity Gaming Services」によって提供されるオンラインマルチプレイ機能を実装しやすくする「Experimental Multiplayer Services SDK」や、実験的機能であるWebGPUバックエンドへの早期アクセス、メモリ使用量をより正確に計測できるようになった「Memory Profiler」など、多数の機能追加・更新が行われています。
「Unity 6 Preview」の詳細は、Unity公式ブログやリリースノートをご確認ください。
「Unity 6 Preview is now available」Unity公式ブログ