アークライト 野澤 邦仁のボードゲームを作るには 番外編「ゲームマーケットに来場&出展してみよう!」

2023.11.10 [PR]
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本連載は、『ito』『ボルカルス』などを手がけた株式会社アークライトの野澤 邦仁(のざわ くにひと)氏に、ボードゲーム(※)の企画から制作・出展方法まで指南していただきます。

※ ドイツ・ユーロ流の近代ボードゲーム・カードゲーム

具体的には、「予算50,000円で、創作ボードゲームを20〜50個制作&ゲームマーケットに出展し、販売すること」を目標に据え、その条件をクリアする手法を解説していきます。

ボードゲームの制作方法などを指南する本連載ですが、今回は番外編。「ゲームマーケット2023秋」の見どころ、「ゲームマーケット2024春」の出展について紹介していただきます(連載1回目の記事はこちら)。

TEXT / 野澤 邦仁
EDIT / 藤縄 優佑,神山 大輝

目次

「ゲームマーケット2023秋」の開催が12月9日(土)~10日(日)に迫ってきました。そして2024年4月27日(土)~28日(日)に開催する「ゲームマーケット2024春」の出展募集も11月3日(金)から始まっています。

今回は「ゲームマーケットに来場&出展してみよう!」と題して、

  • 「ゲームマーケット2023秋」の見どころ
  • 「ゲームマーケット2024春」の出展方法

の2点について紹介します!

ゲームマーケットとは?

ゲームマーケット(以下、ゲムマ)は、国内最大規模のアナログゲーム即売会&見本市&体験イベントです。

アナログゲーム(電源を使用しないゲーム)は、ゲーム⾃体の楽しさに加えて、デジタル化が進む近年において「対⾯コミュニケーションツール」という側⾯からも注⽬が集まっています。ゲムマはそんなアナログゲームの振興に寄与し、出展者や来場者が交流することで「みんなが楽しい時間を過ごせる」イベントを目指しています。

ゲムマでは企業や個人の出展者が、ボードゲーム・カードゲーム・テーブルトークRPG・マーダーミステリー・謎解きゲーム・シミュレーションゲーム・書籍・グッズやサプライなど、さまざまなものを展示・販売しています。

参加者は展示品を見て説明を受けたり、実際に手に取ったり、試遊したりして、商品の購入や作者・参加者同士の交流を楽しめます。

ゲムマの第1回は2000年に神田パンセホール(現在は閉館)で開催され、400名ほどの愛好家が集まる「中古ゲーム交換会」の側面が強いイベントとして誕生しました。それから回を重ねるごとに自作ゲーム発表の場としての側面が強くなっていき、日本のアナログゲーム業界の発展に寄与してきました。

20年余りの間に参加者規模は約70倍(400人→29,000人)になり、会場は東京ビッグサイトに移り、開催タイミングは年2回(春・秋)に増えました。今では多くの企業もブースを構え、見本市としての側面も強くなってきました。

ゲムマ立ち上げ当初は30~40代男性を中心としたアナログゲームファンが多く参加するイベントでしたが、アナログゲーム業界の発展とともに学生やカップル、親子連れなど老若男女問わず来場するようになりました。今や、誰もが1日中アナログゲームを楽しむことのできる一大イベントとなっています。

ゲムマ2023秋の見どころ

イベント名 ゲームマーケット2023秋
日程 2023年12⽉9⽇(土)~10⽇(日)
会場 東京ビッグサイト⻄展⽰棟1,2ホール

ゲムマ2023秋では多彩な企画がありますが、本連載の読者の皆さんに、そのなかでもオススメな企画を紹介します!

特設ステージによるゲームクリエイター向け講演・座談会

ゲムマ2023春スペシャルステージ「Lucianiに聞く!『ボードゲームのデザインとは?』」の様子

世界的に有名なボードゲームデザイナーやイラストレーターによる講演は、学びがあること間違いなし!

特に12月10日(日)15時30分〜16時30分の「ボードゲームに関わる疑問を解決!ゲムマ座談会」では、前半で日本のボードゲームメーカーの方々に「自作ゲームをメーカーの人に見てもらうには?」、後半で印刷所の方々にボードゲームの印刷事情を語っていただきます。

「ボードゲームメーカーに自分のゲームを商業出版してもらうにはどうしたらいいか?」「初心者が印刷所に頼むときにつまずきがちなポイントとは?」といった話が聞ける予定です。

ちなみに前半のボードゲームメーカーの部では、メーカーとしてのアークライトを代表し、私(野澤)が登壇予定ですので、もしお時間ありましたらお越しいただけると幸いです。

ゲームマーケットスペシャルステージ

声をかけて、その場でバトル『デュエルボーイポケット』バトルフィールド

ゲムマ2023春の様子

7枚のカードでデッキを作り、立ったまま遊べるようデザインされた『デュエルボーイポケット』。ゲムマ会場でしか味わえない体験は、きっと創作の刺激となることでしょう。

白黒の名刺印刷で、ここまでの体験が作り出せるのか!というところをチェックしてみてください。

ちなみに野澤もキャッチコピーや用語の整理、説明書の編集などでお手伝いさせていただいております。ゲームの内容がシンプルなので、説明書の書き方は実践的な参考資料になるかと思います。

前回の『デュエルボーイ』に比べて今回の『デュエルボーイポケット』はよりシンプルに、よりスピーディーに、より多くの人が楽しめるようなルール調整がされています。両作を遊び比べてみると、その工夫も見られて学びがあるかもしれません。

『デュエルボーイポケット』バトルフィールド

気軽な出展プラン「チャック横丁」

「チャック横丁」は、外箱がないゲームのみが並ぶエリアです。この企画には私も深く関わらせていただいております。

これまでゲムマにおいて外箱がないゲームは「チャック袋」に入れて販売されていることが多かったので、象徴として「チャック」という名称を引用しました。

また、ゲムマにおいてチャック袋のゲームは「試験的」「実験的」「独創的」「小粒だけど遊んだら面白い」「ゲームシステムがむき出しで素材の味を楽しむ」といったニュアンスがあります。そうしたゲーム群が、まるで飲み屋の横丁のように、縁日の屋台のように、並んでいたら面白いという思いから、「横丁」という名称となっています。

「ゲームのアイデアはあるけど、パッケージイラストやグラフィックを凝ったり、宣伝したりするのは難しい……」という⽅が、⼀歩踏み出すきっかけになることを⽬指した企画です。

まさに本連載の読者にピッタリ……というか、本連載とチャック横丁プランは両輪という気持ちで、水面下で準備を進めてきた企画です。

ゲムマ2023秋で初めて実施する企画なので、本連載の読者の皆さんにもぜひお越しいただき、ご意見をお聞かせいただけると幸いです。

ゲムマ2023秋「チャック横丁」のブース一覧チャック横丁(出展規約)

お題に沿ってゲームを作ろう「ゲームマーケット・チャレンジ(ゲムチャレ)」

ゲムマ2023春の様子

毎年出題されるゲムマ事務局からのお題に沿って、ボードゲームを作ってみようという企画です。

2023秋~2024春のお題は「ポストカードが主役のゲーム」です。

「ゲームを作ってみたいけど、どこから考えたらいいかわからない……」という⽅が、⼀歩踏み出すきっかけになることを⽬指して作られました。

これも本連載の読者にマッチした企画だと思います。ゲムマ会場には「ゲムチャレ展示コーナー」が設けられているので、そこに並んだゲームを手に取って見てみるだけでも、刺激と学びを得られると思います。

ゲームマーケット・チャレンジ(ゲムチャレ)

ゲムマ2023春「新作展示コーナー」の様子

もちろん「各企業・個人の新作ゲーム販売ブース群」と、そうした各ブースの新作が一堂に会し、実際に手に取って気兼ねなく見れる「新作展示コーナー」もオススメです。多くの同人 / 商業ゲームを見ることで、インスピレーションが沸いたり、アイデアを形にする工夫を見たりできると思います。

ゲムマ2023秋については、プレスリリースも見ていただけると嬉しいです。

プレスリリース「日本最大規模のアナログゲームイベント『ゲームマーケット2023秋』開催 ゲムマ史上最多となる1100以上のブースが出展! 例年2万人超の来場者を誇るボードゲームの祭典!」

ゲムマ2024春の出展者募集を受付中!

イベント名 ゲームマーケット2024春
日程 2024年4⽉27⽇(土)~28⽇(日)
会場 東京ビッグサイト東展⽰棟1,2,3ホール
募集締め切り 2023年11月28日(火)23時59分

本連載の読者の皆さんは、上記「ゲムマ2023秋の見どころ」で触れた、「チャック横丁プランでの出展」や「ゲームマーケット・チャレンジ(ゲムチャレ)への参加」をご検討ください!

ゲムマ2024春出展申し込み

出展者になると、ゲムマ公式サイトで自分のブースページがもてるのもメリットです。自前のSNSやブログがなくても、ゲムマ公式サイト上に自作ゲームの情報をまとめておくことができます。

ゲムマの開催前や当日の待機列では多くの来場者が閲覧してくれるので、ゲムマ公式サイトを活用するのは効果的です。ゲムマ公式サイトに出展するゲーム情報を集約しつつ、SNSアカウントを持っていたらアナウンスするのがオススメです。SNSで興味を持った方がリンクからゲムマサイトに飛び、そこでゲームについてまとまった情報を入手できる設計です。

ゲームマーケットに出展しよう!

本連載Vol.01「企画編」でご紹介したことを実践するときがきました!

まずは、思い切って「ゲムマ2024春」に出展応募をしてみてください([募集締め切り]11月28日(火) 23時59分)。

「締切は完成の母」という言葉がある通り、外的圧力をかけることで、思い切りがついて、完成させることができます。そして、12⽉9⽇(土)~10⽇(日)の「ゲムマ2023秋」に来場してみて、次回(2024春)の出展イメージを膨らませましょう。そのときゲームが作りかけの状態でも、来場してみれば、より細かな点に気が向き、より刺激と学びを得られる有意義な機会になると思います
※もしゲムマ会場で私(野澤)を見つけられたら、「ゲームメーカーズの記事読んでます」とお声がけいただき、感想やリクエストなどいただけると嬉しいです!

本連載の番外編は、これにて終了です。少しでもお役に立てば幸いです。

本連載は全7回を予定しています(予定は随時変更される可能性があります)。

Vol.01:企画編
Vol.02:ゲームの着想7つ道具
Vol.03:モックアップ制作、クローズドテスト編
番外編:ゲームマーケット出展申し込み編(今回の記事)
Vol.04:ルール調整編
Vol.05:イラスト&グラフィック、印刷編
Vol.06:説明書、オープンテスト、宣伝編

引き続き、本連載をよろしくお願いいたします!

ゲームマーケット 公式サイトアークライトゲームズ 公式サイト

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