【総額6万円超えが無料!】7月限定のUE無料アセットを使い倒す特集Vol.02:『Wild West Sky City – Town』で『Paragon』キャラクターを動かして、西部劇風スチームパンクの世界を旅しよう

2022.07.25
注目記事ゲームづくりの知識見た目を良くするお役立ち情報アセットレビューツール紹介アンリアルエンジンマーケットプレイス
この記事をシェア!
twitter facebook line B!
twitter facebook line B!

毎月UEマーケットプレイスではEpic Gamesが選出した5つのアセットが無料配布されていますが、 今月はゲーム開発者向けメディア『GameFromScratch』コミュニティの特別協力による、極めて実践的な高品質アセットが無償で提供される形となりました。

「絶対にこのタイミングで手に入れて欲しい!」というアセットを全て紹介する本特集。今回は『Wild West City – Wild West Town – Wild West Sky City – Town』の内容とUEマーケットプレイスで無料配布されているキャラクターアセット『Paragon』との組み合わせ方について解説します。

TEXT / wvigler
EDIT / 神山 大輝

目次

この記事はUnreal Engine バージョン5.0.3を利用して書かれています。

スチームパンク風のビジュアルが秀逸な背景アセット

Wild West City – Wild West Town – Wild West Sky City – Town』(以下、Wild West Sky City – Town)は西部劇風スチームパンクの環境アセットです。巨大な飛空船や木製の梁やつり橋で構成された空中都市など、インパクトのあるビジュアルが魅力的なアセットです。

アセットの使用方法

Wild West Sky City – Townは「プロジェクトに追加して使う」タイプのアセットです。今回は「サードパーソン」のテンプレートプロジェクトを作り、そこにWild West Sky City – Townを追加して使用していきます。

まずはサードパーソンテンプレートを作成。この手順をおさらいしたい場合は、「ゲームづくりをはじめよう!」内の【STEP3-1】ゲームづくりの最初の一歩「空っぽのステージ」を作ってみようを参照のこと

作成したサードパーソンテンプレートのプロジェクトファイルにWild West Sky City – Townを追加する。アセットの購入・追加方法の詳細については「マーケットプレイスで建物や植物の3Dモデルを入手しよう」を参照のこと

プロジェクトを起動し、コンテンツドロワーを開きます。「コンテンツ\Wild_West\Maps」内に「WildWest」というマップがありますので、こちらをダブルクリックで展開します。

展開されたサンプルシーン。本アセットに含まれる構造物のみで構成されており、周辺を飛行艇がゆっくりと飛び回っている

また、「コンテンツ\Wild_West」の中には、このマップで使用されているブループリント3Dモデルテクスチャなどが格納されています。あとは一般的な背景アセットと同様、ドラッグ&ドロップでオブジェクトを配置してマップを作っていく運用になります。

3Dモデルに関しては「コンテンツ\Wild_West\Maps」の「Overview」マップで内容一覧を見ることができる

ブループリントで作られているのは飛空船のみ。プロペラの回転やスプラインに沿って飛空船を動かす機能が内蔵されている。理解しやすいシンプルな構造なので、学習の参考にしても良いだろう

Paragonのキャラクターをインポートしよう

環境アセットは眺めているだけでも楽しいですが、ここからは一般的なゲームと同じようにプレイヤーキャラクターを操って世界を旅するシーンを作ってみようと思います。Epic Gamesが提供しているキャラクターアセット「Paragon」シリーズのキャラクターをプレイヤーにして、実際にWild West Sky City – Townの世界を歩いてみましょう。

ここでは一例として『Paragon: Revenant』(以下、Revenant)をプロジェクトに追加し、動かす方法を解説します。

テンガロンハットを被った拳銃を持つキャラクター、ということで本アセットとの相性も悪くない。今回はRevenantを対象に説明していく

『Paragon: Revenant』ダウンロードページ

Wild West Sky City – Townを追加した時と同じように、Revenantをプロジェクトに追加しましょう。

Revenantは最初からブループリントを持っているので、簡単にプレイヤーとしてセットアップすることができます。

ブループリントは「コンテンツ\ParagonRevenant\Characters\Heroes\Revenant」内に「RevenantPlayerCharacter」という名前で用意されています。

「RevenantPlayerCharacter」

このままではプレイヤーとして利用することはできません。イベントグラフを開いてみると、入力設定の名称が異なるため警告が出てしまっています

[WARNING!]と書かれている赤いノードを以下のように差し替えましょう。

  • 「インプットAxis TurnRate」→「インプットAxis Turn Right/Left Gamepad
  • 「インプットAxis LooUpRate」→「インプットAxis Look Up/Down Gamepad
  • 「インプットAxis Turn」→「インプットAxis Turn Right/Left Mouse
  • 「インプットAxis LookUp」→「インプットAxis Look Up/Down Mouse
  • 「インプットAxis MoveForward」→「インプットAxis Move Forward/Backward
  • 「インプットAxis MoveRight」→「インプットAxis Move Right/Left
  • 「インプットアクションResetVR」→削除

入力のためのノードが正しいものになれば警告が消える

これで、Revenantをプレイヤーとして利用するための準備が整いました。

『Pragon: Revenant』で西部劇風スチームパンク世界を満喫しよう

ここまでの設定が終わったら、「RevenantPlayerCharacter」をマップ上の好きな場所にドラッグ&ドロップします。

配置された場所が思っていた所と違った場合は、矢印ツールで位置を調整できる。少しモデルが大きいので、拡大・縮小は0.8ぐらいにすると丁度よい

次に「WildWest」のレベルブループリントを開き、以下のようなノードを組みます。

「RevenantPlayerCharacter」のノードはマップ上のRevenantPlayerCharacterを選択したまま、エディタ上で右クリックすることで出すことができる

これでセッティングは完了です。プレイボタンを押せば、Revenantのキャラクターを使ってWild West Sky City – Townのマップを楽しむことができます。

プレイを開始するとこのような警告が出るが、これはすべてのライトの”可動性”を「ムーバブル」に設定して再起動することで消すことができる

豪華な見た目が特徴のアセットですが、当たり判定についても見た目通りとなるため、ゲームで本格的に使うためには最適化が必要になる場合もあります。キャラクターのすり抜けなどをケアする場合は、別途3DCGツールなどで判定を設定し直すことも検討した方がいいかもしれません。

当たり判定のほとんどが見た目通りになっているため、何かの拍子にキャラクターがすり抜けて下に落ちる、ハマってしまうなどのトラブルが発生する可能性もある

もちろん、ゲームの背景だけでなくリアルタイム3DCGによる映像制作やスチル撮影などの目的にも有効なアセットになります。自身で制作した3Dキャラクターを歩かせてみても楽しいかも知れません。発想次第でさまざまな活用方法が見出だせるアセットになりますので、この機会にぜひ入手しておきましょう。

アニメーションやライティングを調整するだけで、非常にレベルの高いビジュアルを作ることができる

7月限定の無料アセットを必ず入手しよう!

Wild West City – Wild West Town – Wild West Sky City – Town』を含む7月の無料アセットについてはこちらでも取り上げています。

関連記事
「Unreal Engine」7月の無料マーケットプレイスコンテンツが公開!海外メディア『GameFromScratch』のコミュニティが選定協力した豪華アセットが目白押し!
2022.07.06

「作品に活かす機会がない」「使い方が分からない」といった場合も、無償期間にダウンロードさえ済ませておけば、必要になったタイミングで使用することができます。この機会にぜひ、高品質な有償アセットを無料で入手しておきましょう!

アンリアルエンジンの基本は「ゲームづくりを始めよう!」を、マーケットプレイスからのアセットの入手方法はこちらの記事をご確認ください。

『Wild West City - Wild West Town - Wild West Sky City - Town』ダウンロードページ
wvigler

アンリアルエンジンにハマり、ぷちコンでゲーム作ってた男。映像編で2連覇したことも。
昔はよくアーケードゲームとかやってました。
一番やり込んだのは「ケツイ ~絆地獄たち~」「戦国BASARAX」あたり。ローグライトゲームとかも好きです。

関連記事

オーディオミドルウェア「Wwise」のサウンドをUnreal Engineで再生。「書かれた通りに設定すれば必ず動作する」ガイド、Audiokineticが公開
2024.04.18
ヒストリア、日本で唯一「Unreal Engine サービス パートナー プログラム」で「ゴールド ステータス」を獲得。Epic Gamesが定める技術支援プログラム
2024.04.11
Adobe、「Substance 3D Connector」をオープンソースとして公開。Blender・Maya・3ds MaxやUE5・Unityなどの間でのアセット共有を目指す
2024.04.08
UE5で流体シミュレーションを行うプラグイン「Niagara Fluids」の公式チュートリアル4点が公開。波立つ水面や煙の揺れを表現可能
2024.04.06
「Unreal Engine」2024年4月の無料マーケットプレイスコンテンツが公開!森の中の村を表現できるクレイ風アセットパック、ゴーレムのリグ付き3Dモデルなど
2024.04.03
「猫でもわかる UE5 シーケンサー自動生成!」など、「Unreal Engine Meetup in Nagoya Season2 Vol.1」の講演で使われたスライド資料が公開
2024.03.29

注目記事ランキング

2024.04.13 - 2024.04.20
1
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧
2
『フォートナイト』で動く本格的なゲームが作れるツール「UEFN」とは?従来のクリエイティブモードから進化したポイントを一挙紹介!
3
【2022年5月版】今から始めるフォートナイトの「クリエイティブ」モードープレイ開始から基本的な操作方法まで解説
4
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.1「アイテム系」
5
【CHALLENGE1】「クリエイター ポータル」を使って、UEFNで作成した島を世界中に公開する
6
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.5「島の設定」
7
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.2「ユーティリティ系」
8
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.7「NPC系」Part1
9
フォートナイトとUEFNがv29.20にアップデート。見下ろし視点でもプレイヤーキャラクターの向きを操作できるようになった
10
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.6「チーム・対戦系」Part1
11
【CHALLENGE3】UEFNの機能「ランドスケープ」を使ってオリジナルの地形を作る
12
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.3「プレイヤー系」
13
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.4「ゲームシステム系」
14
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.7「NPC系」Part2
15
フルカラー書籍「UEFN(Unreal Editor For Fortnite)でゲームづくりを始めよう!」、ついに本日発売!全国書店で好評発売中!
16
【STEP2】UEFNの基本的な使い方を覚えよう
17
UEFNで使えるプログラミング言語「Verse」のノウハウが集結。『UEFN.Tokyo 勉強会 03 Verse Night』レポート
18
『フォートナイト』で建築ビジュアライゼーション!?UEFNでオリジナルの世界観をどう作り上げたか、その手法を解説【UNREAL FEST 2023 TOKYO】
19
まるで『マイクラ』?ボクセル地形を生み出す無料アセット「VoxelPlugin Free」で”地形を掘ったり積み重ねたり”して遊んでみよう
20
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.10「UI系」Part1
21
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.8「ゾーン系」
22
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.9「建築物系」Part1
23
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.10「UI系」Part2
24
【CHALLENGE2-1】フレンドと一緒にゲームを作ろう――UEFNプロジェクトをチームメンバーとリアルタイムで共同編集する
25
GDC 2024で行われた「State of Unreal」UEFN関連の発表内容まとめ。UEFNがMetaHumanを正式サポート
26
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.9「建築物系」Part2
27
【STEP1】「UEFN」を入手しよう
28
『CGWORLD JAM vol.05』でゲームメーカーズが登壇したセッションのアーカイブ動画が公開!
29
【STEP4-2】リスポーンとチェックポイントの仕組みを作る
30
「UEFN」って実際どうなの? 編集部が3時間で「みんなで遊べるアクションゲーム(?)」を作ってみた
VIEW MORE

イベントカレンダー

VIEW MORE

今日の用語

マージ(Merge)
マージ 何か複数のものをまとめて1つに融合・統合すること。ゲーム開発において、多くの場合、異なる作業者が同一のファイルを編集したのち、ひとつに統合する作業のこと。
VIEW MORE

Twitterで最新情報を
チェック!