『ドラクエモンスターズ3』開発にはUnityのプレハブバリアントやPolybrushなどを活用。ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン、開発者インタビュー記事を公開

2024.07.24
ニュースUnity
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この記事の3行まとめ

  • ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン、『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』の開発についてインタビューした記事を公開
  • 500種類以上のモンスターを効率的に実装した手法などを解説
  • 開発チーム全員で使用ツールをUnityに統一したメリットなども語られている

ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンは2024年7月22日(月)、「『ドラゴンクエストモンスターズ3』で実践された、多種・大量の3Dキャラクターを制作するための工夫。鍵は「仕様の共通化」と「自動化」にあり」と題した記事を、同社の公式サイトにて公開しました。

同記事では、『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』(以下、『ドラクエモンスターズ3』)における、開発にUnityを用いたメリットや作業の効率化などについて、開発に携わったトーセ時田康孝氏や矢部建徳氏、サファリゲームズ土井達哉氏にインタビューしています。

(画像はユニティ・テクノロジーズ・ジャパン公式サイトより引用)

『ドラゴンクエストモンスターズ』シリーズは、さまざまなモンスターたちを仲間にして育成し、共に冒険できるRPGです。

最新作の『ドラクエモンスターズ3』には、500種類以上の多彩なモンスターが登場します。多種多様で膨大な個体数のモンスターを実装するにあたり、開発上の工夫として「仕様の共通化」と「自動化」が重要だと語られています。

記事中では、DCCツールにおける階層構造の整理やアニメーションのベイク処理などが自動化された事例が語られました。

そのほかにもプレハブの作成や、状態異常のエフェクトを表示するノードの追加といった作業が、エディタの拡張により一括で実行可能になった事例なども紹介されています。

(画像はユニティ・テクノロジーズ・ジャパン公式サイトより引用)

同形状でカラーが異なる別種のモンスターは、プレハブバリアントにより実装したと述べています。モンスターの情報などを継承し、マテリアルを差し替えるだけで実装できるとのこと。

青色の「スライム」とオレンジ色の「スライムベス」のように、形状が同一で別種のモンスターは、マテリアルを差し替えて実装している(画像はユニティ・テクノロジーズ・ジャパン公式サイトより引用)

さらに、アーティストの作業の大半をUnityだけで完結できたことにより、開発チーム全体でUnityを使用できたことがUnity導入のメリットとして挙げられています。これにより、アーティストやエンジニアが互いに使用するツールの前提知識を説明する工程が省かれ、意思疎通がスムーズになったといいます。

また、プランナーがPolybrushの「頂点ペイント」機能を用いてデザイナーに指示を出すことで、円滑なコミュニケーションが可能になった事例が紹介されています。

開発に役立ったUnityの機能も紹介されています。カメラ制御においては、あらゆるサイズのモンスターを画角に収めるため、複数のオブジェクトを1つのグループとして扱えるCinemachine Target Groupや、カメラが一定の距離でオブジェクトを追従するFraming Transposerといった機能が使用されています。

スライム4体をCinemachine Target Groupで1つのグループとして設定し、Framing Transposerによりカメラを追従させる(画像はユニティ・テクノロジーズ・ジャパン公式サイトより引用)

マップのデバッグ作業においては、コリジョンの角度を「Gizmo」で可視化し、歩行箇所の不具合などを調査した事例が紹介されています。

コリジョンのデバッグモードをONにして、プレイヤーが歩行可能/不可能な場所を色分けで可視化した様子。コリジョンの角度が一定値を超えて歩行できない場所は赤く描画される(画像はユニティ・テクノロジーズ・ジャパン公式サイトより引用)

詳細はユニティ・テクノロジーズ・ジャパン公式サイトをご確認ください。

『ドラゴンクエストモンスターズ3』で実践された、多種・大量の3Dキャラクターを制作するための工夫。鍵は「仕様の共通化」と「自動化」にあり|ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン公式サイト

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