UEマーケットプレイスの無料アセット紹介「5月編」:乗馬アセット『Horse Starter Kit』詳細と他アセットと連携する方法について解説

2022.05.26
注目記事ゲームづくりの知識しくみをつくるアセットレビューお役立ち情報アクションアンリアルエンジン
この記事をシェア!
twitter facebook line B!
twitter facebook line B!

毎月、UEマーケットプレイスでは、Epic Gamesが選出した5つのアセットが無料配布されています。 本記事では5月の無料アセットの1つ、『Horse Starter Kit』の内容、他のアセットとの連携方法について紹介しています。

TEXT / wvigler
EDIT / 神山 大輝

目次

この記事はUnreal Engine バージョン5.0.1を利用して書かれています。

『Horse Starter Kit』の概要

Horse Starter Kitは、アンリアルエンジン上で乗馬に関するアクションが楽しめるプロジェクトアセットです。グレイマンに「馬に跨って歩く、走る、ジャンプする」などのアクションを行わせることができます。

実際にアセットを触ってみよう

アセットプロジェクトを起動すると、Overviewというマップから始まります。まずはプレイボタンを押して、プロジェクトの動作を見ていきます。

実際のプレイ画面。ThirdPersonTemplateと同じように、WASDで移動、スペースでジャンプが可能

馬から降りた状態での操作はThirdPersonTemplateとほとんど変わりません。

通常の操作と違う点は「F」キーを押すと近くの馬を呼べることと、馬の近くで「E」キーを押すと馬に乗れることだけです。

「WASD」で前後移動と左右転換、移動中のマウス操作で視点の回転を行います。また、スペースキーを押すとジャンプができ、シフトキーを押しっぱなしにすることで、馬を走らせることができます。

馬が走っている間はFOV(焦点距離)が変化し、スピード感が上がる

再び「E」キーを押すことで、馬から降りて徒歩の状態に戻ることができます。

アセットの中身を見てみよう

Horse Starter Kit』のアニメーションや挙動の実装にはC++は使われておらず、ブループリントだけで制作されています。ただし『Horse Starter Kit』は、もともとUneal Engine 4のアセットであることもあり、Control Rigなどは使用されていません。

馬を降りるアニメーションは、右側と左側でそれぞれ用意されている(プロジェクト内では左側に降りるアニメーションのみ使用されている)

Horse Starter Kit』の人と馬のメッシュは別々になっているため、馬単体のモデルやアニメーションとしても利用することができます。

動物系アセットは表情が少なく動作だけで表現できるものが多いため、モデルやアニメーションが他アセットに流用しやすい

他のアセットと組み合わせてみよう

Horse Starter Kit』のブループリントの多くはレベルブループリントに書かれているため、そのまま他のプロジェクトで活用することが難しいものがほとんどです。しかし、馬の操作系についてのブループリントは独立しているため、馬に乗って移動する部分だけであれば一部流用が可能です。

さて、UEマーケットプレイスの5月の無料アセットには『Horse Starter Kit』の他にも、中世の建築物を構築できるモジュラー式建築アセット「Sunset – Modular Medieval Brick Buildings」があります。

中世の雰囲気は、馬のアセットにマッチしそうです。せっかくなので、『Sunset – Modular Medieval Brick Buildings』の世界で乗馬を楽しんでみましょう。

Horse Starter Kit』の「BP_Rideable_DarkBrown_Horse」か「BP_Rideable_LightBrown_Horse」を、『Sunset – Modular Medieval Brick Buildings』を入れたプロジェクトにMigrate(移行)します。

Migrate(移行)についての詳しい説明はこちらです。

2つのブループリントの違いは毛色のみ。ちなみに、同じフォルダに入っているが「BP_NPC_WhiteSpot_Horse」はAI専用のブループリントなので注意

Migrateしたブループリントを『Sunset – Modular Medieval Brick Buildings』の「ThirdPersonExample」のマップに設置します。

このままだとエラーが出てしまうので、「Project Settings」の「Inputマッピング」の名前を変更します。

Inputマッピングの設定のみ、UE5のデフォルトの設定と名前が異なるので、『Horse Starter Kit』と同じように変更する必要がある

最後に、レベルブループリントを画像のように実装したら準備完了です。

 

マップに設置した馬をクリックした状態でレベルブループリント上で右クリックすると、馬のブループリントの参照を選択できる

馬に乗って、中世の世界を走り回ってみましょう!

Horse Starter Kit』『Sunset – Modular Medieval Brick Buildings』を含む2022年5月無料アセットについては、こちらの記事でも取り上げています。

『Horse Starter Kit』 ダウンロードページ『Sunset - Modular Medieval Brick Buildings』 ダウンロードページ
wvigler

アンリアルエンジンにハマり、ぷちコンでゲーム作ってた男。映像編で2連覇したことも。
昔はよくアーケードゲームとかやってました。
一番やり込んだのは「ケツイ ~絆地獄たち~」「戦国BASARAX」あたり。ローグライトゲームとかも好きです。

関連記事

Unreal Engine 5.4がリリース。アニメーション関連の新機能「Modular Control Rig」の追加、「Motion Matching」の正式リリースなど
2024.04.24
UE6にはフォートナイト用の言語「Verse」が導入される?GDC 2024のVerse講演から見るアンリアルエンジンの今後
2024.04.22
オーディオミドルウェア「Wwise」のサウンドをUnreal Engineで再生。「書かれた通りに設定すれば必ず動作する」ガイド、Audiokineticが公開
2024.04.18
ヒストリア、日本で唯一「Unreal Engine サービス パートナー プログラム」で「ゴールド ステータス」を獲得。Epic Gamesが定める技術支援プログラム
2024.04.11
Adobe、「Substance 3D Connector」をオープンソースとして公開。Blender・Maya・3ds MaxやUE5・Unityなどの間でのアセット共有を目指す
2024.04.08
UE5で流体シミュレーションを行うプラグイン「Niagara Fluids」の公式チュートリアル4点が公開。波立つ水面や煙の揺れを表現可能
2024.04.06

注目記事ランキング

2024.04.18 - 2024.04.25
1
【2022年5月版】今から始めるフォートナイトの「クリエイティブ」モードープレイ開始から基本的な操作方法まで解説
2
『フォートナイト』で動く本格的なゲームが作れるツール「UEFN」とは?従来のクリエイティブモードから進化したポイントを一挙紹介!
3
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧
4
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.1「アイテム系」
5
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.5「島の設定」
6
【CHALLENGE1】「クリエイター ポータル」を使って、UEFNで作成した島を世界中に公開する
7
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.7「NPC系」Part1
8
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.2「ユーティリティ系」
9
フォートナイトとUEFNがv29.30にアップデート。すでに公開した島をプレイできないようにする機能が導入される
10
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.4「ゲームシステム系」
11
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.6「チーム・対戦系」Part1
12
フォートナイトとUEFNがv29.20にアップデート。見下ろし視点でもプレイヤーキャラクターの向きを操作できるようになった
13
UEFNで使えるプログラミング言語「Verse」のノウハウが集結。『UEFN.Tokyo 勉強会 03 Verse Night』レポート
14
フルカラー書籍「UEFN(Unreal Editor For Fortnite)でゲームづくりを始めよう!」、ついに本日発売!全国書店で好評発売中!
15
まるで『マイクラ』?ボクセル地形を生み出す無料アセット「VoxelPlugin Free」で”地形を掘ったり積み重ねたり”して遊んでみよう
16
【STEP2】UEFNの基本的な使い方を覚えよう
17
【CHALLENGE3】UEFNの機能「ランドスケープ」を使ってオリジナルの地形を作る
18
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.10「UI系」Part2
19
『フォートナイト』で建築ビジュアライゼーション!?UEFNでオリジナルの世界観をどう作り上げたか、その手法を解説【UNREAL FEST 2023 TOKYO】
20
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.9「建築物系」Part1
21
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.10「UI系」Part1
22
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.7「NPC系」Part2
23
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.3「プレイヤー系」
24
「UEFN」って実際どうなの? 編集部が3時間で「みんなで遊べるアクションゲーム(?)」を作ってみた
25
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.8「ゾーン系」
26
フォートナイトとUEFNがv26.30にアップデート。ロビー画面が一新され、クリエイターが島ごとにロビー背景を自由にカスタムできるように
27
【STEP4-1】コース外に出たらデスする仕組みを作る
28
【STEP4-2】リスポーンとチェックポイントの仕組みを作る
29
【CHALLENGE2-1】フレンドと一緒にゲームを作ろう――UEFNプロジェクトをチームメンバーとリアルタイムで共同編集する
30
Epic Games、200を超えるフォートナイトの島クリエイターが年間10万ドル以上の配当金を得られると発表。島の「プレイ時間」が影響
VIEW MORE

イベントカレンダー

VIEW MORE

今日の用語

プラットフォーム(Platform)
プラットフォーム
  1. サービスやシステムを動作させるための共通基盤とその環境のこと。
  2. ゲームにおいては、特定のゲームハードやゲームを販売しているストアのことを示す。
VIEW MORE

Twitterで最新情報を
チェック!