このSTEPで扱うマップは、ゴールまでの道が途絶えてしまっています。このままではゴールまで辿り着けないため、「動く床」と「トランポリン」を適切な位置に配置して、キャラクターがゴールに到達できるように変更していきましょう。
「動く床」を配置する
UE5を起動し、プロジェクトファイル「GameMaking_Kit」を開きましょう。ハンドブックP.6でマップの開き方について触れましたが、プロジェクトを開いた直後であれば、すでにマップ「Step1_P」が開かれています。そのため、今回は自分でマップを移動する必要はありません。
このSTEPで扱うマップは、スタートとゴールだけが用意されたシンプルなものです。ただし、道が途中で途絶えているため、ゴールまで辿り着くことができません。「動く床」「トランポリン」を適切な位置に配置して、キャラクターがゴールに到達できるように変更していきましょう。
「ゲームづくりを始めよう!」で作成した「動く床」や「トゲ」のように、ギミックはブループリントで作られています。ギミックを配置するために、コンテンツドロワー(※)上でギミックのブループリントがあるフォルダに移動しましょう。
※ プロジェクトに含まれるデータ一式にアクセスできる、UE5エディタの機能。ブループリントのほか、3Dモデルやエフェクト、サウンドなどを管理できる。いろいろなモノが入った引き出し(ドロワー)のイメージを持つとよい
エディタ画面でCtrl + スペースキーを押し、コンテンツドロワーを開きます。
コンテンツドロワーの左側には、プロジェクトのフォルダ構造が表示されています。フォルダをクリックすると、コンテンツドロワー右側に中身を表示できます。また、各フォルダ名の左隣にある「▶」(右向きの三角形)をクリックすると、そのフォルダに格納されているフォルダを確認できます。
ギミックのブループリントがある、「コンテンツ」→「GameMaking_Kit」→「Blueprints」フォルダの中身を表示させましょう。
「BP_MovingBoard」が動く床のブループリントにあたります。コンテンツドロワーから「BP_MovingBoard」をビューポートへドラッグ&ドロップし、マップ内の黄色い板の近くに配置しましょう。
動く床の初期位置を決めましょう。配置した「BP_MovingBoard」を選択した状態では、画面右側にある詳細パネルから、オブジェクトの位置や設定を変更できます。
詳細パネルが消えてしまったときは……
詳細パネルが消えた、見つからないといったときは、画面上部の「ウィンドウ」から、「詳細」→「詳細1」にチェックを入れましょう。新たに詳細パネルが出現します。
動く床の位置を指定する
詳細パネルの「トランスフォーム」→「位置」を以下の値に書き換えて、水面から浮いた位置に動く床を移動させましょう。
続いて、動く床の移動先を決めましょう。この動く床は「ゲームづくりを始めよう!」で制作したものと異なり、移動先を自由に指定できる高機能なものになっています。
配置した動く床を選択しましょう。移動ツールと重なって表示されている、青色の八面体が移動先を示しています。
八面体をクリックして選択すると、移動ツールを使って八面体のみを移動できます。動く床がプレイヤーを対岸まで運べるよう、対岸近くまで八面体を移動させましょう。
動く床は、設定した移動先と初期位置を往復するように動きます。プレイして、動作を確かめましょう。
これで、動く床に乗って対岸に渡れるようになりました。
「トランポリン」を配置する
このマップでは、ゴールが高台にあり、プレイヤーキャラクターのジャンプでは辿り着けません。
そこで、ぶつかったキャラクターを上に跳ね飛ばす「トランポリン」のギミックを活用します。
トランポリンのブループリントは、「BP_MovingBoard」と同じフォルダにある「BP_Bouncer」です。コンテンツドロワーから、「BP_Bouncer」をドラッグし、下図に示す位置にドロップして配置します。
トランポリンには事前にジャンプの機能を入れてあるため、配置以外に設定を行う必要はありません。
配置が終わったら再度プレイしてみましょう。動く床とトランポリンのギミックを配置したことで、マップの最後までゲームをプレイできるようになりました。
このように、プレイヤーのアクションのみでは到達できない場所を作ることで、ギミックを生かした遊びが作れます。
STEP1は以上です。ハンドブックに戻り、STEP2(P.9)に進みましょう。
今回配置したギミックは、UEにおいて3D空間に配置できるものを指す「アクタ」に分類されます。ブループリントを使うことで、オリジナルのアクタが作れます。
3D空間に配置されている壁や床、プレイヤーキャラクターもアクタであり、「プレイヤーの操作を処理するためのアクタ」なども存在します!
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今日の用語
ローパスフィルター(Low-Pass Filter)
- 電気信号のうち、指定した周波数(カットオフ周波数)以下の信号を通し、それより上を大きく低減させるフィルター。
- ゲーム開発において、基本的にはサウンド用語として用いられる。例として、特定のセリフをローパスフィルターによってくぐもった音に加工することで、隣の部屋や遮蔽物の後ろで話しているかのような表現を行うことができる。