プレイヤーの動きによって波立つ水面をNiagaraで実装。ホラーゲーム『Still Wakes the Deep』開発者による水の表現手法を解説する記事が、UE公式ブログにて公開

プレイヤーの動きによって波立つ水面をNiagaraで実装。ホラーゲーム『Still Wakes the Deep』開発者による水の表現手法を解説する記事が、UE公式ブログにて公開

2024.11.11
ニュース3DCGアンリアルエンジン
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この記事の3行まとめ

  • アンリアルエンジン公式ブログにて「波の制作:Still Wakes the Deep で行われた UE5 でのリアルな水のメカニクスの開発」と題した記事が公開
  • ホラーゲーム『Still Wakes the Deep』での事例に基づく水の表現手法を解説
  • Niagaraを用いた2Dのシミュレーションによって水面が表現されている

Epic Gamesは2024年11月8日(金)、「波の制作:Still Wakes the Deep で行われた UE5 でのリアルな水のメカニクスの開発」と題した記事を、アンリアルエンジン公式ブログにて公開しました。

同記事では、石油掘削施設を舞台としたホラーゲーム『Still Wakes the Deep』を開発したThe Chinese Roomのプログラマー Joe Wheater氏が、本作の開発事例を基に、Unreal Engine 5(以下、UE5)を用いた水の表現手法を解説しています。

『Still Wakes the Deep』トレーラー

本作では、「石油掘削施設の内部に浸水する水」と「周囲を取り囲む海」で異なる水の表現手法を用いています。ブログ記事では、石油掘削施設内部の水について解説されました。

水面の動きは、VFXシステム「Niagara」による2Dのシミュレーションによって表現しているとのこと。加えて、専用のタグを付与したメッシュをシミュレーション空間へ反映させることで、床や壁を考慮したシミュレーションを実現しています。

水面のシミュレーションを行う様子(動画はブログ記事より引用)

プレイヤーが水中にいる場合には、不明瞭な視界を演出するため、フォグや視界がぼやける効果などを利用しています。

視覚効果を加える前(左)と、ポストプロセスなどの視覚効果を適用した後(右)の比較(画像はブログ記事より引用)

本作では、プレイヤーの動きに応じて水面を動かす仕組みも実装しています。プレイヤーキャラクターにアタッチした独自のオブジェクト「ポンプ」の情報をシミュレーションに与えることで、シミュレーション結果にプレイヤーの動きを反映させているとのこと。

キャラクターの動きに応じて水面が変化する様子(動画はブログ記事より引用)

また、NiagaraのGPUリードバック機能によってシミュレーション結果を取得し、水に浮かぶオブジェクトに力を与えるシステムも導入しています。

水に浮かぶオブジェクトが水面の動きに影響を受ける様子(動画はブログ記事より引用)

ブログ記事では、そのほかに実装したシステムなどについても紹介されています。

詳しくは、アンリアルエンジン公式ブログをご覧ください。

波の制作:Still Wakes the Deep で行われた UE5 でのリアルな水のメカニクスの開発『Still Wakes the Deep』Epic Games Store

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