正確な信号となって交差点の平和を守る『十字路の守護神』プレイレポート【BitSummit Let’s Go!!】

2023.07.14
注目記事イベントレポートBitSummit2023
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2023年7月14日(木)から16日(日)の3日間、京都みやこめっせで開催されたBitSummit Let’s Go!!。さまざまなタイトルが展示された会場から、今回は日本工学院専門学校のゲームクリエイター科の学生チーム「交通安全委員会」が開発した交通整理系ゲーム『十字路の守護神/クロス・ガーディアン(以下、十字路の守護神)』を紹介するとともに、同作品の開発チームにユニークなゲームのポイントを聞きました。

TEXT / ハル飯田

目次

直進&右折!的確な指示で平和な交差点を演出

『十字路の守護神』の操作は非常にシンプルで、十字路を見下ろしながら左車線を進む車の進みたい方向に合わせて「W」か「D」を入力して交差点への侵入を指示するだけ。

交差点で車をさばいていく「信号機になるゲーム」とも言えるプレイ感ですが、対向車線を走行する車には指示ができず、危機を察知して自動で止まってくれることもないのでタイミングを誤ると派手な衝突事故を招いてしまいます。

操作はたった2キーのみ

交通量の多い十字路では一旦ためらえば右車線に侵入するタイミングを失ってしまい、一気の渋滞を引き起こす要員に。もちろん対向からの右折車もやってくるので直進にも気をつけなければいけません。直進車が続けば「W」キーを押しっぱなしでも問題ないのですが、右折車は一時停止の影響もあって少し曲がり終えるまでに時間を要し、そのちょっとした差が生み出す感覚の違いがミスを誘います。

乗用車は直進、トラックは右折。文字にすれば単純な操作とルールですが軽快な演出が心地良く、上手くさばき続けてコンボを繋げる楽しさも魅力。

事故シーンはズームアップされて派手に車体が砕けるので申し訳なさもたっぷりと味わえますが、完璧なタイミングで右折車同士の回転が決まった時の爽快感は格別です。

「運転のストレスをストレスなく表現」するための工夫

本作の開発を手掛けたのは日本工学院専門学校クリエイター科の学生で、本イベントには他にも同校の学生によるタイトルが複数出展されていました。『十字路の守護神』は「交通安全委員会」という3名のチームで制作されており、開発環境にはDXライブラリーを使用しています。

交差点を題材にしたゲームながら、実はメンバーの中で免許を持っているのはひとりだけという開発裏話も

渋滞時の交差点はドライバーにとってストレスのかかる場面ではありますが、そんなシーンを切り取ってゲーム化するにあたって重視しているのは「プレイヤーにストレスを与えない仕組み」であり、車同士の衝突判定などプレイしていて気になる部分の調整に力を入れているそうです。

ゲーム自体がシンプルだからこそコンボが繋がるとビルや木々がリズミカルに揺れて画面を賑やかにする工夫も盛り込まれており、大コンボになると更に派手な演出も楽しめるのだとか。

コンボが繋がると制限時間が増えるため、青天井のスコアアタックも楽しめる

専門学校でのゲーム開発で生まれた作品とあって取材時点ではリリースなどの予定はないとのことでしたが、サクッと遊べてどこか病みつきになる魅力的な仕上がりになっていました。

奇しくも今年のBitSummitの会期は京都の一大イベント「祇園祭」と重なっていたこともあり、会場付近では交通規制が敷かれているエリアも見られました。手軽に遊べて笑える要素もありながら、何のトラブルもなく交差点が機能していることへの有難みも感じられてしまう不思議なゲームでした。

公式Twitter https://twitter.com/game_ginit
販売サイト(ストアページ) 未定
リリース時期 未定
日本工学院ゲームクリエイター科(蒲田校)TwitterBitSummit Let's Go!!公式サイト
ハル飯田

大阪生まれ大阪育ちのフリーライター。イベントやeスポーツシーンを取材したり懐ゲー回顧記事をコソコソ作ったり、時には大会にキャスターとして出演したりと、ゲーム周りで幅広く活動中。
ゲームとスポーツ観戦を趣味に、日々ゲームをクリアしては「このゲームの何が自分に刺さったんだろう」と考察してはニヤニヤしている。

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