ゲーミングギアブランド「WALLHACK」にインタビュー!初挑戦のキーボード&マウスに込めた思い、日本市場への注目度を聞いた【TGS2026】

ゲーミングギアブランド「WALLHACK」にインタビュー!初挑戦のキーボード&マウスに込めた思い、日本市場への注目度を聞いた【TGS2026】

2026.10.02
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2026年9月17日(木)から4日間、幕張メッセにて日本最大のゲームイベント「東京ゲームショウ2026」が開催されました。

eスポーツコーナーには、ガラス製マウスパッドで知られるデンマーク発のゲーミングギアブランド「WALLHACK」が出展。

本記事では、新製品のキーボードとマウスが展示されたWALLHACKブースの模様と、担当者へのインタビューをお届けします。

TEXT / ハル飯田
EDIT / 藤縄 優佑

目次

ゲーミングデバイスとWALLHACKの魅力を併せ持つ2製品

ブースに展示されていたのは、有線キーボード「K-001」(8月21日発売)と、ワイヤレスマウス「M-001」(9月21日発売)。

WALLHACKはこれまでマウスパッドなどを主力製品としており、キーボード・マウスは今回が初めて。どちらも、こだわりの素材とシックで落ち着いたデザインが特徴です。

右上に写っているのは、マウスのレシーバー兼予備バッテリーの充電ドック

有線キーボード「K-001」

「K-001」は磁気式スイッチを採用しており、キー押下時や離した際のわずかな動きで反応する「ラピッドトリガー」機能を搭載。キーが反応する深さは0.01mm単位で設定できます。

キーボード本体右上に備わったノブは、アクチュエーションポイントやラピッドトリガーの感度を、設定ソフトを開かずにその場で調節するためのもの。

設定を変更すれば、ライティングや音量の調整、プロファイルの切り替えにも使えます。

「K-001」のポーリングレートは最大8,000Hz

アルミ削り出しの筐体にはアルマイト処理を施しており、実際に触ってみると重量以上の重厚感に、どこかひんやりとした印象を覚えます。

チルトは本体底面にライザーパーツをネジで取り付けて調整する方式で、0度(ライザーなし)・4度・7度の3段階から選べます。

(画像はYouTubeのスクリーンショット)

設定は専用アプリのインストールが不要な、ブラウザ上のツール「WALLHACK Terminal」から行います。ここでは、左右キーの同時押しを処理する「SOCD」なども設定可能です。

(画像はWALLHACK Terminalのスクリーンショット)

キースイッチはGateronとの共同開発。MX規格でホットスワップに対応しており、標準搭載の「Medium」に加えて、軽めの「Light」と重めの「Heavy」が別売りで用意されています。

バックライトは白色のみで、スイッチ内部の導光構造により、キーキャップの刻印だけが光る仕組み。周囲への光漏れを抑えた、落ち着いた見た目に仕上がっています。

「K-001」の主な仕様

接続 有線(USB Type-C)
キースイッチ WALLHACK KS-TR Linear(Gateronと共同開発の磁気式スイッチ)
キーストローク 3.2mm
アクチュエーションポイント 0.01mm単位で調整可能
ラピッドトリガー 対応
ポーリングレート 最大8,000Hz
スキャンレート 128,000Hz(全キー時)
入力遅延 0.125ms
サイズ 65%レイアウト(125×313×33mm)
配列 US配列/JIS配列
重量 約1,030g(本体のみ)
カラー Natural/Slate
価格 44,000円(税込)

ワイヤレスマウス「M-001」

ワイヤレスマウス「M-001」は、記事執筆時点までに日本を含む地域では2回の入荷を行いましたが、いずれもすぐに完売した、注目度の高い製品です。

 

デザインとしては、マグネシウム合金を使用したシェルと、裏返すと内部構造が見える点が特徴。シェル自体で強度を保っており、堅牢でありながら53gと軽量さも両立しています。

裏側の下部にバッテリーを装着する

ブースでは各パーツも展示されていましたが、中でも車のハンドルのような形状のマウスホイールが印象的。

見ているだけでワクワクするデザインで、しなやかな動作でありつつ、裏面からも内部の視認性が高いのでメンテナンスのしやすさにもつながるのではないでしょうか。

軽さを追求したであろう、中空のフォルムのマウスホイール

そして「M-001」の特筆すべきポイントが、ダイヤルが2つ並ぶ個性的なレシーバーの存在。

ダイヤルはそれぞれDPIとポーリングレートの調整用で、右部は予備バッテリーを充電するドックになっており、ここに機能が集約されています。ダイヤルは音も感触も心地良く、ついカチカチといじりたくなってしまうものでした。

レシーバーに備わったダイヤルは、カメラのダイヤルのような触り心地。目盛りに数字が刻まれており、「今の設定はどうだっけ?」と悩むこともない

センサーにはPixArt製の「PAW3950」を搭載し、ポーリングレートは最大8,000Hz。バッテリーは2個付属し、1個をマウスで使いながら、もう1個をレシーバーで充電しておく仕組みです。

「M-001」の主な仕様

形状 左右対称(120×64×39mm)
接続 2.4GHzワイヤレス(専用レシーバー)
センサー PixArt PAW3950
解像度 100〜30,000DPI
ポーリングレート 125〜8,000Hz
メインスイッチ オムロン D2FP-FN2(光学式)
バッテリー 250mAh×2個(交換式)
重量 53g
カラー Slate
価格 30,000円(税込)

日本と北欧に共通する「長く所有する」文化

ガラスマウスパッドで知られるWALLHACKが手がける新製品には、どのような思いとこだわりが込められているのか。ブースでWALLHACKの2人にインタビューし、その背景を聞きました。

――最初に自己紹介をお願いします。

田端:WALLHACK マーケティングプロジェクトマネージャーの田端と申します。限定版やIPコラボといった企画、日本とグローバルでのローンチイベントなどマーケティングやPR周りを担当しています。

Josh:Joshです。ファームウェアやプロダクトの生産・設計を担当していて、ユーザーエクスペリエンスの向上などにも携わっています。普段は中国を拠点にしているのですが、デンマークのチームとも密接にコミュニケーションを撮りしながら、プロダクトチームの一員として開発に携わっています。

(画像はXのWALLHACKアカウントより引用)

長く愛される道具を目指して

――ブースに並んだ、新製品の特徴についてもご紹介いただけますか。

Josh:私たちの新しいプロダクト「K-001」と「M-001」の特徴として、いずれも手元のスイッチで設定を変えられる点が挙げられます。セットアップ用のページを開かずとも用途に合わせて即座に変更できる、そのユーザー体験がポイントだと考えています。

田端:すべてデンマークでゼロから設計・デザインされており、性能面でもトップレベルにあるだけでなく、ゲーミングデバイスとして「持つ喜び」を満たせるよう、質感など細部まで注力して作り上げています。

 

――マウスレシーバーのダイヤルは、本格的な一眼カメラに備わっているものを彷彿とさせる見た目と触感で、個人的にも格好良いなと感じました。

田端:今回の設計ではデバイスに対してものすごく熱意を持つ担当者がリードしながら「自分が持ちたいと思えるものを作りたい」と取り組んできましたので、そう言っていただけるとうれしいです。

それこそライカさんのカメラのように長く愛される、人々が惹かれるものに対してのリスペクトを込めて、それをいかにゲーミングデバイスに落とし込めるかにチャレンジしています。

文字の刻印やダイヤルを回した際の質感、バッテリーを着脱する際の「カチッ」という感触など、フィジカルでの楽しさを実現することも設計に盛り込んでいます。

――ゲーミングデバイスに関心のある方々からは、WALLHACKさんを「ガラスマウスパッドの会社」と認知していると思われます。ガラスマウスパッドも素材へのこだわりが強い方が好むジャンルという印象もあり、今回のキーボードとマウスにも同様の印象を持たれているとも考えられるのですが、その点についてはどう感じていますか?

田端:やはり私たちとしても、デバイスに対して強い愛があってこだわりを持っている方はリーチしたいターゲットになります。すべての人が手に取りやすいエントリーモデルというよりは、多種多様なデバイスを触ってきて、好きなデバイスについて主張を持つ方にこそ刺さり、満足していただけるよう設計もしています。

基板も金型も自社設計。発売直前までフィードバックを反映

――マウスパッドとはまた異なる領域の製品開発は、非常にチャレンジングだったのではないでしょうか。

田端:そうですね。実際に「K-001」「M-001」は基板や金型の設計などゼロからすべて自社で行っているので、かなりの時間を要しました。ただ、それだけこだわった甲斐があったと思えるものが完成したと感じています。

発売までには、世界中のデバイスレビュアーの方々、プロeスポーツ選手など腕前の高い方にもテストしていただき、完成直前までさまざまなフィードバックを受け取りました。それを可能な限り、皆さんにお届けする本当のギリギリまで盛り込んで完成度を高めてきました。

ここから先は新たにWALLHACKに興味持っていただいた方にもリーチする機会を作っていきたいですし、今回の東京ゲームショウもそのひとつです。多くの方に、実際に手に取っていただきたいですね。

――実際に受け取ったフィードバックで印象的なものがあれば教えていただけますか?

Josh:マウス「M-001」は有線接続できません。その代わりバッテリーは着脱可能で、レシーバーに収納・充電しているバッテリーと交換しながら使ってもらうスタイルです。

これにより、ワイヤレスのままずっと使い続けられる体験を選択したのですが、歓迎の声をいただいたことで私たちの選択は間違ってなかったんだと感じられて、とてもうれしかったです。

人によってデバイスのセットアップ、置き方も私たちが想像していた以上に多種多様にあるのですが、それぞれの使い方にフィットして好意的なフィードバックをいただけました。

また、ダイヤルで簡単に設定を変えられるのは、1日を通してゲーム以外の用途でも使ってもらえることを想像して設計した点です。インフルエンサーの皆さんから、ここに賛同するコメントが多かったので、すごく印象に残っています。

――デバイスにこだわりのある方々だからこそ、内容の濃いフィードバックが受け取れたのですね。

Josh:そうですね。他にも韓国のデバイス系インフルエンサーの方で、100以上のブランドの製品を自分の環境でテストして実測値を記録するほどこだわりのある方がいらっしゃるのですが、私たちの「K-001」を測定して「全ブランドの中でもトップティアの1つに入るレイテンシーだ」とコメントしてくださっていました。

デバイスとしての性能もプロレベルを目指してしっかりコミットして、ファームウェアなども含めて作り込んできましたので、その結果が数字で表れて評価されたと思っています。

日本と北欧に共通する「長く所有する」文化

――製品の素材についても聞かせてください。アルマイト処理やマグネシウム合金は珍しい選択で、WALLHACKさんとしての遺伝子も感じました。長年使い込むことによる経年変化は、どこまで織り込まれて設計されたのでしょうか。

田端:文化に根付いてるものだと思います。デンマークは家具を家族代々で受け継ぎながら30年、50年と長く使っていく文化があって、セカンドハンド(お古、中古)もすごく親しまれている国でもあるんです。

そのデンマークのデザイナーたちが、普段の生活に根付いて次第に味を持っていく魅力を普段使うデバイスにも持たせようと設計を考えた結果、こういった製品が生まれました。

――日本で言う「味が出る」に近い感覚がデンマークにもあるのですね。

田端:私は日本からデンマークに移り住んで6年になるのですが、日本と北欧のスカンジナビアの文化がミックスした「ジャパンディ」という言葉があるように、両国で共通する感覚は間違いなくあると感じています。

物を大事に長く使って受け継いでいくと「味が出てきて良いよね」と思えるのは、日本もデンマークも変わらずお客さんに共感していただけるこだわりなのかなと思います。

キーボードは日本向けに「ローカライズ」も施した

――朝から大勢の来場者の方々がブースを訪れており、日本での注目度の高さも伺えます。改めてWALLHACKさんにとって日本のマーケットがどのような存在かもお聞きしたいです。

田端:今回の東京ゲームショウでも沢山のお客さんにお越しいただき、私たちを知ってくださる方が増えてきていることを実感しています。普段はオンライン販売が中心なので、なかなか実際に触って試していただける機会が少なく、興味を持っていただくっていうのはすごい嬉しく思ってます。

そんな日本のマーケットですが、私たちにとってもっとも重要と言っても過言ではありません。これまでも日本のさまざまなIPとコラボをさせていただきましたし、日本のカルチャーにも強く影響を受けているのはたしかですので、これからもリスペクトを持って取り組んでいきます。

今年はデンマークからメンバーが10人ほど来日するほど東京ゲームショウと日本市場には力を入れています。これからも日本のお客さんと一緒に成長していきたいなと思っています。

――キーボードはUS配列(英字配列)だけでなく、JIS配列(日本語配列)もラインナップされていたのが印象に残っています。日本でもコアなユーザーはUS配列も好きそうに思われますが、JIS配列もラインナップしている理由について教えてください。

田端:私たちはデンマークの企業ではありますが、やはりJIS配列にも根強い需要があるのは理解していますので、同時展開の判断をしました。

JIS配列時に気を付けたポイントの一つは刻印です。キーキャップにひらがなの刻印は付けず、US配列のようなデザインにしています。

(画像は公式サイトより引用)

田端:私たちはデンマークと日本以外にもUS、ドイツ、フランス、韓国などさまざまな国にコミュニティマネージャーを置いて、各地の声を大事にしています。

今後はISO配列などにも対応していきますし、たとえば海外の視点で「ここに日本語の刻印を入れたらクールじゃない?」という提案があっても、ちゃんと「日本人からするとそれは違和感があって好まないよ」としっかり反対することもあります。

――ある種のローカライズのような役割も担っているのですね。

田端:そう言えますね。他の地域でもそういった視点は大事にしています。

――ありがとうございました。最後に、Joshさんは東京ゲームショウの感想をお聞かせください。

Josh:東京ゲームショウは今回が初めてで、来場者の多さや皆さんの熱量に感動しています。私たちにとってはコミュニティと繋がることこそが財産で、コミュニティを育ていくことも最も大事にしていることなので、この機会をとてもうれしく思います!

 

「東京ゲームショウ2026」公式サイト「WALLHACK」公式サイト
ハル飯田

大阪生まれ大阪育ちのフリーライター。イベントやeスポーツシーンを取材したり懐ゲー回顧記事をコソコソ作ったり、時には大会にキャスターとして出演したりと、ゲーム周りで幅広く活動中。
ゲームとスポーツ観戦を趣味に、日々ゲームをクリアしては「このゲームの何が自分に刺さったんだろう」と考察してはニヤニヤしている。

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