この記事の3行まとめ
翔泳社は2024年10月30日、ハン・ミン、パク・ソンミ、ユ・ジヒョンが執筆し、黒河 星子が翻訳する『悪役(ヴィラン)の心理 クリエイターのためのキャラクター創作マニュアル』(原著名:『문제적 캐릭터 심리 사전 (Problematic Characters Psychology)』)を発売しました。
本書を執筆するのは、文化心理学者で『線を越える韓国人 線を引く日本人』(飛鳥新社)の著者でもあるハン・ミン、文学と心理学を学び、小説・エッセイも執筆するパク・ソンミ、犯罪心理学を専攻し、犯罪分析官(プロファイラー)であるユ・ジヒョンといった、異なる角度から人間の心理に詳しい3人です。
本書では、全7章・336ページの構成で、悪役の心理を深く掘り下げながらキャラクターメイキングする方法を解説。価格は2,420円(税込)です。
本書では、悪役のキャラクターを性格別に分類し、育ってきた環境や得手・不得手を作品を交えて紹介。例えば、自己中心的で自分への信頼が強い「自己確信型」や、感情的で他人に影響を及ぼそうとする「他者コントロール型」など、さまざまなタイプの悪役を紹介しています。
さらに、心理学の知見も交えて掘り下げ。人が自分を守るために行う「防衛機制」にはどのような種類があるか、性格タイプを16種類に分類する心理テスト「MBTI診断」を用いると、悪役がどのタイプになるかなどを解説しています。実在する病や症候群も例に挙げられ、文化と社会の影響についても説明します。
最後に、こうした心理学的知識をキャラクター構築に応用し、物語のアイデア開発に役立てることにも触れています。
本書で解説するキャラクターには偏執型(パラノイア)としてジョーカー(『バットマン』[1989年])、統合失調型としてトラヴィス(『タクシードライバー』)、自己愛型としてランウェイ編集長のミランダ(『プラダを着た悪魔』)などが登場します。
「問題を抱えるキャラクター」は、絵画における明度と彩度のように、その人間性における影の部分によって物語に深みを与えます。本書では、精神疾患の診断基準として使われる「DSM-5」のパーソナリティ障害分類法を用いながら、病理的なものに限らず、性格として一般的な長所と呼べるものも含めて類型しています。
適応的で完璧なキャラクターがどれも似通りがちになるのと比べ、こうした問題のあるキャラクターは個性が目立ちやすく、そうなった発達過程の設定もしやすいと言います。
自分自身が招いた危機に陥る「問題を抱えるキャラクター」がストーリーラインを形成する、と本書では述べられています。
詳細は、翔泳社の書籍ページをご確認ください。
『悪役(ヴィラン)の心理 クリエイターのためのキャラクター創作マニュアル』翔泳社 書籍ページ