Web版『エアホッケー@GAMEPACK』のスピンオフ『エアホッケー ゆうしゃとマホウの森』がTGS出展。Web版の違いなどを開発者に聞いた【TGS2024】

2024.09.29
注目記事イベントレポート東京ゲームショウ2024
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2024年9月26日(木)から29日(日)の4日間、幕張メッセで開催されている「東京ゲームショウ2024(以下、TGS)」。

今回は、北海道・札幌市と札幌市のゲーム開発会社が協力して開催しているゲーム開発イベント「Sapporo Game Camp」のブースで出会った『エアホッケー ゆうしゃとマホウの森』についてお届けします。

TEXT / HATA

EDIT / 藤縄 優佑

目次

復活を遂げた『エアホッケー@GAMEPACK』のスピンオフ作品

富士通のPCである「FMV」シリーズには、ミニゲーム集『GAMEPACK』が同梱されていた時期がありました。

収録作品の一つ『エアホッケー@GAMEPACK』は改良が加えられ、Webブラウザ版として2024年3月にダットジャパンが無料で公開しました。

そのスピンオフが、2024年12月下旬にSteamでリリース予定の『エアホッケー ゆうしゃとマホウの森』です。

(画像は公式Xより引用)

エアホッケーで森の動物たちと対戦する点はWebブラウザ版と同様ですが、Webブラウザ版に比べて操作性などが改善されています。

TGS試遊時には、オリジナル版でも初戦で登場する「トロゾウ」と対戦できます。トロゾウの強さはWebブラウザ版由来なのか、初戦の相手とは思えない腕前を誇ります。

エアホッケーらしさを感じるリアルなパックの挙動も魅力の一つ

本作の舞台はファンタジーな世界に移り、主人公「ゆうた」やトロゾウのデザインもファンタジー仕様に。一定の得点を先取すれば勝利となるルールも、ライフを削り合うバトル感のあるものに変化しています。

BGMは、獣化が特徴の格闘ゲーム『ブラッディロア』やRPG『幻想水滸伝』シリーズの楽曲を手がけたクリエイターが携わっています。と説明を受けましたが、取材時点では機材トラブルにより残念ながら堪能できませんでした。その後は問題が解消できたとお話いただいたので、TGS期間中にはBGMも含めたプレイを楽しめるでしょう。

魔法を駆使するローグライクモードも搭載

Steam版は、エアホッケーを純粋に楽しむクラシックモードのほかに、魔法も登場するローグライクモードも搭載します。

ローグライクモードでも対戦相手とエアホッケーで勝負するという内容は変わりませんが、勝利することで魔法の入手や自己強化などが可能。

炎の魔法でパックを高速にしたり、大地の魔法でホッケー台に岩を出現させたりとバリエーション豊富な魔法を使って、強敵とのバトルに臨みます。

ローグライクモードではアイテムも入手でき、これを使ってAIを育てられます。育てたAIはほかのプレイヤーと対戦させられるので、ローグライクモードで育成の楽しみも感じられそうです。

パックの挙動を追求したWeb版をベースに開発

『エアホッケー ゆうしゃとマホウの森』を開発しているHiBiGA社は、Webブラウザ版『エアホッケー@GAMEPACK』のプログラミングを担当していました。

Webブラウザ版をたくさんの方に実況配信してもらい、50万再生超えの動画も連発するほどに人気を博した経緯から、このたび本作がリリースされる運びになったとのこと。

オリジナル版『エアホッケー@GAMEPACK』の開発を受託したダットジャパンには、開発に関わった方が見当たらず、ソースも同じく見つかりません。そんな状況からWebブラウザ版の開発をはじめることになったと、HiBiGAのプログラマー「hkt」氏は話します。

画像や音楽はオリジナル版からなんとか取り出し、当時の雰囲気の再現に成功したと言います。

Webブラウザ版(WebGL版)はUnityで作られ、エアホッケーの部分はUnity内の物理エンジンを使用して実装しています。スムーズに開発できるかと思いきや、WebGL版とUnityエディタでは挙動が別物になる問題が発生。

そこで、エアホッケーが大好きなプランナーとともに、約1か月を費やして挙動を調整しました。WebGL版の開発期間は約3か月で、その3分の1をバランス調整に充てていることになります。その甲斐あってか、リアルさも感じる挙動として実装されています。

今回のSteam版『エアホッケー ゆうしゃとマホウの森』でもUnityを引き続き利用し、エアホッケーの内部も改良。TGSでの試遊ではWebGL版よりも滑らかな挙動を感じられました。

『エアホッケー ゆうしゃとマホウの森』は、TGS会場のホール8(08-S05)で試遊可能。今後は「東京ゲームダンジョン」などのイベントへ出展し、ローグライクモードなども試遊可能な状態にしたいこともお話していました。

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HATA

5歳の頃、実家喫茶店のテーブル筐体に触れてゲームライフが始まる。2000年代にノベルゲーム開発を行い、異業種からゲーム業界に。ゲームメディアで記事執筆を行いながらゲーム開発にも従事する。

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