この記事の3行まとめ
オーディオミドルウェアの『Wwise』で知られるAudiokineticは、「小さなチームにこそWwiseを:『PRINCIPLES』での効率的なWwise活用」と題した記事を公開しました。
『PRINCIPLES』は、コロプラがAndroid/iOS向けにリリースした、短編アドベンチャーを楽しめる技術デモ。モバイルゲームとして、消費電力やマシン負荷を抑えつつもフォトリアルな表現の可能性に挑戦しているといいます。
今回公開された記事では、『PRINCIPLES』でサウンドデザインも担当した藤原 達也氏が、WwiseとUnityで使った機能や表現手法について解説しています。
同氏は、『PRINCIPLES』はテキストなどが表示されないことから、「なにか音のするほうに向かってみよう」と思ってもらえるようにデザインしたといいます。
まず、洞窟の奥から聞こえる風の音を頼りに進む体験を表現すべく、WwiseのLargeModeのAkAmbientを、洞窟に沿っていくつか配置していることを説明しています。
また、洞窟を吹き抜ける複雑な風音を表現する方法にも言及。自然音を使うことがコストは高いものの一番簡単な解決方法としながらも、本作ではSoundSeedAirを使うことで解決しています。
プレイヤーが最初に入ることになる坑道では、狭さを表現するためにWwise Reflectの反射音を補助的に追加しています。これで反射音で壁の近さを感じさせられるものの、Wwise Reflectだけでリアルな音響を作ろうとするとモバイルゲームとしては負荷がかかりすぎてしまうため、使用シーンを絞ることで負荷を抑えながら空間の狭さを表現しています。
また、足音を調整する作業の効率化を図るために導入したReaWwiseによる制作フローについても解説されています。そのなかには、ChatGPTでWAAPIやReaScriptを書いてもらう方法も提案。コードは少し手直しが必要ですが、単純な作業の繰り返しを効率的に完了できるとしています。
ほかにも、アニメ・映画から着想を得て実装した爆発のインパクトを強める表現、UnityのVFX Graphエフェクトとの連携や、Wwiseで使用を検討したものの採用しなかった機能についても藤原氏は解説しています。
詳細は、「小さなチームにこそWwiseを:『PRINCIPLES』での効率的なWwise活用」をご確認ください。
小さなチームにこそWwiseを:『PRINCIPLES』での効率的なWwise活用Android版『PRINCIPLES』iOS版『PRINCIPLES』