サイバーエージェントが『Unity パフォーマンスチューニングバイブル』PDFを無料公開。大規模開発の現場で行われているパフォーマンス最適化が学べる1冊

2022.08.26
ニュース公開資料まとめUnity
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サイバーエージェントのゲーム・エンターテイメント事業部が、社内研修用の書籍『Unity パフォーマンスチューニングバイブル』のPDFを公開し、同時にオープンソース化したことを公式ブログにて発表しました。約300ページに及ぶ分量にて、いかにUnityゲームのパフォーマンスを保つかについてをまとめています。

本書が製作された背景

本書は専用の公式ブログの記事にてこう書かれています。「モバイルゲーム開発においては、常にパフォーマンスを意識した開発を行う必要」があり、それをおろそかにしていると「メモリ圧迫によるクラッシュやFPSの低下、ロード時間やダウンロード時間の増大といった深刻な問題」が発生してしまいます。なので「パフォーマンスチューニングに関する知識は重要ですが、その一方で体系的な学習が難しいという問題」があるため、本書の制作し、社内のUnityエンジニアと共有したとのことです。

オープンソース化の意図

そんな本書を無償公開し、ならびにオープンソース化した理由についてはこうまとめています。「本書の内容は十分に汎用的なものであり、あらゆるモバイルゲーム開発で役立つ知識」がまとまっているため、社内で話し合った結果「モバイルゲーム業界全体としてよりオープンでより良いモノ作りができる環境づくりの一助となればという思い」から無償公開に踏み切ったとのことです。

Gifhub上でのオープンソース化の恩恵としては、社外からの開発者からのプルリクエスト(本プロジェクトの場合は、修正希望箇所の提案)を受け付けることができることです。実際に本書の公開後、何例かの修正案が採用されています。

サイバーエージェントはモバイルゲーム開発の大手として有名ながら、自社の技術で汎用性の高いものを業界に広く公開する活動を実施しています。今回の書籍の公開をはじめ、パーティクル製作用のツールである「NOVA Shader」をオープンソースで公開するといった事例もありました。ゲーム産業全体に貢献する姿勢を見せているのがわかる事例でもあるでしょう。

『Unity パフォーマンスチューニングバイブル』ダウンロード

この記事は「IndieGamesJp.dev」の提供により掲載しています。
元記事URL: https://indiegamesjp.dev/?p=6092

葛西 祝

「ジャンル複合ライティング」というスタンスで活動。ビデオゲームを中核に、映画やアニメーションをはじめ、現代美術から格闘技、社会など数多くのジャンルを横断した企画やテキストを執筆している。

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