2026年10月3日(土)、4日(日)の2日間、大阪・うめきたの「コングレスクエア グラングリーン大阪」にて、インディーゲーム展示会「OSAKA INDIE GAMES SUMMIT(OIGS)」が開催されました。
2回目の開催となった今回は出展数が増え、会場もより広いエリアを使うレイアウトに変わるなどパワーアップし、多くの来場者でにぎわいました。本記事では、会場に並んだ作品の中から筆者が実際にプレイしたものを中心に、イベントの模様を紹介します。
2026年10月3日(土)、4日(日)の2日間、大阪・うめきたの「コングレスクエア グラングリーン大阪」にて、インディーゲーム展示会「OSAKA INDIE GAMES SUMMIT(OIGS)」が開催されました。
2回目の開催となった今回は出展数が増え、会場もより広いエリアを使うレイアウトに変わるなどパワーアップし、多くの来場者でにぎわいました。本記事では、会場に並んだ作品の中から筆者が実際にプレイしたものを中心に、イベントの模様を紹介します。
TEXT / ハル飯田
EDIT / 藤縄 優佑
最初に紹介するのはシンプルな操作とルールで夢中になれる、カエルを操るカジュアルアクション『Super Froppings(スーパーフロッピンズ)』です。
本作は「カエルをできるだけ高い階に到達させること」でハイスコアを目指すアーケードスタイルの作品です。
プレイヤーは自動で直進するカエルを「ジャンプ」と「フリップ(方向転換)」の2ボタンで操り、不規則な足場を跳び上がっていきます。
方向転換は空中でも発動できるため、狭い足場では「く」の字を描くようなジャンプでの制御が攻略のポイント。ただしアイテムのチェリーを消費しないと方向転換ができないので、チェリーを多く回収しながら進む必要があり、瞬間的なルート取りの判断が結果を左右します。
ソロプレイで最高スコアを更新していくだけでなく、ローカルでもオンラインでもマルチプレイでの対戦にも対応しています(※)。
※ Steamのオンラインマルチプレイは、まずはPublic Betaとして公開予定
今回の試遊では、開発者の方と並んで2人用の「VSバトル」をプレイ。先に100階まで到達するか相手が脱落すれば勝利となり、マルチプレイならではのおじゃま要素も搭載されていました。
2人での「VSバトル」の分割画面(画像はSteamストアページより引用)
ソロもマルチも短時間で楽しめるためついつい「もう1回!」と繰り返し遊びたくなる病みつき感のある作品に仕上がっている印象で、筆者も何度もプレイしてしまうほど。ビジュアルの親しみやすさもあり、幅広い年齢層の来場者でにぎわっていました。
『Super Froppings』は、「ワンダーランドカザキリ」の誉田 潔氏(@hondakiyoshi)が手がける作品。
前作『CASSETTE BOY / カセットボーイ』の作中に登場したミニゲームを自身でゲームボーイに移植して展示していたところ、元・日本一ソフトウェアの新川 宗平氏の目に留まり「これをマルチプレイに対応したゲームにしませんか」と、声をかけられたことが本作誕生のきっかけになったとのこと。
こうした経緯から、新川氏が設立した「キマイラ機関」(@chimera_special)との共同開発となっており、音楽を依頼できる作曲家の紹介など、さまざまな面でのサポートを受けながらブラッシュアップが行われました。
使用エンジンはUnity。プログラミングでは実験的にClaude Codeも活用し、マルチプレイ、VSバトルともに数日で実装できたのだとか。
アートの面でも本作のカエルは16×16ピクセルのドット絵で、同時プレイ時も色を変えて操作キャラを区別するシンプルな仕組みで工数削減。代わりにライティングやエフェクトは豪華に取り入れており、短期間の開発でもリッチな表現を実現しています。
また、ワンダーランドカザキリの作品としては初となるリアルタイムオンラインマルチプレイには、Epic Gamesが提供する「Epic Online Services(EOS)」を使用。無料でエンジンを問わずに利用できるとあって「すごくインディーゲーム向き」とコメント。実装もスムーズに行えたといいます。
最大で8人同時プレイが可能であり、人数が増えると先にミスした人は待ち時間が長くなってしまう問題を解決するため、ミスをしたあとでもボタンを押すとゴーストとして復活できる仕組みも導入。
ペナルティもなく再びハイスコアレースに参加できるようになっており、カジュアルかつ飽きずに遊べる仕組みづくりは頭を悩ませつつも上手くバランスが取れた部分として紹介いただきました。
多人数同時対戦時の画面(画像はSteamストアページより引用)
ハイスピードなカジュアルアクション『Super Froppings』は、Steamにて10月30日にリリース予定です。
「ワンダーランドカザキリ」公式サイト誉田 潔氏 Xアカウント続いて紹介するのは『ナカノ人格移植研究所』。インディゲーム開発者支援プログラム「iGi(indie Game incubator)」の第6期に選出されたタイトルです。
主人公「間宮 鴎」は脳科学を研究する女性「星平 遥」と出会い、彼女が所属する「ナカノ人格移植研究所」へと招かれます。船の中に作られているという一風変わった研究所には、これまた個性的な研究員たちが在籍しており、船内を探索して彼らと会話していく2Dアドベンチャーが展開されます。
翌日を迎えると、研究員が殴打され気絶している事件が発生し、容疑をかけられた主人公は船内の調査にあたることに。各所をインタラクトして「手がかり」を集め、全員が集まる会議で提示することで状況を変化させていきます。
部外者では調査に限界があるため、ここで研究所が密かに開発していた「人格移植」の技術を活用。これによって所内の人間に乗り移って操作が可能になり、新たな手がかりを得たことで事態は解決……かと思われましたが、翌日にはなんと星平が姿を消してしまいます。
こうして不思議な現象が続く研究所で起こる出来事の真相を解き明かしていくミステリー仕立てです。今回のデモ版では1周のプレイのみでしたが、完成版ではループして別の人物に「人格移植」し、その人物の立場から物語を見ていくことでガラリと体験が変わる仕組みになっています。
ややシリアスな展開もあるものの、キャラクターの表情豊かな立ち絵の数々や随所に盛り込まれているギャグテイストのおかげで明るいムードを感じる作品です。飽きずに読み進められるテンポの良いテキストが印象的でした。
『ナカノ人格移植研究所』は「麺屋すぱいす 東京支店」の作品。5分程度のプレイを繰り返す前作『アイアイ喫茶店』に続いて、周回要素のあるアドベンチャーゲームを開発しています。
今回ブースにてお話をうかがったのは、シナリオを担当する「大きめの冷蔵庫」氏(@larger_fridge)。グラフィック担当と2人で分担してゲーム開発を進めており、基本的にはすべてUnityの機能で完結する作り方になっているとのこと。
前作の好評を受けてループ要素は残しつつ「より長く楽しんでもらえるように」と、1周15分程度にボリュームアップ。
ゲーム性も、選択肢を選んで読み進めるノベル形式から、探索パートを取り入れたアドベンチャーへと進化しています。ボリュームが増えた分、序盤から飽きずに楽しめるよう、笑いどころや引き込まれるポイントを織り交ぜることを意識してシナリオの調整を繰り返しているそう。
イベント出展に合わせてデモ版のストーリーをまるごと更新したこともあるほど、つねにブラッシュアップを続けています。今回のOIGSでも「UIの表示を変えてみたところ見つけづらいアイテムが生まれてしまったので、明日までに変更します」と、2日目に向けてビルドを更新するなど精力的にアップデート。
取材時点ではシステム面が完成しており、周回プレイの作り込みを進めていくステップに入っているとのことで、2027年内のリリースを目指して開発が進められています。
「麺屋すぱいす 東京支店」公式サイト「麺屋すぱいす 東京支店」Xアカウント定番のテーブルゲーム「麻雀」を大胆なアレンジによって爽快かつユニークな体験へと変えていたのは「Circle KEN」の『WORJONG / ワージャン』。「Word」と「Mahjong」を組み合わせたタイトルのとおり、麻雀ライクな作品です。
基礎となるルールは「アルファベット26文字×4枚が書かれた牌で行う麻雀」と説明できるもので、手牌で3文字の英単語を4つ作り上げられれば“あがり”。
一見すると英語力を求められるゲームにも見えますが、膨大な数の3文字英単語が登録されているため意外と簡単にそろい、麻雀ゲームらしいヒント機能もあるので実際はかなり手軽かつハイテンポに進行します。
加えて、あがりが発生しても他のプレイヤーは手牌を維持したまま次の局がスタートするのが麻雀とは大きく異なる点。
あがったプレイヤーは手牌が再び配られる3巡を待てば復帰可能で、ひたすらノンストップで進行していくため、気付けば「北4局」が終了しているほどのスピード感です。
もちろん、あがり役によって点数も変動するため、運に身をまかせるだけでなく戦略も必要。単語に組み込みやすい母音は優先して集めるとあがりやすく、逆に使いづらい子音は「赤ドラ」として扱われるなどルールも細かく工夫されていました。
「文法が成立していれば〇翻」「前半の13文字だけで役を作れば……」などなど、従来の麻雀らしいものからオリジナリティあるものまで多彩な役の数々も印象的。
狙った役をそろえるには慣れが必要になりそうですが、一荘戦を遊んだだけでも20面待ちを超えるテンパイやトリプルロンなどユニークな状況が多発し、少しでも麻雀を知っていれば楽しめるパーティーゲームになっていました。
『WORJONG』を手がけるのは個人開発者のKEN氏(@CircleKENdotNet)による「Circle KEN」。同氏はイラストや漫画をメインに活動しており、本作のイラストも自身で担当しています。
ゲームエンジンはUnityで、イラストには「CLIP STUDIO PAINT」を、サウンドは「Cubase」を使用。サウンド制作は経験がなかったところから知人の助けを借りて実装したとのことで、ゲーム内のキャラクターボイスも実は知人の声なのだとか。
KEN氏が親戚との集まりでドンジャラで遊んだ際、あがれずに局が終わって寂しそうに牌を戻す甥っ子の姿を見て「時間をかければ絶対にあがれるゲームがあったら」と考えたことが、「局が終わっても牌を戻さない」ダイナミックなルールの原点になったそうです。ベースのルールはひらがなを使うボードゲーム「ひらがじゃん」にも多大な影響を受けています。
そうした背景もあり「役はあればあるだけ楽しい」と、中国麻雀なども参考にさまざまな役を考案しており、取材時点では40以上の役を実装済み。
「実際の麻雀と同じくらいの頻度で役満も出ますし、繰り返しテストプレイをしていると、やっぱり麻雀が上手い人ほど強いんです」とのことで、お祭り感を維持しつつ適度なバランスになっているようです。
開発初期のイベント出展では「チー」や「ポン」で鳴きすぎると絶対にあがれない“詰み”になってしまうケースが面白さを削ってしまっていると感じたため、思い切って「鳴いた牌も切れる」ルールに変更されており、自由度が一層高まるきっかけにもなったそう。「ゲームよりも作るのが大変だった」という充実した内容のオンラインマニュアルもすでに公開されています。
10月30日のリリースに向けて開発も最終段階にあり、ひとりでも気軽に遊べるようソロプレイ用のアーケードモードのような内容を増やしたいと展望も語っていただきました。
KEN氏 WebサイトKEN氏 Xアカウント遥か未来の電脳世界を舞台に、主人公のコギトがジャンプとダッシュ、そして鋭く突進する「スラッシュ」を駆使して敵を倒しながら駆け抜ける。幻想的なビジュアルも目を惹くアクションゲームが『終律のコギト』です。
本作はジャンル名に「ミュージックリンク2Dアクション」と掲げるとおり、自分の操作と音楽がシンクロする感覚が最大の特徴。スラッシュを繰り出すと心地よい効果音が鳴り、流れるBGMと合わさると、どこか伴奏に合わせて楽器を弾いているような感覚も味わえる不思議なテイストの作品です。
チュートリアルとなるステージで敵を倒しながら操作を覚えると、続いてボス戦がスタート。敵を攻撃して打ち倒すのではなく、リズミカルに繰り出されるボスの攻撃予告を見ながらかわして一定時間を耐え抜くことが求められます。
試遊したデモ版はチュートリアルステージとボス戦のみで構成されており、まだまだ簡素な面はあるものの、キャラクターを動かす心地よさは十分に感じられました。作品の世界観やストーリーの組み合わせ、そしてステージごとの変化などがどのように表現されていくのか、これからの進歩が気になる作品でした。
本作を開発しているのはチーム「SPECTACLE」。プログラムと効果音制作、そしてディレクションを務めるStork氏にブースにて代表してお話をうかがいました。
『終律のコギト』の開発環境はUnityで、モーションには「Spine」、サウンドは「FMOD」が使用されています。デモ版で登場したボスは弾幕攻撃を繰り出してきましたが、「AviUtl」による制御を取り入れることを検討している段階であることも教えていただきました。
Stork氏は、ゲームクリエイター「ニシキガツオ」氏の作品で効果音とBGMが溶け合う体験に感銘を受け、その精神を受け継ぐ作品として本作の企画を始めたそう。開発ではステージを飛び回る爽快感と没入感を高めることに注力しています。
BGMのキーを元に効果音の構成要素を選ぶことで心地よいサウンドを実現していますが、アクションとの組み合わせについては、まだまだ突き詰めている段階とのこと。
BGMに合わせてつい不要なアクションを繰り出したくなる作品が理想で、操作時の「多幸感」がキーワードになっているようでした。
当初はスラッシュの発動後にわずかに硬直があったものの、思い切って硬直をなくすことで連続でスラッシュをリズミカルに繰り出す快感が楽しめるようにするなど、1年をかけてコアとなるシステムを開発。最終的に5ステージ構成を目指し、ボリュームアップに着手する段階へと入っているそうです。
『終律のコギト』Xアカウント1年ぶりの開催となったOIGSの会場「コングレスクエア グラングリーン大阪」(2025年開業)は、広いコンコースと天井の高いホールが特徴で、数あるインディーゲームイベントの中でも独特の開放感が感じられる点が印象的でした。
出展数、来場者数ともに前年を大きく上回り、来場者は2日間で延べ7,246人(前年比1.6倍)に。早くも2027年の開催が告知されるなど、秋の大阪におけるインディーゲームイベントとして定着しつつあるようでした。
大阪生まれ大阪育ちのフリーライター。イベントやeスポーツシーンを取材したり懐ゲー回顧記事をコソコソ作ったり、時には大会にキャスターとして出演したりと、ゲーム周りで幅広く活動中。
ゲームとスポーツ観戦を趣味に、日々ゲームをクリアしては「このゲームの何が自分に刺さったんだろう」と考察してはニヤニヤしている。
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