この記事の3行まとめ
- Unity Technologies、『MOUSE:やとわれの探偵』における開発や最適化の手法を紹介するブログ記事を公式サイトにて公開
- グレースケールのアートスタイルでも視線を誘導できるよう、一定の見た目を保つ2Dアートと、背景として馴染む3Dで作り分けられている
- 54,000点を超える2Dスプライトによるメモリ不足を解消するため、、大きなスプライトを分割してランタイムで描画する独自技術を用いて最適化を行っている
Unity Technologiesは2026年4月16日(現地時間)、「『MOUSE: やとわれの探偵 (MOUSE: P.I. For Hire)』の開発元 Fumi Games が明かす、Unity で 2D アニメーションと 3D の世界を融合させる手法」と題したブログ記事を公式サイトにて公開しました。
本記事では、Unityを利用して制作された本作の開発事例について、技術的な課題と解決手法が紹介されています。
(画像は記事本文より引用)
『MOUSE:やとわれの探偵』(原題『MOUSE: P.I. For Hire』)は、1930年代のラバーホースアニメーションに影響を受けたFPS作品です。
本作はカートゥーン風の2Dアートと3Dマップが融合した独自のアートスタイルを実現しており、キャラクターやインタラクティブなオブジェクト、武器などを2Dスプライトで表現しています。
グラフィックスの基盤には独自に拡張したUniversal Render Pipeline(URP)が利用されています。
また、白黒の画面でもプレイヤーの視線を適切に誘導するため、インタラクト可能なオブジェクトの2Dスプライトはライティングを使用せず、環境に依存せず常に一定の見た目を保つよう設計されています。一方で、背景の3D要素は輪郭線のないグレースケールで表現され、あえて目立たないように描画されています。
(画像は記事本文より引用)
本作のスプライトの制作・管理には、専用のパイプラインが構築されました。
キャラクターのスプライトは3D空間で機能させるため、最大8方向から描かれており、近接攻撃を行う敵1種類だけでも約400フレームが必要です。武器のデザイン変更はさらに工数がかかり、ショットガンだけでも880フレームのアニメーションが含まれています。
これらの素材は、Unity Asset Storeの2Dアニメーションツールである「PowerSprite Animator」を使用してUnity Editor上で管理されています。
(画像は記事本文より引用)
また、FPSタイトルの開発で頻出する武器が壁にめり込む(クリッピング)問題に対しては、プレイヤーの武器を3D空間のオブジェクトではなく、2DのUI要素としてレンダリングするアプローチで解決を図りました。
この手法に伴い、マズルフラッシュなどの3Dエフェクトを発生させる際は、2Dビューポート空間の発生位置を計算し、それをカメラ直前の3D空間に変換して配置する処理を実装しています。
(画像は記事本文より引用)
結果として、本作で制作されたスプライトは54,000点以上におよび、コンソール機でのメモリの割り当てがボトルネックとなりました。
この問題の解決方法として、スプライトをセル単位に分割・分析し、専用のシェーダーを用いてランタイムで再構築することで、描画速度を維持したままメモリ使用量を50〜90%削減しています。
本作に登場するキャラクター(画像左)と、分割された会話アニメーションのテクスチャ。(画像は記事本文より引用)
記事本文ではその他にも、HLODの導入で80〜100%のパフォーマンス向上を実現した例など、本作の開発で実施した最適化の手法などが紹介されています。
詳細は、ブログ記事本文をご確認ください。
『MOUSE: やとわれの探偵 (MOUSE: P.I. For Hire)』の開発元 Fumi Games が明かす、Unity で 2D アニメーションと 3D の世界を融合させる手法『MOUSE:やとわれの探偵』Steamストアページ