雲が流れる速度や色彩変化を低コストで調整。UnityのSRPとVolumeを活用した事例をQualiArtsが紹介

雲が流れる速度や色彩変化を低コストで調整。UnityのSRPとVolumeを活用した事例をQualiArtsが紹介

2024.06.21
ニュースゲームづくりの知識見た目を良くするUnity
この記事をシェア!
Twitter Facebook LINE B!
Twitter Facebook LINE B!

この記事の3行まとめ

  • QualiArts、「Unity SRPとVolumeを用いた雲の表現」と題した記事を公開
  • 雲の色彩や移動速度の変化を手軽に調整できる方法を紹介
  • Volumeで雲のパラメーターを調整し、Scriptable Render Pipelineで雲を描画する

QualiArtsは2024年5月31日(金)、「Unity SRPとVolumeを用いた雲の表現と題した記事を同社の技術ブログ「QualiArts engineer blogにて公開しました。

同記事は「Scriptable Render Pipeline」(SRP)を使ってマテリアルやテクスチャの作成コストを軽減しつつ、雲の色の変化や部分的な速度変化を表現する手法となっています。

SRPで作成した雲の描画処理を実装した様子(画像はQualiArts engineer blogより引用)

Unityで雲を表現する方法には、雲のモデルを使用する方法や、Skyboxのマテリアルとして設定するテクスチャに雲を描く方法などさまざまなものがあります。方法によっては負荷や変更コストがかかってしまうため、雲で表現したい要件を定め、それに合った方法を用いることが大切です。

今回の方法では、雲のモデルデータはメッシュを筒状にしたものを使っています。雲の速度は、大量のデータ保存に使用できるデータコンテナであるScriptableObjectに雲のメッシュデータとともに設定。

また、背景色に合わせて雲の色を変えたり、天候状況の変化によって雲の移動速度を変えたりするには全体の速度変更色の乗算の設定をできるようにしておく必要があります。これはVolumeComponentで調整できるようにしています。

(画像はQualiArts engineer blogより引用)

これらの要素をSRP上でScriptableRenderPassを継承したクラスを作成し、ScriptableRendererFeatureを継承したクラスでそのパスを追加する処理を記述することで雲それぞれの独自の描画パスを追加しています。

この手法は、デザイナーが雲の描画設定に取り組みやすくなるという点でも有用であるとのこと。

詳細はQualiArts engineer blogをご確認ください。

「Unity SRPとVolumeを用いた雲の表現」QualiArts engineer blog

関連記事

「Unity 6.4」で予定された破壊的変更を一挙紹介。Render Graph互換モード削除、SRP CoreのPhysics依存解消など
2025.09.17
「Unity 6.3 Beta」リリース。UI Toolkitでカスタムシェーダーが使用可能。2Dシーンで3Dメッシュを描画できる機能なども実装
2025.09.17
ScriptableObjectを解説したUnity公式の無料電子書籍、Unity 6版にアップデート。無料サンプルや公式ブログと併せて学べる
2025.09.09
Unity 6で更新されたHDRPの機能を解説。無料電子書籍がUnity公式サイトで公開中。日本語版は後日リリース予定
2025.09.08
Unityで3D都市モデルを使えるオープンソースSDK「PLATEAU SDK for Unity v4.0.0-alpha」リリース。広域のモデルを低負荷で描画可能に
2025.09.04
Unity 6におけるビジュアルエフェクト(VFX)の制作手法を解説した日本語版電子書籍、Unity公式が無料公開
2025.08.25

注目記事ランキング

2025.09.11 - 2025.09.18
VIEW MORE

連載・特集ピックアップ

イベントカレンダー

VIEW MORE

今日の用語

パッケージ化
パッケージカ ゲーム開発において、ゲームの実行に必要なデータのみを、実行ファイルとそれに付随するデータの形式に変換すること。プラットフォームに合わせたファイルフォーマットに変換するほか、この段階でアセットファイルを再利用や改ざんすることができないように暗号化することが多い。
VIEW MORE

Xで最新情報をチェック!