「Substance 3D Modeler」が1.11にアップデート。シーン内オブジェクトの管理に役立つScene Outlinerや、指定オブジェクトだけエクスポートできる機能が正式に追加

2024.06.12
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この記事の3行まとめ

  • 「Substance 3D Modeler」のバージョン1.11、パブリックベータのバージョン1.11.50がリリース
  • V1.11はScene Outliner、指定オブジェクトだけエクスポートできる機能が正式導入
  • ベータ版では、V1.11追加機能のさらなる強化などが行われている

Adobeは2024年6月11日(現地時間)、3Dモデリングツール「Substance 3D Modeler」のバージョン「V1.11」をリリースしました。

また、ベータ版である「Public Beta V1.11.50」のリリースも同時に行われています。

「Substance 3D Modeler」は、スカルプトによって3Dモデルを作成できるモデリングツールです。

デスクトップ以外にも、VRヘッドセットを使用してのモデル制作や、その2つの環境をシームレスに切り替えながらの作業が可能です。制作したデータは、FBX/GLTF/OBJ/USD形式での出力が可能です。

(画像はAdobe公式サイトより引用)

Substance 3D Modeler V1.11

V1.11では、ベータ版で導入されていたScene Outliner機能が今回正式に追加されました。

Scene Outlinerは、シーン内のオブジェクトやマテリアルをアウトライン表示する機能。各要素は階層的にも表示されるので、3Dモデルの構造の確認、階層管理、探している要素の発見などに役立ちます。

また、Substance 3D Modelerのドキュメントも更新され、本機能について記載されています。

(画像は公式ドキュメントより引用)

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エクスポートモードもベータ版から引き継がれ、正式導入されました。

3Dモデルの特定のオブジェクトのみのエクスポートや、オブジェクトのグループ化、リンクの解除、シーンの階層変更などに対応しています。

(画像はAdobe Substance 3D 公式Xより引用)

V1.11ではほかにも、インポート時のメッシュ細分化対応、VRモードでの実験的なクイックアクションメニューの追加など、複数の更新が行われています。

Substance 3D Modeler Public Beta V1.11.50

Public Beta V1.11.50では、V1.10.50に引き続き、「NON-DESTRUCTIVE PRIMITIVES」のテストが行われています。

これは非破壊的なプリミティブオブジェクトの編集を可能とする機能で、基本形状同士で差分や合成などのブーリアンが使用でき、複雑なジオメトリ作成がしやすくなっています。

(動画はベータ版リリースノートより引用)

また、VRのパレットやアクションメニューなど、UIにおける複数のパネルが変更されました。

モデルの解像度を変更できる「RESOLUTION」の項目では、右クリックメニューから3種類の高解像度アルゴリズムにアクセスできるようになり、必要に応じた高解像度化が可能となります。

各項目の説明は以下の通り。

  • Legacy:追加の処理をせず、シンプルな高解像度化
  • Smooth:解像度を上げた際に発生するアーティファクトの平滑化を試みる
  • Shape Detection:鋭いエッジや形状の維持を試みる

(画像はベータ版リリースノートより引用)

さらに、Outlinerへのドラッグ&ドロップ機能追加によりOutlinerから階層の並べ替えが可能となったほか、エクスポートモードではエクスポートトポロジーとUVのLODのカスタマイズに対応するなど、V1.11で正式導入された機能への強化も実装しています。

パブリックベータへの参加は無料です。なお、Adobeアカウントの登録が必要です(詳しい参加方法はこちら)。

詳細は、V1.11のリリースノートならびに、ベータ版のリリースノートをご確認ください。

「Substance 3D Modeler V1.11」リリースノート「Substance 3D Modeler Public Beta 1.11.50」リリースノート

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