AIによる高解像技術「XeSS 1.3」、Intelがリリース。AIモデルの改善などによりパフォーマンスが向上し、ゴーストやモアレも軽減

2024.04.10
ニュースAI
この記事をシェア!
twitter facebook line B!
twitter facebook line B!

この記事の3行まとめ

  • Intel、高解像技術「Intel XeSS」の最新バージョン「XeSS 1.3」をリリース
  • AIモデルのデータセットが改善され、さらなる高画質化が図られている
  • GitHubでは「XeSS 1.3」のSDKが公開されている

Intelは2024年4月4日(現地時間)、高解像技術「Intel Xe Super Sampling(Intel XeSS)」の最新バージョン「XeSS 1.3」を、「Intel Gaming Access」にて発表しました。

(画像はIntel Gaming Accessより引用)

「Intel XeSS」は、AIモデルを活用したアップスケーリング技術です。

最新バージョンである「XeSS 1.3」では、AIモデルのトレーニングに使用するデータセットが改善され、アンチエイリアシングの品質向上や、ゴースト、ちらつき、モアレの軽減など、さらなる高画質化を実現したとのこと。

『龍が如く 維新! 極』を使用したデモ映像の一部。旧バージョンの「XeSS」(左)で生じているモアレやちらつきが、最新の「XeSS 1.3」(右)では軽減されている(画像はIntel Gaming Access内の動画から切り出して引用)

今回の発表では、『サイバーパンク2077』や『ホグワーツ・レガシー』など7タイトルを使って、旧バージョンの「XeSS」とプレビュー版「XeSS 1.3」におけるフレームレートを計測・比較しています。

計測結果によれば、グラフィックカード「Intel Arc A750」を搭載したデスクトップPCで「XeSS 1.3」を使用した場合、「XeSS」使用時よりフレームレートが平均10%向上しているとのこと。

「Intel Arc A750」搭載のデスクトップPCを使ったときのフレームレートを計測したグラフ。「高画質化なし」「XeSS使用時」「XeSS 1.3使用時」の3パターンで7作品のフレームレートを比較している(画像はIntel Gaming Accessより引用)

また、「Intel Core Ultra 7 155H」を搭載したラップトップPCでもフレームレートを計測。「XeSS 1.3」を使用した際のフレームレートは、「XeSS」使用時より平均8%向上したと発表しています。

「Intel Core Ultra 7 155H」搭載のラップトップPCでゲームをプレイし、フレームレートを計測したグラフ(画像はIntel Gaming Accessより引用)

「XeSS 1.3」では、解像度のスケーリングのプリセットもアップデート。ネイティブ解像度のままアンチエイリアシングを実行する「Native Anti-Aliasing」や、「Ultra Quality Plus」(1.3倍)、「Ultra Performance」(3倍)のプリセットが追加されました。

以前のバージョンでプリセットとして用意されているスケーリングは1.3~2倍の4種でしたが、「XeSS 1.3」では等倍~3倍まで、計7種のプリセットが利用できます。

『サイバーパンク2077』における、「XeSS使用時」「XeSS 1.3使用時」のプリセット別フレームレート(画像はIntel Gaming Accessより引用)

なお、「XeSS 1.3」のSDKはGitHubで公開されています。

「XeSS 1.3」の詳細は、Intel Gaming Accessをご確認ください。

Intel XeSS 1.3 accelerates into the next generation of AI upscaling

関連記事

Unity上でセリフの音声合成ができる「A.I.VOICE for GAMES」でリップシンクが可能に。キャラの口がセリフに合わせて自然に動く
2024.04.26
AIはイテレーションを回すために活用すべし!中割りの生成やリアルなエフェクトのアニメ調変換など、エフェクト制作へのAI活用を模索したR&Dの苦労と展望をインタビュー【CAGC2024】
2024.04.16
Adobe Substance 3Dアプリ、「Firefly」の生成AI機能が導入。テキストからテクスチャ・背景を生成できる
2024.03.20
ユーザーの声を自動監視・AI分析するツール「Oreo」、無料プランを新設。Xだけでなく、Steamの投稿も監視対象に追加可能
2024.03.14
Unity Museのテクスチャ生成機能のAIモデルがアップデート。石畳や木材がより精細に、奥行きも表現
2024.03.09
実写映像を3Dアニメーション化するAIツール「Wonder Studio」にUEエクスポート機能追加。カメラやキャラクターアニメーションなどの要素に分解も可能
2024.02.16

注目記事ランキング

2024.04.23 - 2024.04.30
1
【2022年5月版】今から始めるフォートナイトの「クリエイティブ」モードープレイ開始から基本的な操作方法まで解説
2
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧
3
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.5「島の設定」
4
『フォートナイト』で動く本格的なゲームが作れるツール「UEFN」とは?従来のクリエイティブモードから進化したポイントを一挙紹介!
5
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.1「アイテム系」
6
【CHALLENGE1】「クリエイター ポータル」を使って、UEFNで作成した島を世界中に公開する
7
フォートナイトとUEFNがv29.30にアップデート。すでに公開した島をプレイできないようにする機能が導入される
8
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.7「NPC系」Part1
9
まるで『マイクラ』?ボクセル地形を生み出す無料アセット「VoxelPlugin Free」で”地形を掘ったり積み重ねたり”して遊んでみよう
10
UEFNで使えるプログラミング言語「Verse」のノウハウが集結。『UEFN.Tokyo 勉強会 03 Verse Night』レポート
11
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.4「ゲームシステム系」
12
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.2「ユーティリティ系」
13
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.6「チーム・対戦系」Part1
14
【STEP2】UEFNの基本的な使い方を覚えよう
15
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.8「ゾーン系」
16
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.10「UI系」Part1
17
フルカラー書籍「UEFN(Unreal Editor For Fortnite)でゲームづくりを始めよう!」、ついに本日発売!全国書店で好評発売中!
18
【STEP4-1】コース外に出たらデスする仕組みを作る
19
【CHALLENGE2-1】フレンドと一緒にゲームを作ろう――UEFNプロジェクトをチームメンバーとリアルタイムで共同編集する
20
【CHALLENGE3】UEFNの機能「ランドスケープ」を使ってオリジナルの地形を作る
21
『フォートナイト』で建築ビジュアライゼーション!?UEFNでオリジナルの世界観をどう作り上げたか、その手法を解説【UNREAL FEST 2023 TOKYO】
22
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.7「NPC系」Part2
23
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.9「建築物系」Part1
24
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.10「UI系」Part2
25
「UEFN」って実際どうなの? 編集部が3時間で「みんなで遊べるアクションゲーム(?)」を作ってみた
26
【STEP4-2】リスポーンとチェックポイントの仕組みを作る
27
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.3「プレイヤー系」
28
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.6「チーム・対戦系」Part2
29
フォートナイト クリエイティブとUEFNで使える仕掛け一覧 Vol.9「建築物系」Part2
30
フォートナイトとUEFNがv29.20にアップデート。見下ろし視点でもプレイヤーキャラクターの向きを操作できるようになった
VIEW MORE

イベントカレンダー

VIEW MORE

今日の用語

ビヘイビアツリー(Behavior Tree)
ビヘイビアツリー AIの思考、行動をツリー状の構造図で定義したもの。およびそのシステム。挙動の優先順位や条件を定義していくことにより、複雑なAI挙動をシンプルに実現できる。
VIEW MORE

Twitterで最新情報を
チェック!