『Unity 2023.2 Tech Stream』がリリース。モバイル端末でのGIがより低負荷で実行可能になるほか、Meta Quest 3をサポート

『Unity 2023.2 Tech Stream』がリリース。モバイル端末でのGIがより低負荷で実行可能になるほか、Meta Quest 3をサポート

2023.11.20
ニュースUnity
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この記事の3行まとめ

  • 『Unity 2023.2 Tech Stream』がリリース
  • GPU Lightmapperが正式リリースされ、ライトマップのベイク処理が高速化
  • Meta Quest 3をサポート。「AR Foundation」によってパススルー機能も使える

Unity Technologiesが、『Unity 2023.2 Tech Stream』をリリースしました。

画像は公式ブログより引用

Unity 2023.2 Tech Streamでは、HDレンダーパイプライン(以下、HDRP)やユニバーサルレンダーパイプライン(以下、URP)の機能改善、Meta Quest 3のサポートなどが行われています。

Adaptive Probe Volumesがアップデート

オブジェクトの密度に合わせてライトプローブの密度を変化させる「Adaptive Probe Volumes(以下、APV)」がアップデートし、特にURPにおけるランタイムパフォーマンスが向上しました。

従来のAPVでは、GI(※)による間接光の計算はピクセル単位で行われていたのに対し、新たなAPVではオブジェクトの頂点ごとに計算できるようになりました。
※ グローバルイルミネーションの略。光源から発せられる直接光に加え、オブジェクト同士で起こる光の反射や吸収、回り込みも物理的に計算してシェーディングを行う

ピクセル単位よりも処理が簡略化されることで、モバイルデバイスなどでより高速にGIを実行できます。

ピクセル単位と頂点単位のライティングの比較(画像は公式ブログより引用)

GPU Lightmapperのプレビューが終了、正式リリースへ

プレビュー機能として搭載されていた「GPU Lightmapper」が、正式にリリースされました。

従来のCPU Lightmapperに比べ、ライトマップやプローブのベイク処理を高速で実行可能。特に大規模なシーンや高解像度のライトマップテクスチャにおいては処理時間を半分以下に短縮できるとしています。

また、従来の「Auto Generate」によるシーンのプレビュー機能は削除され、新たな「Interactive Preview」に置き換わりました。Interactive Preview既存のベイクデータを上書きしないため、変更の繰り返しやトラブルシューティングが行いやすくなります。

従来のAuto Generateプレビュー(上)と新たなInteractive Preview(下)(画像は公式ブログより引用)

Meta Quest 3を新たにサポート

Unity 2022 LTS2023.12023.2が、Meta Quest 3をサポートしました。以前のQuestデバイスと同様のワークフローで、Meta Quest 3向けのVRゲームを制作できます。

また、Unity公式のARアプリケーション開発フレームワーク「AR Foundationを介して、Meta Quest 3のパススルー機能を使用することも可能です。

(画像は公式ブログより引用)

ほかにも、HDRPでのみ使用できたVFX Graphの一部機能のURPへの対応や、マルチプレイヤー機能の改善、UI制作ツール「UI Toolkit」の機能強化などのアップデートが施されています。

URPでも使用できるようになった6-way lighting。URPのモーションブラー機能と組み合わせ、煙をぼかす表現などが可能になった(画像は公式ブログより引用)

アップデートの詳細は、Unity公式ブログおよびリリースノートをご確認ください。

Unity 2023.2 Tech Stream is now available | Unity 公式ブログUnity 2023.2.0 Tech Stream リリースノート | Unity 公式ドキュメント

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