ゲームのテストプレイをAIで自動化するツール『Playable!』リリース。自然言語で指示するだけでテストプレイしてくれる機能も年内に実装予定

2023.07.05
ニュースAI
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この記事の3行まとめ

  • ゲーム開発のQA工程をAIで自動化するサービス『Playable!』がリリース&無料トライアル開始
  • コリジョン抜けチェックや自動通しプレイ、アイテム取得チェックなどが可能
  • 年内には、自然言語による指示からビヘイビアツリーを自動生成する機能が実装予定

2023年6月30日、ゲームのテスト自動化などの品質管理事業を展開するAIQVE ONE(アイキューブワン)は、『Playable!』リリースしました。90日間利用できる無料トライアルも、あわせて実施しています。

『Playable!』は、AIによってゲーム開発のQA工程を自動化するサービス。専用のプラグインを導入することで、UnityやUnreal Engineなどの各種ゲームエンジンでも利用できます。

『Playable!』には、以前よりAIQVE ONEが開発を進めている以下の機能が統合されています。

Collision Check(コリジョンチェック)

「Playable! Collision Checker」は、プレイヤーが地形の隙間を抜けてしまう、奈落に落ちてしまうなどの、コリジョン配置の問題を自動で検出する機能です。

事前にマップを解析し、コリジョン抜けの可能性があるポイントを発見。ランタイムで実際にポイントに衝突して、実際にコリジョン抜けが発生するかどうかを確認します。

テスト後、コリジョンとの衝突点が可視化される(画像は公式ドキュメントより引用)

Playthrough(通しプレイ)

「Playable! Playthrough Tester」は、人間によるプレイ記録をお手本とし、自動でゲームの通しプレイを行う機能です。

人間のお手本プレイ中、操作内容とフラグなどのゲーム内データを記録。テスト時はお手本プレイに沿うような操作を毎フレーム決定し、実行します。

お手本プレイをつなぎ合わせ、ゲーム開始からエンディングまでを通しプレイすることも可能です。

Item Collector(アイテム回収)

「Playable! Collision Checker」は、指定した領域内に配置されているすべてのアイテムが、本当に回収可能な位置にあるかを検証する機能です。

各アイテムに対し、アイテム座標から計算した移動経路に沿ってプレイヤーキャラクターを自動操作し、ゲームプレイにおける通常の移動方法でたどり着けるか検証します。

アイテムの回収率が円グラフで表示される

テストの実行フロー(画像は公式ドキュメントより引用)

汎用エージェント

また、自然言語による指示をLLM(大規模言語モデル)が解釈し、ビヘイビアツリーを自動生成する機能が年内に提供される予定です。

これにより、複雑なタスクやテストケースの頻繁な変更に対して、少ない指示コストで対処できるようになります。

また、自動テストのインスタンスは複数起動できるため、1名の作業者が並行して100個のインスタンスに別々の指示を出すことも可能であるとしています。

AIには、チャットのようなUIを用いて指示する

『Playable!』のリリースにあわせ、無料トライアルの提供が開始しています。公式サイト右上の「はじめる」ボタンからユーザー登録を行えば、無料トライアルが利用可能です。

『Playable!』の詳細は、公式サイトをご覧ください。

『Playable!』公式サイトプレスリリース

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