コロプラ、プレイヤーが分散しやすいマッチング環境を改善する方法を解説した記事を公開

2022.12.26
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この記事の3行まとめ

  • コロプラのエンジニアブログ「COLOPL Tech Blog」で、マッチング改善に関する記事が公開
  • プレイヤーが分散しやすい環境でゲストのホスト化、ロビープール機能などを用いることによりマッチングの機会や質を高める
  • プール数自動算出のモデル化や、導入後のプール数変化なども紹介されている

2022年12月20日、コロプラはエンジニアブログ「COLOPL Tech Blog」において『プレイヤーが分散しやすいマッチング環境におけるマッチング改善の試み』と題した記事を公開しました。

同記事はコロプラのサーバーサイドエンジニア 佐藤氏が対戦・協力ゲームなどで用いられるマッチングの機会や質を高める工夫について、実際のタイトルで行われた例をもとに解説しています。

佐藤氏はまず、プレイヤーが複数コンテンツに分散してしまう構造のタイトルにおいては、適切なマッチングは悩みの種になると説明。これは、より適切なマッチングを行おうとする場合、コンテンツの種類を絞ってプレイヤーが集まりやすくすることが一般的であるためです。

今回取り上げているタイトルはコンテンツが多く、またホストとゲストが存在するロビー制システムランダムマッチングを主体としています。完全にマッチングしないプレイヤーの発生を防ぐため、基準と遠いプレイヤーともマッチングする可能性のある重み付きランダムを用いたマッチングを採用しています。

重み付きランダムでは、ゲストのロビーへのマッチングのふさわしさから重みを付けた乱数で割り当てを決定する(画像はブログ記事より引用)

このタイトルにおいて佐藤氏が行った改善としてゲストのホスト化ロビープール機能プール数設定自動化が挙げられています。

ゲストのホスト化ではロビー作成などの手間から多くのプレイヤーがゲストになろうとし、ホストとゲストの不均衡からロビーが存在しなくなり、プレイヤーが複数人いても遊べなくなってしまう問題を改善しています。

ロビーが無い状態ではあらかじめ設定されたロビーが作成され、自動的にホストとして入室する(画像はブログ記事より引用)

また、この機能を発展させロビーが存在しない時ではなくロビーが閾値未満の時にゲストがホスト化されるロビープール機能を採用。これによりロビーのマッチングエラーの問題や適切なマッチングが行われなくなる問題を改善しています。

加えて、適切なプール数の設定を妥当性のある形で自動算出するプール数設定自動化の仕組みを導入。自動算出モデルの考え方やほかの機能も含めたモデルの厳密化について掘り下げて解説されています。

ゲストを振り分けるセレクタという概念を持ち込み、簡易化したマッチングモデルを作成する(画像はブログ記事より引用)

簡易モデルからホストがロビーを新たに立てるケースや重み付きランダムなどの機能を含めた、より厳密化されたモデルを構築(画像はブログ記事より引用)

同記事では、このほかにも実際の導入における工夫や、コンテンツリリースからのプール数変化などが示されています。

(画像はブログ記事より引用)

詳細は、『プレイヤーが分散しやすいマッチング環境におけるマッチング改善の試み』をご確認ください。

『プレイヤーが分散しやすいマッチング環境におけるマッチング改善の試み』

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