【総額6万円超えが無料!】7月限定のUE無料アセットを使い倒す特集Vol.05:『Turn-Based RPG Template』に敵のウェーブやオリジナル要素を追加しよう

2022.07.30
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毎月UEマーケットプレイスではEpic Gamesが選出した5つのアセットが無料配布されていますが、 今月はゲーム開発者向けメディア『GameFromScratch』コミュニティの特別協力による、極めて実践的な高品質アセットが無償で提供される形となりました。

「絶対にこのタイミングで手に入れて欲しい!」というアセットを全て紹介する本特集。今回はTurn-Based RPG Template』での反応の作り方やオリジナルのシーンについて解説します。

TEXT / wvigler
EDIT / 神山 大輝

目次

この記事はUnreal Engine バージョン5.0.3を利用して書かれています。

『Turn-Based RPG Template』の概要

Turn-Based RPG Template』は、ターン制のシミュレーションRPGゲーム制作用のテンプレートアセットです。ドラッグ&ドロップによるキャラクターの移動、味方のスキルや敵のウェーブ、登場演出などを作る機能が備わっています。

モバイルでの操作もサポートされており、視点操作やドラッグ&ドロップでの移動など、マウスやタッチで基本的な操作が完結する仕様になっています。

まずはサンプルプロジェクトを開いてみよう

Turn-Based RPG Templateはプロジェクトに追加して用いるアセットです。また、ある程度ゲームとして整った形のサンプルプロジェクトも公開されてます。今回は、サンプルプロジェクトの導入から始めていきます。

まずはサンプルプロジェクトをダウンロードし、展開したフォルダの中にある「TurnBasedRPGSample.uproject」をダブルクリックしてプロジェクトを起動します。

サンプルプロジェクト ダウンロードリンク

TurnBasedRPGSampleをダブルクリックして展開

一度ダブルクリックで起動したのは、Epic Gamesランチャーのライブラリにプロジェクトを登録するためです。以下のような警告が出ますので、一度そのまま終了させましょう。

かなりの数の警告が出るが、落ち着いて一旦終了しよう

これでEpic Gamesランチャーに「TurnBasedRPGSample」のプロジェクトが登録される

サンプルプロジェクトを正常に動かすためには、Turn-Based RPG Templateのアセットそのものが必要になります。マーケットプレイスのTurn-Based RPG Templateページから「プロジェクトに追加」を選択します。

Epic Gamesランチャーからアセットを追加しよう

これでサンプルプロジェクトを正常に使えるようになりました。再び、サンプルプロジェクトをUnreal Engineで起動しましょう。

起動後のマップ

プレイボタンをクリックすると、サンプルゲームが開始します。このサンプルはEpic Gamesが提供しているParagonシリーズキャラクターを使ったものとなっており、ドラッグ&ドロップでキャラクターを動かし、敵を撃破しながら進んでいく内容となっています。

ドラッグ&ドロップでキャラクターを動かせる

登場演出のあるボス敵を倒すと終了

敵と味方にスキルを追加しよう

このサンプルには、いくつかのスキルが最初から用意されています。まずは、スキルをキャラクターに追加していきましょう。「コンテンツ\SampleGame\Units」の中に、サンプルゲームに含まれていた敵味方のユニットのブループリントが収められています。

「LavaRock」以外のブループリントは全てユニットのものとなっている

まずは「Greystone」のブループリントを開いていきましょう。

Greystoneのブループリントを開いたら、「コンポーネント」タブの「Greystone(self)」を選択し、「詳細」タブ内の「統計」カテゴリにある「Skill Classes」右部の「+」をクリックして新しいスキル枠を追加します。

次に、スキルを選んでいきます。ここではGreystoneのスキルとして用意されている「MeteorStrike」を選びましょう。

スキルは自由に選ぶことができる。ただし、敵のスキルを味方につけた場合などは、味方のスキルで味方側にダメージが入ってしまう点に注意

同様に、「コンテンツ\SampleGame\Units」の中にある「LavaRock」以外のブループリントに、以下のようにスキルを追加します。

  • Countress→「SummonFireGolem」、「AncientSpirit
  • Helix→「HelixLaser
  • Phase→「EnergyBall
  • Shinbi→「SinbiHeal

これで、キャラクターがスキルを使用できるようになりました。再度プレイしてみましょう。

スキルアイコンをドラッグ&ドロップしてスキル対象を選ぶことができる。使用したスキルは数ターン使えなくなる

「MeteorStrike」は特に派手な演出が楽しめる

ボスがスキルを使用するとこのようなエラーが出るが、特に問題ないためこのまま消してよい

サンプルプロジェクトに新しい敵ウェーブと味方を追加しよう

続いて、このサンプルプロジェクトに新しいウェーブと味方を追加してみましょう。このアセットではゲーム全体を統括するものとして、3つのブループリントが用意されています。WaveManager、GameManager、そしてBattleManagerです。

WaveManager:敵の出現パターン(ウェーブ)のデータを持っているブループリント

GameManager:勝利や敗北、ゲーム全体の状態遷移などを管理するブループリント

BattleManager:ターン経過や攻撃、スキルなど戦闘を管理するブループリント

サンプルゲーム内では、それぞれのブループリントがこのような場所に配置されている

さっそく、ウェーブを追加してみましょう。WaveManagerを選択して、「詳細」タブ内「デフォルト」カテゴリにある「Waves」を見ると、2つのインデックスがあることが分かります。これが敵のウェーブ(編成)を管理しているデータです。

通常の敵がインデックス[0]、ボス戦がインデックス[1]に収められている

最初の戦闘の前に新たな敵のウェーブを追加しましょう。「インデックス[0]」の右のマークをクリックし、ドロップダウンメニューから「挿入」をクリックします。

これで「インデックス[0]」に新しい敵ウェーブが挿入されました。この状態では空のデータなので、ここに敵を追加する必要があります。

空の状態のままプレイを開始すると、まったく敵が出現しないウェーブが始まってしまう

先ほど挿入した「インデックス[0]」の左側にある三角形のマークをクリックすると、「OpponentUnits」という項目が出てきます。この状態で右側の「+」をクリックすると、敵のデータを追加することができます。

さらに新しく追加された敵データの左側にある三角形マークをクリックすると、3つの項目が出てきます。

  1. OpponentUnit:出現する敵の種類を決める
  2. Coordinate:出現する場所を決める。整数である必要がある
  3. SpawnAtRandomLocation:出現する場所をランダムで決めるかどうか(チェックを入れると2の項目は無効になる)

まずは通常の敵を配置していきましょう。「OpponentUnit」のドロップダウンメニューを開いて、「OrangeOpponent」を選びます。

OrangeOpponentはTurn-Based RPG Templateに最初から付属している通常の敵のサンプル。オレンジ色のグレイマンの姿をしている

この状態で一度プレイしてみましょう。敵として、OrangeOpponentが1体登場するはずです。

通常の敵であるOrangeOpponent1体が登場する

敵の登場位置は、「Coordinate」で0から4の数値で指定できます。

0から4の値で敵の位置を制御

同じ手順で、さらに敵データを追加していけば、複数の敵を持つウェーブを作ることが可能です。

同じ位置に敵を出現させると、「Slot is not empty!」というエラーが出て無効になる

Helix」「RedBoss」は、通常の敵とは異なるボス敵のサンプルとなっています。各1体だけ、好きなウェーブに追加可能です。

ボス敵は1ウェーブに1体しか配置できない

新たな敵ウェーブを作成して、ゲームを盛り上げましょう。

あまり多くの敵ウェーブが追加されると、用意されたエリアを超えてしまうことがある。こうなった場合は、GameManagerのブループリントを開き、「gameData」の「opponentGridSpawnDistance」を小さく調整することでウェーブ間の距離を小さくできる

敵と同様に、味方を追加することも可能です。こちらはWaveManagerの「詳細」タブ内「デフォルト」カテゴリのPlayer Unitsで追加できます。

「GrayHero」「GreenHero」はテンプレートに付属している味方のサンプル。スキルも最初から持っているので、活用してみよう

味方が増えて賑やかになってきた

発展編:オリジナルの要素を追加に挑戦してみよう

その他にも敵味方のユニットや通常攻撃、スキル、ボス敵の登場演出などを作れるテンプレートがあり、そこから子ブループリントを作ることでオリジナル要素を追加することができます。追加方法についての詳細はドキュメントがありますが、ここでは特に重要な要素を画像とともにお伝えします。

味方は「PlayerUnit」、通常の敵は「OpponentUnit」、ボス敵は「BossUnit」から作成できる。どれも「コンテンツ\TurnBasedRPGTemplate\Units」に収められている

ユニットは名前、近距離攻撃、遠距離攻撃、スキルやUI表示のサムネイル、そしてそれぞれに使用するアニメーションなどを設定する必要がある

ボス演出は「コンテンツ\TurnBasedRPGTemplate\BossSpawnStyle」の「BossSpawnStyleBase」

スキルは「コンテンツ\TurnBasedRPGTemplate\Skills」の「SkillBase」

攻撃方法は「コンテンツ\TurnBasedRPGTemplate\AttackTypes」の「NormalAttackBase」。さらにジャンプや遠距離攻撃のテンプレートもある

遠距離攻撃で使う「弾」も「コンテンツ\TurnBasedRPGTemplate\Projectiles」の「ProjectileBase」から作成可能だ

ドキュメントを参照しながらTurn-Based RPG Templateにオリジナル要素を加えて、自分自身の作品を作ってみましょう!

アニメーションを登録する手間はあるが、スキルを持たない雑魚敵や味方ユニットなら比較的簡単に追加できる。動画は「Paragon: Wukong」を使用した例

7月限定の無料アセットを必ず入手しよう!

本記事で紹介した『Turn-Based RPG Templateを含めた7月の無料アセットについては、こちらの記事でも取り上げています。

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「作品に活かす機会がない」「使い方が分からない」といった場合も、無償期間にダウンロードさえ済ませておけば、必要になったタイミングで使用することができます。この機会にぜひ、高品質な有償アセットを無料で入手しておきましょう!

アンリアルエンジンの基本は「ゲームづくりを始めよう!」を、マーケットプレイスからのアセットの入手方法はこちらの記事をご確認ください。

『Turn-Based RPG Template』ダウンロードページ『Turn-Based RPG Template』公式ドキュメント『Turn-Based RPG Template』公式サンプル
wvigler

アンリアルエンジンにハマり、ぷちコンでゲーム作ってた男。映像編で2連覇したことも。
昔はよくアーケードゲームとかやってました。
一番やり込んだのは「ケツイ ~絆地獄たち~」「戦国BASARAX」あたり。ローグライトゲームとかも好きです。

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