この記事の3行まとめ
- スウェーデンのゲーム業界団体「Dataspelsbranschen」、国内ゲーム業界動向を分析した年次レポートを公開
- スウェーデン国内のゲーム業界における売上高は増加傾向。年間の新規ゲーム会社設立数も過去最高記録を更新
- EUのCPCネットワークが策定したアプリ内課金・アプリ内通貨のガイドラインに関する見解なども語られている
スウェーデンのゲーム業界団体「Dataspelsbranschen」は2025年11月12日(現地時間)、スウェーデン国内における2024年~2025年のゲーム業界動向をまとめたレポート「Swedish Games Industry 2025 Game Developer Index」を公開しました。
Dataspelsbranschenは、スウェーデンのビデオゲーム開発会社やパブリッシャー、流通・販売会社、教育機関、学術機関などで構成されるゲーム業界団体です。
レポートには、スウェーデンゲーム業界の2024年度における収益規模や企業数の変動などを分析したデータのほか、アプリ内課金の規制にまつわる見解や、2024年~2025年にかけてヒットしたゲームタイトル・主要なゲームイベントの情報などが記載されています。
(画像はレポートより引用)
2024年のスウェーデンゲーム業界は、2023年から続く世界的な景気後退の影響下にありながらも、売上高は前年比6.4%増の約370億スウェーデン・クローナを達成。
また、2024年だけで105社のゲーム企業が新設されたほか、業界全体のフルタイム従業員数が0.5%増の約9,000人を記録したことなどが報告されています。
業界の安定性を支えた要因についてレポートでは、スウェーデンでは大規模ゲーム企業が再編・閉鎖する際に経験や専門知識を新規小規模企業に継承する傾向が見られることや、ほかのヨーロッパ諸国と比較して従業員数10名未満の企業(Micro Company)が多いことからも裏付けられるスウェーデンの起業家精神の強さなどが挙げられています。
スウェーデンゲーム業界の収益グラフ。海外子会社の売上は下がったものの、国内収益は過去最高となる約370億スウェーデン・クローナに到達(画像はレポートより引用)
スウェーデン国内におけるゲーム会社数の推移。2024年度は前年比9%増の1,101社を記録し、過去最高を更新した(画像はレポートより引用)
一方で、EUの消費者保護協力(Consumer Protection Cooperation、CPC)ネットワークが策定した、アプリ内課金・アプリ内通貨の規制に関するガイドラインについても言及。
本ガイドラインは主要な業界関係者などと協議せず、関連するEU法の考慮をなくして策定されたことが問題視されており、スウェーデンのゲーム開発事業者の大多数に甚大な影響を及ぼすことや、マネーロンダリング・不法取引を助長し得ることが懸念されています。
レポートではそのほかにも、ゲーム業界の人材確保に関する長期的な施策や、スウェーデンゲーム業界が過去20年にわたりどのようにビジネスモデルを変化させ、グローバル進出を遂げてきたかなどが解説されています。
詳細は、ニュースページやレポート資料(PDF)をご確認ください。
「Swedish Games Industry 2025 Game Developer Index」Dataspelsbranschenニュースページ「Swedish Games Industry 2025 Game Developer Index」(PDF)