この記事の3行まとめ
- Steamworks公式YouTubeチャンネルにてアップデートを効率化する技術を解説する動画が公開
- ユーザーごとに必要なデータを分割した「Depot」を利用することでダウンロード時間を短縮
- 更新のあったデータのみをダウンロードする仕組み「Delta Patching」についても解説
2025年7月12日(現地時間)、ValveはSteamworks公式YouTubeチャンネルにて『2025 Steam Dev Talks: Depots and Packs』と題した動画を公開しました。
『2025 Steam Dev Talks: Depots and Packs』
昨今のゲーム市場では、ゲームのデータサイズが増加傾向にあり、アップデートの待機時間がユーザーの負担となっている問題があるとしています。
今回公開された動画では、アップデート時間を短縮するための技術として、「Depot」や「Delta Patching」の概念や仕組みを解説しています。
Depotは、言語、プラットフォーム、アーキテクチャ、DLCなど、各ユーザーに必要な部分のみを提供するようにビルドデータを分割する仕組みです。必要なデータのみを提供することで、ディスク領域の節約やダウンロード時間の短縮につながります。
(画像は動画より引用)
また、Steamでは、アップデートの差分のみをダウンロードし、残りはローカルのデータを再利用する仕組み「Delta Patching」を採用しています。
Depotは、複数のファイルを1つのファイルに統合した「Pack File」によって構成されています。結合するファイルを適切に分割・管理することで、Delta Patchingにおいてダウンロードが必要なファイルのサイズを小さく抑えることが可能です。
Delta Patchingでは、変更のない部分はローカルファイルからコピーし(画像左)、変更された部分をダウンロードする(画像右)。更新があるPack Fileごとに一連の処理が行われるため、変更のあったPack Fileを最小限にすることが推奨されている(画像は動画より引用)
動画では、特にSteam DeckのようなポータブルPC、接続速度が遅い新興市場のユーザーにとって、アップデートの最適化が非常に重要であると述べられています。
詳細は、動画をご確認ください。
『2025 Steam Dev Talks: Depots and Packs』「Steamworks Development」YouTubeチャンネル