カードゲーム『グウェント』2作品のサウンドを「同時に」担当。効率的な制作方法などを解説した記事、akBlogが公開

2024.11.28
ニュースサウンド
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この記事の3行まとめ

  • カードゲーム『グウェント』をベースにしたゲーム2作のサウンド制作記事が、akBlogで公開
  • オンライン対戦ゲーム作品と1人プレイ用スピンオフ作品の2作を「同時に」担当したサウンドデザイナー2名による記事
  • 効率的なオーディオ制作のために考案したことなどが解説されている

Audiokineticは2024年11月26日(火)、「『グウェント ウィッチャーカードゲーム』と『グウェント:ローグメイジ』 | 同時に2つのゲームを担当する方法」と題した記事を「akBlog」公開しました。

同記事は、カードゲームグウェント』を題材とした2作品のサウンドデザインを同時に担当した経験について、『サイバーパンク2077』などで知られるポーランドのゲーム会社「CD PROJEKT RED」のサウンドデザイナー Maciej Tatarynowicz氏とMateusz Szymański氏が共同で執筆しています。

『グウェント』は、ファンタジー小説シリーズ『ウィッチャー』および、同作を原作とした同名のゲームシリーズに登場するカードゲームです。実際にプレイできる最初の「グウェント」は、『ウィッチャー3 ワイルドハント』内のミニゲームとして実装されました。

また、グウェント部分のみをオンライン対戦カードゲームとしてピックアップした『グウェント ウィッチャーカードゲーム(以下、グウェント)』が2018年、その一人プレイ用スピンオフ『グウェント ローグメイジ(以下、ローグメイジ)』が2022年に、PCやスマートフォンなどに向けてリリースされています。

(画像はSteamストアページより引用)

(画像はSteamストアページより引用)

記事では、両作品のメカニズム自体は同様であるものの、対戦ラウンド数カードの引き方の違いに言及。ラウンド数によるBGMのアンビエンス変更の可否など、作品によるデザインの違いについて解説しました。

『ローグメイジ』のサウンドデザインでは「『グウェント』のサウンドをベースとして統一感を維持しつつ、別タイトルであることを音で表現する点で苦労した」と述べられています。

画像の『グウェント』はラウンド開始時のみカードを引き、『ローグメイジ』はターンごとに引く。聞こえるサウンドの頻度が異なるだけでも、印象は変わってしまう(画像はakBlogより引用)

また『グウェント』は拡張パックのリリースにより、カードやコイン、リーダーなどが追加されるため、サウンドエフェクトも制作することになります。

拡張パックの登場は事前にわかっていたため、効率的にオーディオを制作するべく、「音量のばらつきを防ぐため、LUFS(※)レベル標準を設定する」「Soundbankとストリーミングファイルを.PCKファイルにまとめる」「情報や目指す方向性をまとめた文書(オーディオの柱)を作成する」といったソリューションが考案されました。

※ LUFS(Loudness Units relative to Full Scale)は「ラウドネスフルスケール」とも呼ばれる音量基準。電気信号をベースとした「dB」と違い、人間が感じる音量に近い数値として標準化されている

また、『ローグメイジ』はUIデザインの大幅な変更に伴い、サウンドエフェクトも一新。ゲーム内の「地図」「研究室」などの新機能に対し、独自のサウンドデザインが施されました。

記事内では、これらにおける工夫、オーディオミドルウェア「Wwise」における各ゲームのプロジェクト内容などにも言及しています。

詳細は、akBlogをご確認ください。

akBlog「『グウェント ウィッチャーカードゲーム』と『グウェント:ローグメイジ』 | 同時に2つのゲームを担当する方法」

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