Unreal Engine 5.5がリリース。Selectノードなしで複雑な選択ロジックを作れる「Chooser」正式導入のほか、Navmesh間を橋渡しするNavLinkの自動生成機能が追加

2024.11.13
ニュースアンリアルエンジン
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この記事の3行まとめ

  • Unreal Engine 5.5が正式リリース
  • 動的ライトを大量に配置できる「MegaLights」が実験的機能として導入
  • 出力に複数の条件が関与する選択ロジックを柔軟に扱える「Chooser」がProduction readyとなった

Epic Gamesは2024年11月12日(火)、Unreal Engine 5.5(以下、UE5.5)を正式にリリースしました。

UE5.5には、多数の動的ライトに対するライティング処理を効率的に行う「MegaLights」が実験的機能として導入されています。

「Unreal Engine 5.5 機能ハイライト」

なお、Epic Gamesは今回の正式リリースに先立ち、10月にUE5.5のプレビュー版を公開しています。

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アップデートについての概要は、公式ブログをご覧ください。

「Unreal Engine 5.5 がリリースされました」アンリアルエンジン公式ブログ

「Chooser」が正式リリース

UE5.5では、条件に応じた出力の選択機能を担うシステム「Chooser」がProduction ready(製品に使用可能)になりました。

Chooserを使うことで、「体力量所持する武器に応じて異なるアニメーションアセットとウィジェットを使う」など、出力に複数の条件が関与する選択ロジックを、Selectノードを多用せずに実装できます。

入力と出力の対応関係は、「Chooser Table」や「Proxy Table」と呼ばれるアセットで指定します。これらのアセットでは、出力の型入力パラメータの種類入力パラメータの値と出力の対応関係を指定します。

Chooser Tableの編集画面。指定したクラスや構造体が持つメンバ変数を、入力パラメータとして使用できる

作成したChooser TableおよびProxy Tableは、ブループリントやアニメーションブループリントでノードとして使用できます。

Chooser Tableをブループリントで使用する例。各Chooser Tableに対応したノードに入力を与えると、評価結果が出力される

Chooserは、「機能別サンプル」や「Game Animation サンプル」などのサンプルプロジェクトで使用例を確認できます。

「機能別サンプル」の「コンテンツ > Maps > Animation」にあるレベル「Animation_Choosers」で、アニメーションに対するChooserの使用例を確認できる

Navmesh間を接続する「NavLink」の自動生成機能が追加

また、AIの移動範囲を定めるNavmeshにおいて、物理的につながっていないNavmesh間を移動できるようにする「NavLink」を自動生成する機能が追加されました。

公式ドキュメントにて、自動生成の設定について解説するページが公開されています。

NavLinkを自動生成する様子(動画は公式ドキュメントより引用)

そのほか、シーケンサーのUI改善、「Substrate」(※)の実験的機能からベータ機能への移行などのアップデートが施されています。
※ 複数のシェーディングモデルを層状に重ねた質感を表現できるマテリアル機能

(画像はリリースノートより引用)

UE5.5は、Epic Games Launcherのほか、アンリアルエンジンのGitHubリポジトリからダウンロードが可能です。

詳細なアップデート内容については、リリースノートをご覧ください。

Epic Games公式フォーラムUnreal Engine 5.5 リリースノート

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