Cygames、『GRANBLUE FANTASY: Relink』のフォーリーサウンド制作記事を公開。四騎士の足音の演出方法などの実例を多数紹介

2024.10.17
ニュースサウンド
この記事をシェア!
Twitter Facebook LINE B!
Twitter Facebook LINE B!

この記事の3行まとめ

  • 『GRANBLUE FANTASY: Relink』のリアルなSE・環境音の収録手法を解説した記事、Cygamesが公開
  • 声優が声を録るように「音の演技」を行う手法「フォーリー」や、現実世界で環境音を収録した事例を紹介
  • 作中で実際に使用されたSE・環境音がサンプルとして多数掲載されている

Cygamesは2024年10月16日(水)、「『グランブルーファンタジー リリンク』世界観とリンクするサウンド制作 フォーリー&フィールドレコーディング事例」と題した記事を「Cygames Magazine」にて公開しました。

同記事では、『GRANBLUE FANTASY: Relink』におけるリアルなSE・環境音を収録する手法について、本作のサウンドデザインに携わる開発者2名にインタビューしています。

同作のために制作されたサウンド総数は1万点以上。記事中には作中で使われたSE・環境音が多数掲載され、再生できるようになっています。

GRANBLUE FANTASY: Relink』は、モバイル向けRPG『グランブルーファンタジー』を原作とするアクションRPGです。原作で描かれた美麗な2Dグラフィックが、3DCGにより精緻に再現されています。

『GRANBLUE FANTASY: Relink – 追告トレーラー』

本作独自の世界観やキャラクターの魅力、アクションRPGとしての迫力などをサウンドで表現するため、現実世界で収録した音をベースに臨場感あふれるリアルなサウンドを制作する手法が取られています。

記事中では、本作のサウンド作成に用いられた2種類の手法「フォーリー」と「フィールドレコーディング」について説明しています。

また、実際に作中で使用されたSE・環境音をサンプルとして添えながら、それらの音声の制作手法を紹介しています。

(画像はCygames Magazineより引用)

足音や衣擦れ音など、主に人の動作から生じる音の収録には「フォーリー」が用いられました。「フォーリー」とは、声優が映像に合わせてボイスを当てるのと同じように「音の演技」を行う手法です。ゲーム映像を再生しながら「フォーリーアーティスト」が体や道具を動かし、サウンドを作り上げます。

キャラクターの服装や特徴に合った音を作るために、さまざまな素材の組み合わせを試したといいます。複数の翼を持つ「サンダルフォン」が翼を広げる音は、布製のマントに革製の鞄を取り付けて収録しています。

また、靴まで金属で覆う装備をまとった「四騎士」(「ランスロット」「ヴェイン」「パーシヴァル」「ジークフリート」)の足音には、数々のスキーブーツを使用。各キャラクターのイメージに適した音を演じ分けています。

「サンダルフォン」が翼を広げる際のSEを収録する様子(画像はCygames Magazineより引用)

フィールド特有の材質を「フォーリー」で制作した事例も紹介されました。

本作終盤に登場するステージに関しては、アートディレクターから「敷き詰められた卵の殻を踏む質感」「繊維状に組み上げられた飴細工の破砕音」といったサウンドイメージが指示されました。それを実現するため、バークチップと木炭を混ぜ合わせたものを踏むことで足音を制作しています。

そのほか、溶岩が沸き立つ音や、水辺に足を踏み入れる音などは、ビニールプールにスライム状の液体や水を注いで収録に用いています。

溶岩の音は、ビニールプールに流し込んだスライム状の液体を使って表現(画像はCygames Magazineより引用)

水たまりを歩く音や、巨大な敵が水を踏み荒らす際の水飛沫などは、溶岩の収録で使ったビニールプールより深いサイズを使用している(画像はCygames Magazineより引用)

環境音の収録の際は、スタジオ外で現実世界の音を録音する「フィールドレコーディング」が行われています。

「騎空艇グランサイファー」の甲板や「エインステッド群島」の丘陵などで聞こえる風音は、気球で上空1,000メートルまで上昇して収録しています。

また、「エインステッド群島」にある岩で囲まれた通路については、岡山県の鍾乳洞「満奇洞」内で録音しています。

(画像はCygames Magazineより引用)

そのほか、動物の鳴き声などの混入を防ぐためにフィールドレコーディングを冬に行うといった工夫や、実際に野外収録に向かった際の様子なども語られています。

詳細はCygames Magazineをご確認ください。

『GRANBLUE FANTASY: Relink』公式サイト「『グランブルーファンタジー リリンク』世界観とリンクするサウンド制作 フォーリー&フィールドレコーディング事例」Cygames Magazine

関連記事

『塊魂』サウンドから見る「愛のあるモノづくり」。音で『塊魂』を想起させるために企画・実行したこと【CEDEC2024】
2024.10.09
ゲームの効果音やアニメなどの「サウンドデザイン」をテクノロジーの観点から解説した書籍、10/16(水)よりコロナ社から発売
2024.10.07
『祇(くにつがみ)』の「穢れサウンド」は振動スピーカーの音をリアンプして実現。カプコンサウンドチームの8,000字超のSE制作インタビュー、CAP’STONEにて公開
2024.09.16
C#開発環境でオーディオ・映像開発ミドルウェア「CRIWARE」が使用可能に。「CRIWARE for C#」をCRI・ミドルウェアが発表
2024.08.27
ソニー、立体音響のゲームサウンド制作をサポートするソフト「Gaming Virtualizer by 360 Reality Audio」を提供開始。「Wwise」用プラグインとして
2024.08.19
『SAND LAND』サウンド開発者インタビュー。鳥山明デザインの「メカ」駆動方法を読み解き、パーツごとに設計された悪魔的サウンドデザインを紐解く
2024.08.13 [PR]

注目記事ランキング

2024.10.10 - 2024.10.17
VIEW MORE

連載・特集ピックアップ

イベントカレンダー

VIEW MORE

今日の用語

ラグドール(Rag Doll)
ラグドール ぬいぐるみを意味する英語。 ゲームにおける、キャラクターの全身が脱力したかのような挙動を行う物理シミュレーション。ラグドール物理。 例えば、上空からの落下やキャラクターが死亡した際に用いられる。
VIEW MORE

Twitterで最新情報を
チェック!