発表したての有名メーカー製品から、こだわりを感じる個人製作アイテムまで集結。大盛況の「ゲーミングバザー2024春」をレポート

2024.05.30
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2024年5月25日(土)、大阪・本町の大阪産業創造館でゲームにまつわるアイテムを展示・販売できる「ゲーミングバザー2024春 @ 大阪」が開催されました。カジュアルな雰囲気で今回も大盛況となった本イベントの模様をレポートします。

TEXT / ハル飯田
EDIT / 藤縄 優佑

目次

ゲーミングデバイス好きにはたまらないイベント「ゲーミングバザー」

(画像は公式サイトより引用)

「ゲーミングバザー」はゲーミングデバイスをはじめ、ゲームにまつわるグッズを展示・販売・交換できるイベントです。

過去の開催ではデバイスメーカーによる新製品お披露目の場にもなるなど、デバイス愛好家やゲームファンなどから注目を集めるイベントとなっています。

本イベントの注目ポイントのひとつが、人気デバイスメーカーによるブースの出展。デバイスの使い心地を実際に触って確認できるだけでなく、担当者さんから使い方やポイントのレクチャーを受けられます。たくさんのデバイスを買い込む来場者の姿も見られ、人気の高さがうかがえます。

新作キーボード「VK720A」を展示した「ELECOM GAMING」ブース

今回、注目を集めていたのはエレコムのゲーミングブランド「ELECOM GAMING」ブースで展示された75%サイズのキーボード「VK720A」

本製品は、イベント前日に発表されたばかりの新作。ラピッドトリガーと同等の機能を備えているモデルでありつつ、磁気スイッチにシリコンラバーを入れ、静音性の向上を図っています。

日本語配列と英語配列のどちらもラインナップし、スペースキーはロングとショートの2種が同梱されています。

ショート版のスペースキーを装着したときは、英語配列版ではカスタマイズキー、日本語配列版では無変換キーを追加で配置できる、ユニークかつカスタマイズ性が高い点も魅力です。

担当者さんによれば「コンパクトサイズの英語配列にも無変換キーがほしい」というユーザーからの要望を実現する形で生まれたモデルとのこと。

筐体右上に配置されたダイヤルも含め、専用ツールで機能の割り当てができるカスタマイズ性の高さも、来場者の関心を集めていました。

静音性を高めたキースイッチの見本は、無料で配布されていた(写真中央)

「ELECOM GAMING」公式X「エレコム」公式サイト

極細ケーブル採用の超小型イヤホンも登場した「HID-Labs/LIT」ブース

マウスソールの無料配布を行っていたこともあり、場内一番の大行列を形成していたのは、ゲーミングデバイスなどを扱う「HID-Labs/LIT」ブース。

取り扱い中のマウスパッドのほか、ブース内では個人開発デバイスなども展示されており、多数のデバイスの使用感をチェックできるコーナーになっていました。

開発中の新型イヤホンのデモ版も展示され、実際に着用しながらFPSゲームの映像を見ることもできました。わずかな足音でも「敵がどこにいるか」を感じ取れる、こだわりの定位感を体験できました。

イヤホンには極細ながら耐久性の高いケーブルが使用されているとのこと。担当者さん曰く「製造さんにかなり無理を言って」さまざまなパーツをギリギリまで小さくしたという、超小型なシルエットも印象的。

周辺音を遮断するため、イヤホンの上からヘッドホンを着用することも多いeスポーツシーンでの使用も想定されています。

取材時点では、今夏〜秋頃の製品化を目指し、さらなる改良を重ねている段階とのことでした。

イヤホン本体部分は指でつまむと隠れてしまうほど小さい

「HID-Labs」公式X「HID-Labs」公式サイト

マウスを自分好みにカスタマイズできる「Nitro Factory-devices」ブース

マウス単体ではなく、マウス操作に変化をもたらすアイテムを販売していたのが、「Nitro Factory-devices」ブースです。

このブースで取り扱っていたのは、削り出しマウスソール「nTech Skate」、マウスに取り付けて使用するアフターパーツ「nTech Fit」。

手のひらや小指に合うようサポートしてくれる「nTech Fit」はバリエーションも豊かで、長時間のゲームプレイやデスクワークにも役立ちそうなアイテムでした。思わずいろいろなモデルを握り、自分にピッタリな形状を探してしまいたくなるブースでした。

多彩なメーカー・形状のマウスにフィットするモデルを展開

「市販のマウスの形状が自分に合わない」という体験からマウスを自作しはじめたことをきっかけに、オーダーメイドマウスやカスタマイズ用アイテムの開発に着手するようになったと開発者さんが話します。

簡単に着脱可能で価格も手頃なアイテムで「自分に最も合う持ち方を探り、その答えにたどり着くことやゲームのモチベーションアップの手伝いができれば」と、ユーザーへの想いも語っていただきました。

「3Dプリンターで作った商品のイメージアップで、業界にも貢献したい」と、アイデアに込められた思いも話していた

「Nitro Factory-devices」公式X「Nitro Factory-devices」公式サイト

個性あふれる一般ブースも見逃せない!

注目の新製品や貴重なデバイスが体験・購入できる法人ブースだけでなく、個性豊かな出展内容が立ち並ぶ一般・個人ブースもゲーミングバザーのカジュアルかつカオスな雰囲気が楽しめるゲーミングバザーの醍醐味です。

自作デバイスで気になったのは、磁石によってバネ不使用かつ無接点を実現しているキースイッチ「MagLev Switch」を組み込んだデバイスを展示していた「famichu」氏のブース。

このスイッチは押下に応じた電圧を出力する仕組みになっており、押し下げるほど反発が強くなる仕組みを実際のデバイスと大きなモデルで体験できました。

これまでにもキーボードコミュニティ向けのイベントなどに出展して、「自動車やバイク、MIDI楽器向けの技術として興味を持っていただくことが多かった」と話したfamichu氏。

今回展示されたアクチュエーションポイントやリリースポイントを自由に変更できるキーボードにはゲーマーからの熱い視線も注がれていました。

アーケード向けスイッチもラインナップされており、「MagLev Switch」が繊細な入力を求めて自作も活発な格闘ゲーム向けデバイス界隈などにグッと刺さる新たなアイテムとなる可能性もあるのではないでしょうか。

「famichu」氏Xアカウント

他にも、会場内にはバザーイベントながらPCゲームをさまざまな角度で深掘りする同人誌を頒布しているサークルがあったり……。

洋ナシ氏のサークル「ゲーム投げ部」のブース

来場者が購入したデバイスやマウス感度を調査しながらまったりしているコミュニティがあったり……

アンケートと活動報告の展示を行っていたゲーマーコミュニティ「東京ゲーマーズHub」ブース

事前マッチングによる物々交換エリアがあったりと、とにかくゲームに関係するあらゆるものが集まる不思議な空間となっていたゲーミングバザー。

現物をたしかめながらじっくりとデバイスを選ぶ“使い手のこだわり”と、バリエーション豊かに良いモノを届けたいという“作り手のこだわり”が交わる、ほどよいカオスさとクリエイティブな楽しみが詰まった素敵なイベントは、時間いっぱいまで大勢の来場者で大盛況でした。

本イベント終了後には、次回の「ゲーミングバザー2024秋」が10月12日(土)に東京・浅草で開催することを告知していました。公式サイトやSNSを見ながら、続報を楽しみにしたいと思います。

「ゲーミングバザー」公式X「ゲーミングバザー」公式サイト
ハル飯田

大阪生まれ大阪育ちのフリーライター。イベントやeスポーツシーンを取材したり懐ゲー回顧記事をコソコソ作ったり、時には大会にキャスターとして出演したりと、ゲーム周りで幅広く活動中。
ゲームとスポーツ観戦を趣味に、日々ゲームをクリアしては「このゲームの何が自分に刺さったんだろう」と考察してはニヤニヤしている。

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