デル・テクノロジーズは2024年2月27日、東京・KITTE(JPタワー)の1階にあるアトリウムにて、「Inspiron & Alienware 新製品発表会」を開催した。本稿ではAlienwareシリーズのゲーミングノートPCを中心に、キーボードやマウスなども併せて紹介しよう。
TEXT / 松井 ムネタツ
EDIT / 神谷 優斗
目次
AlienwareはハイパフォーマンスのゲーミングPCブランドで、1996年の創業時から2006年にデル傘下に入ってからも、ずっと最高級のゲーミングPCを作り続けている。ゆえに価格帯は少し高めだが、日本トップYouTuberのヒカキン氏が愛用するPCとしても有名で、世界中に多くのファンがいる(筆者のPCもAlienware)。
今回発表されたAlienwareのゲーミングノートPCは、「New Alienware m16 R2」と「New Alienware x16 R2」の2機種。いずれも3月上旬発売予定となっている。
Alienware新製品説明コーナーでは、まず日本のゲームユーザー別マーケット規模の説明があった。角川アスキー総合研究所の調査によると、2022年の日本国内ゲーム人口は5,400万人で、そのうちPCゲームユーザーは1,406万人ほどだそう。PCで遊んでいる世代も幅広く、またゲーム以外にさまざまなクリエイティブな活用をしている人も多い。
そんな説明があったうえで、2つの新製品紹介に移った。
New Alienware m16 R2は初めてゲーミングPCを買う人向け
New Alienware m16 R2(以下、m16 R2)は、カジュアルゲーマーで「ちょっと本格的なゲーミングPCを体験してみたい」人に向けた、1年前の2023年3月に発売されたAlienware m16 R1(以下、m16 R1)の後継機だ。デザインも含め、変更点が多いモデルとなっている。
前世代と比べてパワーアップした箇所には、以下が挙げられる。
(1)については、Intelが昨年末に発表した最新CPUのCore Ultraを搭載。この時期に発売されるゲーミングPCであれば当然の仕様だろう。
(2)と(3)については、基板設計から見直された。その結果、本体内のエアフローが改善されて冷却性能が向上。さらには本体奥行きが14%(約4cm)ほど縮まりポータビリティが向上した。
そうした設計見直しによって、(4)パームレスト部分とタッチパッドが広くなり、より快適に操作できるようになった。
本機から搭載される「ステルスモード」は、F2キーを押すことで「ゲーミング」と「ビジネス」、ふたつのモードを瞬時に切り替えられるというもの。
ゲーミングモードでは、ハイパフォーマンスでAlienFX RGBライトもハデに点灯する。ビジネスモードへと切り替えると、CPUパワーなどパフォーマンスを下げて静音になり、ライティングも白のバックライトのみと落ち着いた外観になる。
仕事と遊びのオンオフを見た目にすぐ切り替えて使いたい……なんてときにはいいかもしれない。
搭載されているモニタは、QHD+(2,560×1,600)でリフレッシュレート240Hz、100% sRGB、Dolby Vision™対応と申し分なし。SSD搭載容量は最大8TBとなり、順当にアップデートしている。
前世代からパワーダウンした箇所があるとすれば、m16 R1では搭載可能なGPUがNVIDIA GeForce RTX 4060 8GBから4090 16GBまでだったのに対し、m16 R2はNVIDIA GeForce RTX 4050 6GBから4070 8GBになった点だろう。本体サイズが小さくなったことで発生する熱を少しでも抑えるべく、搭載できるGPUのランクを少し下げたようだ。ターゲットを「カジュアルゲーマー向け」としていることも関係しているのだろう。
Alienware最高峰のNew Alienware x16 R2
もうひとつの新製品、New Alienware x16 R2(以下、x16 R2)は、AlienwareのゲーミングノートPCの最上位機種「Alienware x」シリーズの最新モデル。前世代からCPUがCore Ultraになった部分はm16 R2と同様だ。
Alienwareは、ゲーミングノートPC最高峰のパフォーマンスを目指すべく、とにかく冷却に力を入れている。CPUやGPUが発熱してしまうのはしょうがないのだが、これを十分に冷やす機能が備わっていないと性能をフルに発揮できない。たとえRTX 4090を積んでいたとしても、冷却機構が中途半端だと宝の持ち腐れになってしまう。
x16 R2では、レーザー溶接されたフラット エンド ヒートパイプにより冷却機構がさらに効率化され、ゲーミングパフォーマンスの向上に成功。本来のハードウェア性能を存分に味わいたいなら、こうした冷却のこだわりこそが大事となってくるはずだ。
モニターは、m16 R2と比較してDCI-P3を100%カバーしている点に優位性がある。サウンドについては、前世代のx16 R1から引き続き6つのスピーカーが搭載されてDolby Atoms対応といった贅沢な作り。これも最高峰を謳っているからこそのこだわりと言える。
モニター、キーボード、マウスにもAlienwareらしさあり
この日の発表会で紹介されたモニターやキーボード、マウスについても触れていこう。
まずはゲーミングモニター2機種。いずれも2024年2月6日発売の新製品だ。「AW3225QF」は31.5インチの4K(3,840×2,160) QD-OLEDで、1700Rの湾曲スクリーン。最大240Hzのリフレッシュレート、0.03ミリ秒の応答速度、現世代の家庭用ゲーム機にも対応と、至れり尽くせり。
27インチのゲーミングモニター「AW2725DF」は、QHD(2,560×1,440)のQD-OLEDで最大360Hzのリフレッシュレート。応答速度はAW3225QFと同様で0.03ミリ秒と、こちらも高性能な一品だ。
2024年2月27日に発売となった「Alienware Pro ワイヤレス ゲーミング キーボード」は、新しいAlienware リニア メカニカル スイッチを採用した、プロ仕様のキーボード。Alienwareがサポートしているプロゲーミングチーム「Team Liquid」からフィードバックを受けて開発された。
キースイッチが交換可能で、自分好みのタッチに変更できるのは嬉しいポイント。接続方法は2.4GHzワイヤレスとBluetooth、有線(USB-C)が用意されており、無線では72時間のバッテリー駆動が可能だ(RGBオフなら798時間)。
同じく2月27日発売の「Alienware Pro ワイヤレス ゲーミング マウス」は、バッテリー込みで60g未満の超軽量タイプ。実際に触って持ち上げてみたが、バッテリー搭載型とは思えないほどの軽さでビックリ。
こちらもTeam Liquid監修のもと、勝つためのゲーミングマウスとして開発され、ワイヤレスなら0.25ミリ秒、有線なら0.125ミリ秒のレスポンスタイムを実現している。
本稿で紹介した商品および価格は以下の通り。
なお、この発表会が行われたKITTEのアトリウム(1階)では、2月22日より3月7日までデル・テクノロジーズ ポップアップストアがオープン。AlienwareのゲーミングPCやキーボード、マウス、モニターはもちろん、XPSやInspironなどデルのPCを体験できる場所となっている。オープン時間は11時から20時まで。
「New Alienware m16 R2」ストアページ「New Alienware x16 R2」ストアページパソコンゲーム雑誌、アーケードゲーム雑誌、家庭用ゲーム雑誌を渡り歩き、現在はフリーのゲーム系編集/ライター。マイベストゲームは『ウィザードリィ 狂王の試練場』で、最近だと『Forza Horizon』シリーズに大ハマリ。メインPCはAlienware Aurora。セガ・レトロゲーム系メディア「Beep21」副編集長をやりつつ、ボードゲームメディア「BROAD」編集長も兼任。
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