iGiは、開発者がパブリッシャーを獲得するためのサポートを行う無償のインキュベーションプログラムです。4月中旬―10月中旬の6か月間、合計400時間のメンタリングを受けることができます。
ゲーム販売を目的としたコンテストとは異なり、iGi自体はゲームのパブリッシングを行いません。目的はゲーム開発者がパブリッシング契約を結ぶ前に、より良いビジネスパートナー・条件で締結できるようにサポートすることです。「ピッチ」と呼ばれる、パブリッシャーや投資家に対するゲームのプレゼンテーション訓練を日本語・英語両方で行い、日英のパブリッシャーに対してチャンスを広げます。また、参加期間中にゲームの完成を目指すものでもありません。ピッチに必要なゲームの試作品(バーティカルスライス)をブラッシュアップすることを目指します。
IndieGamesJp.dev を運営する株式会社ヘッドハイは、iGi indie Game incubatorのアドバイザーとして参画しています。
iGiの特徴は、「メンター」と呼ばれるサポートチームの厚みです。インディーゲーム開発者や、業務でインディーをサポートしている事業者から様々なアドバイスを受けることができます。メンター陣はインディー規模に特化した分野に詳しい面々となるため、個人・小規模チーム開発者が抱える問題に対して具体的な助けを得ることができます。メンタリングはタイトルごとに専任がつくほか、分野ごとの1対1メンタリング、1対多の講義形式のレクチャーミーティング、「スプリント」と呼ばれる進行管理を受けることができます。
iGiは2021年にスタートし、すでに3ラウンドが実施されました。昨年の「第三期」においては、『Death the Guitar』『KALEIDOLA』『World End Execute』『STRANGE SHADOW』『TACTICS GREED』が参加しています。iGiは日本で唯一のインディーゲーム開発者のためのピッチ専門イベントを実施しています。プログラム最終日のデモデイでは、80社以上の関係者に対してゲームのプレゼンテーション(ピッチ)を行いました。
iGiはパブリッシャー探しを支援するプロジェクトのため、採択対象者はパブリッシャー契約前の開発者またはチームが対象になります。参加は無償であり、作品に関する権利についても開発者帰属となり、iGiが権利を持つことはありません。運営母体である株式会社マーベラスは参加チームとの優先交渉権のみを得ますが、同社からオファーがあった場合にその条件で販売するかどうかは開発者が決めます。実際に過去のiGi採択チームはさまざまなパブリッシャーとの契約を行っています。
そのほかの応募要項は以下の通りです。
参加要件
提出するゲームのデモ(開発途中版)については、簡単なプロトタイプからでも応募可能ですが、ただし、企画書/説明書 にてゲームコンセプトを説明できることが必要としています。
iGiは1月16日に開発者向け説明会を実施しました。その様子はアーカイブ動画として確認できます。説明会ではメンター2名と卒業生2名を招き、それぞれiGiがどのようなサポートを提供しているか、またどんな効果があったかを当事者の目線から聞くことができます。
iGiの説明会はあともう1回が予定されています。今回は夜間で実施されるため、日中に学業や仕事がある方も参加しやすくなっています。開発中タイトルがあり、これからパブリッシャー探しをする段階の開発者は、iGiの活用を検討してみてはいかがでしょうか。