この記事の3行まとめ
エピック ゲームズ ジャパンは、『UE5の最新グラフィクスを使いこなすための4個の勘所』と題したスライド資料を公開しました。
CEDEC+KYUSHU2023にて弊社篠山(@tempkinder)が行った講演の資料を公開しました!UE5を用いてハイエンドグラフィクスを実現する際に最初につまづくポイントを、非エンジニア向けにまとめております。
UE5の最新グラフィクスを使いこなすための4個の勘所 https://t.co/1zZ8tlNrll#UE5 #CEDEC九州
— アンリアルエンジン (@UnrealEngineJP) December 11, 2023
CEDEC+KYUSHU2023にて弊社篠山(@tempkinder)が行った講演の資料を公開しました!UE5を用いてハイエンドグラフィクスを実現する際に最初につまづくポイントを、非エンジニア向けにまとめております。
UE5の最新グラフィクスを使いこなすための4個の勘所 https://t.co/1zZ8tlNrll#UE5 #CEDEC九州
— アンリアルエンジン (@UnrealEngineJP) December 11, 2023
公開された資料は、エピック ゲームズ ジャパン 篠山 範明氏が「CEDEC+KYUSHU 2023」で行った講演『UE5の最新グラフィクスを使いこなすための4個の勘所』で使われたものです。
資料では、Unreal Engine 5(以下、UE5)におけるレンダリング機能を使うにあたり考慮すべき点が解説されています。
UE5に搭載されているリアルタイムレンダリング機能「Nanite」や「Lumen」は、高クオリティなレンダリングを低負荷で実現できる一方で、マテリアルなどに制約があります。
スライド資料では、UE5のレンダリング機能に対する4つの「勘所」を紹介しています。
勘所1:複数フレームの処理
現状、ネイティブ4K画質のレンダリングは非常に負荷が高いため、篠山氏はUE5に搭載されているアップスケーリング機能「Temporal Super Resolution(TSR)(※)」の活用を推奨しています。
※ 複数フレーム分にわたる低解像度でのレンダリング結果を基に高解像度画像を生成する機能
TSRやLumenの処理は複数フレームを利用する処理であるため、fpsの低下や処理落ちなどによって正確なレンダリング結果が得られるまでの時間が長くなることが、注意点として紹介されました。
勘所2:仮想化とストリーミング
Naniteは、ポリゴンを仮想化し、画面に映っている部分のみをレンダリングすることでハイポリゴンのメッシュを低負荷で描画しています。
篠山氏は、Naniteと類似した技術として、高精度なテクスチャを部分的にロードし描画する「Virtual Texture」を挙げています。NaniteもVirtual Textureと同様、カメラ位置が大きく移動した際にストリーミングが間に合わず、一瞬ローポリゴンのオブジェクトが見える特性があることが解説されています。
勘所3:既存アセットの流用
Lumenでは、グローバルイルミネーションの計算に使用するLumen Card(仮のボックス)がオブジェクトを覆う形で生成されます。
そのため、一体となっている建物のメッシュなどは詳細なLumen Cardが生成されず、GIが不正確になってしまう問題があるとしています。
資料では、形状が単純なモジュラー式のアセットがLumenと相性がよいことが示されました。
現状のNaniteではMaskedマテリアルの負荷が非常に高いことからも、「Megascans(※)」などのアセットを活用するにはレンダリング機能との相性が問題となる可能性があるそうです。
※ Quixelが提供する、現実の物体をキャプチャして制作されたアセットのライブラリ。UEではアセットを無料で使用できる
勘所4:半透明
半透明の描画に関しては、UEのバージョンが4から5に更新されるにあたり大きな変化がなく、UE4と同様の問題がUE5にも残っているとのこと。
資料では、半透明の処理にともなう問題が、篠山氏が2014年に投稿したブログ記事を基に解説されています。
詳細は、Docswellをご確認ください。
Docswell『UE5の最新グラフィクスを使いこなすための4個の勘所 [CEDEC+KYUSHU 2023]』